優等生を演じてしまいます。そんな自分が嫌なのにやめられません。どうしたらやめられるでしょうか?
素直で真面目
勉強ができて、成績優秀、何でもそつなくこなす
素行が良く、ルールや規則を守り、輪を乱さない
優しくて、他人を優先していつもいい人
本当の自分は違う、そんな自分が嫌で仕方ない…
演じているのが辛い…でもやめられない
本当の自分を偽り、優等生を演じて生きるのはとても辛いと思います。
それでも優等生を演じてしまい、やめられないのには原因があります。
その原因を解消すれば、無理にやめようとしなくても自然とやめられるようになります。
なぜ優等生を演じてしまうのか
あなたが優等生を演じてしまうのは、優等生を演じることに何かメリットが得られる、何か嫌なことを避けられると思い込んでしまっているからです。
例えば、優等生でいることで
親や先生から褒められる
愛情をもらえる
親から怒られないで済む
人から嫌われずに済む
他人から評価される
価値のある人間でいられる
逆に言うと、もし優等生をやめてしまったら
親や先生から怒られる、失望される
人から嫌われてしまう
他人から評価されなくなってしまう
無価値な人間になってしまう
このように信じているため、それが恐くて優等生がやめられないんですね。
これらは全て、過去の体験から無意識に入ってしまった信じ込みです。
無意識の方が何十倍も強制力があるので、意識でやめようと思ってもやめられないのです。
ではあなたに優等生を演じさせる無意識下の信じ込みはどのように作られたのでしょうか。
それは多くの場合幼少期の親子関係に起因します。子供の頃は脳が柔軟で受け入れやすく、最も影響を受けるのが親です。
真面目でいい子でいると、親に褒められ、受け入れてもらえ、愛情をもらえた
そうでないと親が不機嫌になり、怒られ、否定、拒絶された
勉強ができると褒められ、もしくはできるのが当たり前
できないと怒られ、失望され、否定された
優等生でいれば認めて受け入れて愛してもらえる、(優等生でいないと指定され拒絶され愛してもらえない無価値な人間だ)
親から優等生になって、テストで良い点を取り、いい大学に入ることを期待されてプレッシャーを与えられ続けた
そして学校に行くようになってからも、優等生でいないと無価値な人間になってしまうという恐れからやめられなくなってしまいます。
優等生をやめてしまったら…
怒られて否定され拒絶され、愛してもらえない
親や周囲の人を失望させてしまう
自分はダメで無価値な人間だから嫌われてしまう
このような無意識下のプログラムに従って行動してしまっているのです。
幸い、人間の脳はパソコンとのハードディスクと一緒で、データを上書きすることが可能です。
優等生を演じてしまうのを自然とやめるには、優等生を演じてしまう原因の無意識下の信じ込みを特定して、セラピーや心理ワークで解消します。
そして優等生じゃない等身大の自分を認めて受け入れ、自己重要感や自己肯定感を養っていきます。
自己重要感は、本来であれば親から「あなたは優等生じゃなくても生きているだけで価値があるんだよ、ここにいていいんだよ」という無条件の愛情を受けて育つことで育まれます。
親から無条件の愛情を受けていなくても、自己重要感や後から自分自身で育んで行くことが可能です。
等身大の自分を認めて受け入れられるようになると、優等生でいないと嫌われてしまう、人が失望して去って行く、優等生でない自分は価値がないという思いがなくなっていきます。
他人にどう思われるかや、他人の評価が気にならなくなってくるので、自然に優等生をやめて本当の自分として生きられるようになります。
優等生を演じるのを自然とやめるためのワーク
優等生を演じてしまう原因の無意識下の信じ込みを洗い出す
次の質問に答えてください。
質問1.あなたが演じている”優等生”とは具体的にどのようなことを演じていますか?
質問2.なぜあなたは優等生を演じていますか?
質問3.優等生を演じていることで得られているメリットを書き出してください。
質問4.もし優等生を演じることを一切やめたらどんなことが起こると思いますか?
質問5.なぜ質問4で書き出したようなことが起こると思うのですか?
