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「必要とされたい」依存を克服すると必要とされる人になる理由

今回は、「誰かに必要とされたい」という渇望感のような苦しみを解消して、自然と人から必要とされる人になっていくための方法を解説します。

目次

なぜ「人に必要とされたい」という強い気持ちが湧いてくるのか

「誰かに必要とされたい」という欲求は生存本能からくる部分もあり、自然な欲求でありますが、通常であれば渇望感のような苦しみを伴うほどの感情は湧いてきません。

ではなぜ、「必要とされたい!」と渇望するほどの強い苦しい感情が湧いてくるのでしょうか。

それは「自分は誰からも必要とされていない」「自分は人から必要とされない無価値な存在なのだ」と信じているからです。

実際に人から必要とされているか、されていないかは関係なく、そう信じ込んでいるから、「必要とされたい!」という苦しい感情が湧いてくるのです。

「人に必要とされたい」と思うほど、人から必要とされなくなる理由

「人に必要とされたい」と強く思えば思うほど、ますます誰からも必要とされない人になってしまいます。

あなたが人から必要とされないのは、「人に必要とされたい」と強く思っているからなのです。

「人に必要とされたい」と強く思うということは「私は誰からも必要とされていません」「私は誰からも必要とされない無価値な存在です」と信じているからですね。

人間の脳には、信じて受け入れたことを命令として受け取って、無意識にそのような人として立ち振舞まったり、信じていることが真実だと感じる体験として呼び寄せようとする働きがあります。

例えば、「自分は人前で話すのが下手だ」と信じていると、人前で話す場面になると緊張して頭が真っ白になって何も言葉が出ないといったことになると思います。

脳が「自分は人前で話すのが下手だ」という信念通りに、話すのが苦手な人として行動させているわけです。

梅干しを想像して「梅干しは甘い、梅干しは甘い」と何度か唱えてみてください。

口の中が酸っぱい感じがして唾が出てきたのではないかと思います。これは過去の経験から「梅干しは酸っぱいものだ」という信じ込みがあるので、いくら意識で甘いと言い聞かせても、無意識で信じている通りに脳が反応してしまうんですね。

「自分は誰からも必要とされていない」と信じていると、脳が次のように反応します。

信じ込み通りにあなたを無意識に人から必要とされない人がするような行動を取ってしまい、他人から必要としてもらえなくなり、人から必要とされていないと感じるような現実が呼び寄せられます。

「自分は誰からも必要とされてない価値のない存在だ」と信じているので、人から好かれよう、必要とされようとして、無理に自分を作ったり、嫌なことを断れなかったり、いい人を演じたり、媚を売ったり、嫌われないようにビクビクしてしまいます。

すると、他人から「なんかこの人ビクビクしてぎこちなくて居心地悪いなあ」「作っている感じがしてなんか信用できないなあ」と思われて距離を置かれてしまいます。

自分の価値を高めようとして、自慢、自己アピール、マウンティング、相手を見下して自分の価値をあげる、といったことをする人もいます。

「どうせ自分など必要とされていない」という負のオーラを出しながら、自分を見て!構って!必要として!というオーラを出してしまいます。他人からするとこの人といると疲れる、離れたいとなってしまうのです。

すると、ますます他人から必要とされたくて、無理に自分を作ったり、言いなりになったり、相手が臨んでいないのにおせっかいで無理に何かをしてあげたり、嫌なことを断れなかったり、本当はやりたくないことをするようになります。

必要とされたくて、ボランティア、奉仕、人助けをする人もいます。

ボランティア自体は素晴らしいことですが、「自分は誰からも必要とされない無価値な存在だ」という信念が動機だと、お酒を飲んで苦痛から逃れるのと一緒の一時しのぎになってしまいます。

人の為に何かをしていないと罪悪感を感じて、仕事を辞めてまで無理をしてボランティアをするみたいになってしまう人もいます。

罪悪感や不安から無理をして他人から必要とされたとしても、他人から必要とされているのは、あなたが何でもやってくれる、言いなりになる、都合が良いからであって、本当のあなたが必要とされているわけではないんですね。

