今回はDVの被害について、なぜかDV男を好きになったり縁ができてしまったり、DV男と付き合って別れられないなどの根本原因と、自然とDV男と縁を切れて、幸せな恋愛ができるようになれる方法についてお伝えします。
よくDV男の対策として、DV男の特徴、DVの前兆サインを見極めて、そのような男性には近づかないようにしましょうというものがあります。
そういったものは一時避難的な対策でしかなく、仮にDV男を避けたとしても、根本原因がそのままになっているため、再び違うDV男と縁ができたり好きになってしまったりなどの現象が起こります。直接被害に遭わなくても、男性を避けて怯えて過ごしたり、男性不信で男性と付き合えなかったりといったことになってしまいます。
昔、知人の女性に、結婚するも旦那さんのDVが原因で離婚、その後別の人と結婚したらその人もDVで離婚した、という人がいました。原因をそのままにしていると、DVが嫌で別れて、頭では二度とDV男性とは付き合いたくないと思っていても、無意識にそういう男性を選んでしまうのです。
DV被害に会ってしまう根本原因と、それを特定して解消する方法をお伝えします。
根本原因を解消すれば、意識してDV傾向のある男性を遠ざけようとしなくても、自然と縁ができないようになります。
DV男を引き寄せてしまう本当の原因
DV被害の原因で、 一番多いのは男性の暴力に関するメンタルブロックです。
メンタルブロックとは、嫌な体験の記憶+想起される感情+記憶に対する信念がセットになったものです。
例
体験 → 犬に吠えられて噛まれた
感情 → 恐怖
信念 → 犬は獰猛で危害を与える生き物
現象:犬を見ると恐怖の感情が甦ってきて震えて近づけない
犬が嫌いになり、犬を遠ざけようとするようになります。
もちろんこれは、危険なものを避けたりして安全に生きるために生物に備わっている本能のようなものです。
しかし人間は、いろいろな想像力を働かせて、過去の嫌な体験を何度も思い出して嫌な気持ちになったり、またそうなるのでは、もっと酷いことが起こるのでは、と常に怯えたり過剰反応してしまいます。
やがて、常に嫌な気持ちを感じているのは苦痛なので、無理矢理見ないように心の奥に抑圧してしまいます。
このように未解消のまま無理に抑圧してしまった感情がメンタルブロックとなります。○○恐怖症といったのも多くの場合これが原因です。
DV被害に会う女性は、男性の暴力に関するメンタルブロックを持っていることが多いです。
DV被害を引き寄せている発端となった体験の記憶は人によって違いますが、その多くが幼少期に父親など家族の男性から暴力をふるわれた、または近い人、例えば母親が父親から暴力を振るわれていたという体験であることがとても多いです。幼少期は純真なので、父親が不機嫌だったり、怒鳴ったりといったことで恐怖が無意識に入ってしまうこともあります。
普通であれば暴力を振るう男性に恐怖を感じて避けるはずなのに、なぜDV傾向のある男性を好きになったり、縁ができたり、付き合って別れられないのでしょうか。
それは以下のような人間の脳の働きや性質からきています。
・脳は信じているとおりに振舞わせたり、出来事を引き寄せたりして人生の中で体現しようとする働きがある
・脳はメンタルブロック(未解消の抑圧された感情)を解消させようとして、現象化することで知らせようとしてくる
過去の体験から「男性は暴力を振るうもの」「また暴力を振るわれる」「私は暴力を振るわれて当然の人間」「愛情=暴力」といった信念を持ってしまっていると、脳は信じていることを現象化させようとして働きます。
無意識に、暴力を振るう男性を察知して、好きになったり縁ができてしまうのです。DV男も「男性は暴力を振るうもの」というあなたの無意識の信念を感じ取って、あなたをターゲットに選んでしまうのです。
そして暴力を振るわれることで、「男性は暴力を振るうもの」という信念が人生の中で再生されます。
逆に言えば、自分が持っている信念や未解消な感情があることに気づかせてくれるわけです。「あなたはこういう信念をもっているのですよ」と。本人が気づかないと解消できないですから。
・DV男を呼び寄せている信念(メンタルブロック)の一例