質問6.実際に質問4で書き出したようなことが起こったことはありますか?あるという人はいつ頃どんな体験だったのかを書き出してください。
質問7.優等生じゃない自分はどんな自分だと思いますか?人からどう思われると思いますか?
思いや感情を紙に書き出す
紙と鉛筆を用意してください。
あなたが優等生を演じてやめられないことに関することで、思い、感情、他人や自分に言いたいこと、文句、愚痴、嘆きなどどんなことでもいいので紙に書きなぐってください。
もう優等生を演じるのは嫌だ辛い、やめたい、でもやめたら親に怒られて失望されるのではないか
本当の自分はもっとダメでぐうたらで、自分勝手で優しくない、でも素の自分を出したら嫌われて人が去って行ってしまうのではないか、優等生をやめるのが怖い、不安だ
このような感じで、思いや感情をそのまま書き出してください。親や誰かに対する罵倒、自己否定の言葉などが出てきても構いません。出てくるままに書き出すことが大切です。
これがあなたの今の本心、思い込み、未完了の感情などです。
自分が持っていた信じ込みを認め受け入れる
先ほどの質問に答えた内容と、思いや感情を書き殴った紙を見てください。
そして「なるほど、自分はいい子にしていないと親が不機嫌になったのを見て、優等生を辞めたら親を失望させてしまうと思い込んでいたのか」
というように客観的に認めて受け入れて自覚してみてください。
信念や感情は、認めて受け入れると手放しやすくなります。
優等生を演じてしまう原因の信じ込みを解消するワーク
先ほどの質問に答えた内容などを参考にして、優等生を演じてしまう原因の無意識下の信じ込みを解消していきます。
信じ込みは過去の記憶と紐付いて保存されています。
いい子でいなかったら、親が不機嫌になったという記憶
↓
いい子にしていないと人に嫌われる、いい子でない自分は無価値だ(信念)
という意味づけがされたままになっています。
ですので心理セラピーやワークで無意識下の過去の記憶や思い込みを処置します。
過去の体験の記憶をやり直す
記憶に対する意味づけをポジティブに変える
過去の体験から気づきや学びを得て良い記憶に昇華させる
記憶そのものを無力下、重要度を下げる
過去の傷付いたままの自分を癒す
未完了の抑圧されたままの感情を解消する
人や内容によってこのような処置を行うことで、信じ込みが解消されたり別のものに書き換わります。
そうするとあなたの脳へ命令となるプログラムも書き変わるので、自然と優等生を演じなくても平気になります。
やり方はいくつかありますが、ここでは一人でできるものを紹介します。
無意識下の信じ込みを解消して書き換えるワークのやり方はこちらの記事を参考にしてください。
自己受容をして自己肯定感を養う
優等生を演じてしまう人は、ほとんどの場合その裏に自己否定があります。
なぜなら、素の等身大の自分はダメで無価値な人間だ、人から嫌われると思っている、つまり本当の自分を否定しているから、優等生を演じているわけですね。
先ほどのワークで否定的な信じ込みを解消しつつ、プラスの方向に自己需要をして自己重要感、自己肯定感を養っていきます。
そのままの自分を認めて受け入れてあげると、素の自分でも素晴らしく価値があると思っているので「素の自分でいると他人から嫌われるのでは」という恐れがなくなります。
自己受容や自己重要感は、本来であれば親から無条件の愛情を受けて育つことで養われます。
「どんなあなたでも価値があり、存在していていいんだよ、ここにいていいんだよ、丸ごと愛しているよ」
このような承認を受けて育つことで、自分自身に対してもそう思えるようになります。
このような承認を親からもらえなかったのなら、今からでも自分で養っていくことができます。
今まで自己否定が強かった人は一朝一夕にはできませんが、日々の中で少しずつ自分を認めて受け入れることを行っていくと、だんだん自己需要や自己重要感が養われていきます。
少しでも自己重要感が養われてくると、他人の言動に関係なく満たされるようになってきます。人前でも素の自分でいられるようになります。
素の自分で、本来の自分として、人生を生きることができるようになります。
自己受容や自己重要感を養っていくワークのやり方はこちらの記事を参考にしてください。