自分でも、本当の自分が必要とされているわけではない、それをしないと人が離れていってしまうというのは分かっています。

がんばっていないと必要とされなくなってしまう、という恐怖が付きまとい気が気でなく、疲れてしまいます。

作った自分で一時的に人に必要とされたとしても「本当の自分は必要とされていない」という苦しみは消えません。

また、「自分は必要とされていない」と信じていると、本当にあなたを必要にしてくれている人が現れたとしても、それを認めず受け入れなくなります。

そんなの嘘だ!信用できない!利用しようとしているだけだ!と、疑ったり拒絶してしまいます。そのうち人が離れていってしまいます。

「ほうらね、やっぱり自分は誰からも必要とされていない」と実感することになってしまいます。

あなたが人から必要とされないと感じて苦しいのは、「自分は誰からも必要とされていない」「自分は人から必要とされない無価値な存在なのだ」と信じていて、人から必要とされようとして行動しているからです。

「人に必要とされたい」という苦しみを解消して、人から必要とされる人になるためのワーク

「自分は誰からも必要とされていない存在だ」と信じ込みが無意識に入ってしまっていることが「人に必要とされたい」という苦しみとそれに関連する人間関係の問題を作っているとのべました。

これはただの信じ込みにすぎません。過去の何らかの体験により信じてしまっているだけです。脳に記録されているデータはパソコンと一緒で更新して書き換えることができます。

「自分は誰からも必要とされていない存在だ」という信じ込みを解消して「自分は人から必要とされる(素晴らしい、愛される、魅力的な)存在なのだ」という信じ込みに書き換えます。

すると、脳はそれを命令として受け取って、無意識に必要とされる人として言動し、必要とされていると感じる現実を呼び寄せようとします。

「人に必要とされたい」という苦しみから逃れるための言動ではなく、本来の自分として行動できるようになります。すると他人は魅力的に写り、あなたを必要としてくれる人が増えてくるようになります。

次は、「人に必要とされたい」という苦しみを解消して、人から必要とされる人になるためのワークの実践方法について解説します。

「人に必要とされたい」という苦しみを解消して、人から必要とされる人になるためのワークの実践手順

まずはあなたが「人に必要とされたい」ということに関連してどのような信じ込みを持っているかを探ります。自分の信じ込みはなかなか自覚できないもので自覚できないものは変えることができないからです。

次の質問に答えるように紙に書き出してください

質問1.あなたが「自分は人から必要とされていない」と感じるのはなぜでしょうか?

質問2.どのような状態の時、「自分は人から必要とされていない」と感じますか?

質問3.これまでに「自分は人から必要とされていない」と強く感じた体験を具体的に書き出してください。

質問4.あなたが一番最初に「自分は人から必要とされていない」と感じた体験を思い出せる範囲で書き出してください。 記憶にはないが幼少期からそう感じていた場合はそう書いてください。

質問5.他人からどうされたら「自分は必要とされている」と感じますか?あなたが人に必要とされたいことを具体的に書いてください。

例:
自分の存在を認めてくれる
素の自分を好きになってくれる
頼ってくれる
遊びに誘われる
恋人から愛される

質問6.質問5で回答した他人から「自分は必要とされている」と感じることをされた時に、不信感、罪悪感、受け取れないような気持ちはありますか?それはどのような気持ちで、どのような理由でしょうか?

遊びに誘われる → どうせ一緒にいく人が見つからないだけで自分でなくてもいいんだ
恋人から愛される → 自分のような短所だらけの人間が愛されるわけがない

・本音を紙に書き出す

「人から必要とされたい」「自分は誰も誰からも必要とされていない」ことに関連したこと、本音、文句、愚痴、言い分、心の叫びを吐き出すように好きなように書きなぐってみてください。

「どうして誰も私を必要としてくれないの?どうせ自分は何のとりえもないダメ人間だし、つまらないし誰も必要としてくれるわけがない。自分なんか生きている価値が無い、みんな恋人や友達と仲良くやってるのに、自分は誰からも相手にされず毎日つまらない、必要とされたい!必要とされている人が羨ましい」

どんなに汚い言葉でも良いので自由に書き出し心の中にあるものを心の吐き出すように全て書き出してください。

今まで溜め込んでいた感情を吐き出してスッキリすると共に、自分の信じ込みが露になります。

自分は誰からも必要とされていないという信じ込みを解消して、 その後に自分は必要とされている人間だという信じ込みに書き換えて行きます。

「必要とされたい」という渇望感のような苦しみが弱くなるので、人から必要とされたいと、無理をしたりビクビクしていたのがなくなって、自分らしく自然体で振舞えるようになります。