体験 → 幼少期に父親から暴力を振るわれて育った
感情 → 恐怖
信念 → 男性は”皆”暴力を振るう
体験 → 幼少期に父親から暴力を振るわれて育った
感情 → 恐怖
信念 → 自分は暴力を振るわれて当然の存在である
体験 → 幼少期に母親が父親から暴力を振るわれてた
感情 → 恐怖
信念 → 恋愛(結婚)とは暴力を振るわれること
・DV被害に遭っても別れようとしないケースの一例
体験 → 幼少期に父親から「これはお前に対する愛情だ」と言われながら暴力を振るわれた
感情 → 恐怖
信念 → 暴力=愛情
愛情=暴力と信じ込みが入ってしまっているので、愛してくれる人、つまり暴力を振るう男性を好きになったり縁ができたりして選んでしまうのです。
いくら表面上では嫌だと思っていても、無意識下でそれを信じているとそちらが現実化しようとします。
暴力を振るわれることで、苦痛だけど愛されていると満足しているのです。
表面上は嫌で仕方がないけれど、暴力がなくなるということは愛情がなくなるということにもなるので、DV男性から離れることが無意識に恐怖でもあるのです。
彼にも良いところや優しい時もある、彼は私がいないとだめ、などと何かと理由をつけて別れないのは無意識下の信念がそうさせているのです。
過去の何かの体験がきっかけで「自分は暴力を振るわれて当然の存在である」「愛情=暴力」のように、脳に間違った情報がプログラムされてしまっていることがDV被害の真の原因なのです。
その信念を持っている限り、いくら男性を避けたり、相手を訴えたり、相手の男性を変えようとしたりしても無駄に終わってしまいます。
DV被害に合った女性からよくこんな話を聞きます。結婚する前におかしなところや予兆はあったと。DV被害に合った知人女性も、彼と付き合っている時に、ささいなことで店員さんにクレームを入れたり、思い通りにならないとキレるといったことが何度かあったそうです。(本人に対しての暴力暴言はなかったそうです)その時は、ちょっと短気なところがある人、くらいにしか思わなかったそうです。通常であればここでおかしいと気付きます。ちょっとおかしいと思っても、メンタルブロックがあるとこのように無意識に選んでしまうのです。
一度作られてしまった信念(メンタルブロック)は書き換えることができないのでしょうか。そんな事は全くありません。パソコンと全く一緒で消去したり書き換えることが可能です。
人間の脳もパソコンと同じで、良い悪いではなく、単にプログラムされている通りに動いているだけなので、プログラムの方書き換えてしまえば結果である現実の方も変わっていきます。
自分の中にある本当の根本原因を解消することで、DV男や暴力と縁がない自分になることが根本的な解消法となります。
DV被害の根本原因を解消する実践ワーク
DV被害の根本的な原因を解消して、DV男と縁ができなくなって、素敵な男性と幸せで楽しく愛に満ちた恋愛が出来るようになるためのワークのやり方を説明します。
1.今の状態を自覚し、なりたい状態を宣言する
まずは今の自分の状態を自覚します。
人は、自分の状態を自覚し、それを自分の責任とすることで初めて変化することができます。
なりたい状態を宣言することで、脳がそちらの方へ舵をとってくれるようになります。
・自分がDV男から暴力を振るわれるという体験を呼び寄せていたことを自覚する
自分が自らの意思で、DV男を好きになったり引き寄せていた、または男性の暴力を恐れて恋愛ができないようになっていたことを自覚します。
自分に原因があるということを受け入れ、認めるのは抵抗があるかもしれません。暴力は許される行為ではありませんが、相手の男性のせいにしてる限りは変化することができなくなってしまいます。脳は他人のせいだから自分は変化の必要がないと判断してしまうからです。
自分が悪いというのでも、自分を責めるのではなく、良いも悪いもなく「あっ、なるほどこの現実は自分が呼び寄せていたのか」と単にただそれを淡々と認めるということです。「持っていたリンゴが床に落ちたのは、自分が手を放したからだ」と全く同じで、良いも悪いもなく単なる法則どおりに起こっただけということです。
・どうなりたいかを明確にする
人の脳は、何か明確な目的がないと動こうとしません。
だから、何のためにDV被害をやめるのかを明確にして宣言します。
「やめる」と言ったのは、自分の責任において、自分の意思で自分を変える、という宣言になるからです。
人間の脳は何か明確に宣言するとそちらに向けて動き出します。
重要な事は、自分が心からなりたい状態を、自分の意志で宣言するということです。
親や他人や社会のルール、世間体がどうとか、常識だから、恥ずかしいから、ではなく、自分の意思で、やりたいことをやって幸せで楽しく充実した人生を送るために、というのが適切です。
それと何かを避けるため、何かから逃れるためというのも適当ではありません。
何か嫌なことを避けるためだと、仮にその状況から逃れられたとしても、常に不安が付きまとってしまうのです。
足りない何かを埋めるためや、恐怖や不安や孤独など何かから逃れるためでなく、心からなりたい状態を宣言します。
例えば「私は優しくて思いやりのある素敵な男性と幸せで楽しい恋愛をする(ためにDV被害者をやめる)」など。
具体的に自分のなりたい状態を書き出してみてください。
2.自分にどんな信じ込みがあるのかを探る
次に、DV被害を受けてしまうことに対して自分がどんな信じ込みを持っているのかを探っていきます。
DV被害の原因のところで書いたような
・男性は暴力を振るうもの
・自分は暴力を振るわれて当然の人間だ
・自分は弱い被害者だ
・恋愛や結婚には暴力がつきもの
・暴力=愛情表現
といった何らかの信じ込みとともに、抑圧している恐怖があります。自覚が無くても、無意識にあって気づかないこともあります。もちろん人によっては例に挙げたのとは別の信じ込みだったりします。
DV男、暴力暴言に関して、自分自身が何を信じているか、どんな感情を持っているかを紙に書き出してください。
暴力を振るわれるのは嫌だ、怖い、酷い、最低だ、また暴力を振るわれるのではないか、みたいな不安や恐怖なども書いておきます。
暴力は許せない、暴力男なんて滅びろとか、思ったことや感情などをとにかく出てきたものは何でも正直に書き留めておきましょう。
信念が出てきたら、なぜそのように思うのかを考えてみてください。
男性は暴力を振るうもの だったら、なぜそう思うのかを考えてみると、父親に暴力を振るわれ記憶などがでてきたりします。
幼少期の頃の体験で忘れてることもあります。例えば、お腹の中にいるときに、一度だけ夫が奥さんに対して怒鳴った なんてことが発端になっていることもあります。胎児の時の出来事も覚えていることが分かっています。お腹にいる時に突然怒鳴り声が聞こえてきたら、恐怖でしかないですね。
そういった場合は具体的な体験の記憶にはなくても、漠然とした恐怖心だけが残ったりすることもあります。
ある女性のケースで、彼氏がDV傾向 → 別れて別の人と結婚してDV被害 → 別れて再婚してDV被害 という方がいました。
この方の、根本的な原因が根本的なところが、生まれたての頃に1度だけ父親から怒鳴られたという体験からきていました。
ワークとかしていたところ、母親に聞いたらそんなことがあったみたいに話してくれたそうです。こういった思い出したり、事実が分かることもDV被害をやめるという決意をしたことによる、脳の協力だったりします。
自分で何気ない時にふと思い出すこともあります。それも、DV被害をやめるという決意をしたから、その命令通りに脳が協力してくれているのです。
様々な角度から、自分がどんな信念、感情があるかを探してみましょう。
本当の自分の信じていることや感情を自分を知る、自覚することが、改善の大きな一歩になります。
3.信じ込みにヒビを入れる、壊す
信じ込みを特定したら、それにヒビを入れます。
信じ込みというものは、絶対的な真実ではなく、その人個人が絶対的に真実であると言う信じ込んでいることです。
上記に、過去に犬に吠えられて噛まれた体験により、犬は獰猛で危険な生き物という信じ込みが作られてしまったという例を挙げました。
しかし別な人は犬はとても懐いてくれて従順でかわいい生き物と言う信じ込みを持っていたりします。
つまり、絶対的な真理ではなく、あなただけが信じている、真実と決めていることになります。
・男性は皆暴力を振るう
・自分は暴力を振るわれて当然の人間だ
・恋愛や結婚には暴力がつきもの
・暴力=愛情表現
例えばこれらの信念は絶対的な真実なのでしょうか。
・男性は”皆”暴力を振るう
だったら、これは本当なのだろうか?例外はないのだろうか?ど考えてみましょう。
違う価値観を持っている他人に聞いてみるのも効果的です。
男性は皆暴力を振るう
例えば私自身の人生経験や価値観からすると、暴力を振るう男性の方が圧倒的に少数派です。
私自身女性に対して暴力を振るった事は1度もないですし、父が母に対して暴力ふるったのを見たことはありません。
友人知人でもそういう話を見聞きした事はありません。そういう場面に遭遇したことも1度もありません。暴言を何度か見聞きしたことあるくらいです。
自分が絶対的な真実として信じていた信念が、実は絶対的に真実はではなかったのではとハッと気づくと、それだけで信念にヒビが入ったり場合によっては信念が壊れるなくなってしまうこともあります。
4.信じ込みを作るに至ったか過去の体験の記憶を探る
2.で自分が持っている信じ込みを書き出しましたが、その信じ込みが過去のどの体験が発端となって作られたのかを探っていきます。
なぜそう信じているのかを自分に質問を投げかけてみるとでてきやすいです。
例えば「自分は暴力を振るわれて当然の人間だ」でしたら、なぜそう思うの?→自分はダメな人間だから なぜ?→ テストで悪い点を取ったら父親から「なぜできないんだ!!」と暴力を振るわれた
その信念を作るに至った過去の記憶に行き当たったりします。
この例では、父親になぜできないんだと暴力を振るわれた体験により、自分はダメ人間だから暴力を振るわれて当然だ 信念が作られ、脳にとってのプログラムとなり、DV男性を呼び寄せて、暴力を振るわれることで、信じている通りの人生を体現する、となってしまっていたのです。
5.信じ込みを消去、書き換える
まずは、概念について説明します。
ある体験の記憶に対して、ネガティブな意味づけをしたままずっと無意識下に信念として持ち続けていると、それを人生の中に呼び寄せようとします。
DV被害の例でしたら 幼少期に父親に暴力を振るわれた → 男性は皆暴力を振るう → 命令どおりDV男性を呼び寄せて暴力を振るわれるという体験をするといった具合です。
その信じ込みの発端となった体験の記憶が”今”のこととして処理されてしまっているのです。その記憶を無力化させます。そうすることで脳にとって、違う体験をした、その記憶は何の意味もない(もしくはポジティブな意味だ)となるので、その記憶についていた信念や恐怖などの感情もなくなります。
・記憶そのものを別なものに変える
・記憶に対する意味づけを変える
・何の意味のない単なる映像記憶に変化させる
例えば、小さい頃に発表してそこでつっかえてしまい皆に笑われて馬鹿にされて恥ずかしい思いをした → 自分は話すのが苦手だという信念が作られ、人前で話すの場面になると緊張する、人を避けるようになる、という記憶があったとします。
・記憶そのものを別なものに変える
上手にしゃべれて、みんなから拍手されたと言う記憶に書き換える(理想の体験として再体験する)
・記憶に対する意味づけを変える
失敗して笑われたという恥ずかしい記憶ではなく、意味づけを変えてしまいます。例えばお笑い芸人は、失敗した体験を笑いのネタにしたりします。そう決定した瞬間、恥ずかしい失敗の記憶が、おいしい笑い話のネタになり、ポジティブな体験に変化したのです。
あの体験があったおかげで自分は努力して様々なことを成し遂げることができたとか、失敗した人を笑わず励ますことができるようになったとか、プラスに考えることもできると思います。
・記憶を無力化し、単なる日常の意味のない記憶に変化させる
重要扱いしていた記憶を、毎日の歯を磨く、風呂に入ったのようにも何の意味もない記憶にしてしまいます。
○月○日の朝に歯を磨いた記憶、を思い出したとしても、何も感じないし、そもそも思い出そうとしないと思います。
トラウマのようになっていた記憶に対して、何の意味も無い無力化させます。
それぞれの具体的なやり方はタイムラインセラピーのページで説明しています。