何をやるにしても、人から必要とされるかどうかではなく、自分がやりたいことをできるようになります。

人はそんな人に魅力を感じますし、安心感や信頼感を感じます。必要としてくれる人がでてきて、必要とされていると感じるような出来事が増えてきます。

「自分は必要とされない存在だ」と強く感じた体験の記憶を処置する

自分は誰からも必要とされていないという強く感じた体験があったという人は その記憶を処置して無力化してしまいます。

誰からも必要とされないされていないと感じる体験があったから自分は誰からも必要とされていないのだと信じるようになってしまったので

体験の記憶:幼少期の頃にあなたはうちの子じゃありませんと親に叱られた
信念:自分は親から必要とされない存在だ
湧き上がる感情:劣等感、孤独、不安、恐怖

記憶の内容の変更
記憶から学びや気づきを得て昇華させる
記憶を無力化する

記憶を処置する方法はこちらのタイムラインセラピーの記事を参考に実践してください。

自己肯定感を養う 自分で自分の価値を認めると人から必要とされる

必要とされたいという苦しみがなくなり人から必要とされる人になるためには、まずは自分が自分を必要とする、価値がある存在(必要とされている存在)と認めることが大切です。

自分を必要な存在だと認める
ありのままの自分を認めて受け入れる
自分を好きになる
自分を愛する
自分を価値が在る存在だと認める
自分を大切な存在として扱う
自分に幸せになってよいと許可を出す

そうすると、他人から必要とされている、されていないに関わらず、満たされてしまうので、他人から必要とされることを欲しなくなります。

自己肯定感が養われると、自信がつき、本来の魅力が輝きだし、自然体で自分がやりたいように行動できるようになります。

そのような人は他人から見てキラキラ輝いて魅力的に映るので、あなたを本当に必要とする人が現れたり、必要とされていると感じる現実が作られます。

自分で自分の価値を認めて自己肯定感を養うワーク

他人から必要とされる人になるためには、自分で自分を必要な存在として、認めるということが大切です。

自分は(人から必要とされるような)価値がある、魅力的で素晴らしい存在であると認めて受け入れる
長所も短所も、ダメな部分も認める、肯定する、受け入れる、愛する、好きになる、許可する

ダメな自分、責めてしまう、いじけてしまう、そんな自分も共感して良しと認めてあげます。

自分の良いところを100個書き出す

自分の良いところ、長所、特技、成し遂げたこと、できること、克服したこと、など何でも良いので100個書き出してみてください。

動物に優しい
スマホのフリック入力が早い
自転車に乗れる

といった簡単なことや当たり前と思うようなことでも構いません。

日常の中で自己肯定をする

日常の中で何かをやったら、その度に「できた!偉い!すごい!素晴らしい」と少々オーバーに褒めます。

例えば、部屋を掃除をしたら「綺麗になった!偉い!素晴らしい」などと褒めます。

10のうち1しかできなくても、1しかできなかったはなく、「1できた!やった!すごい!」と褒めてください。

全くできなくても、「仕方ない、大丈夫だよ」と肯定してあげてください。

これを癖にしていくと、自尊心が養われて、自信がついてきます。

寝がけ・寝起きの自己肯定ワーク

寝る前と朝起きた時に布団の中で、数分間、右手を左肩に左手を右肩に置くようにして自分をハグするような格好で、自分が他人からされたい(言われたい)ことを、自分自身に言うことをおこないます。

「愛してるよ、あなたは素晴らしいよ、魅力的だよ、あなたは価値がある存在だよ、あなたが大好き、いつも見てるよ、いつもあなたの味方だよ、いつも一緒だよ、偉いよ、すごいよ、がんばってるよ」と言うように、自分が必要とされていると感じるようなことを言い聞かせてみてください。

実は、他人からされたい(言われたい)ことは、自分自身にされたいことの投影なのです。

人から愛されたい と思っているということは、自分に愛されたい(自分を愛せていない)ということなのです。

これをやっていると満たされて自信と自尊心がついてきます。

「どうせ自分なんか」「自分のようなダメ人間など誰も必要とされない」といった気持ちが出てくる場合は、

「そんなことないよ、どんな自分でも素晴らしいよ」と言ってあげたり、それが受け入れられないようなら、
「そういうところがあっても変わらず好きだよ」
「どうせ自分なんか、と感じてしまっているんだね、あんな経験してきたら誰だってそう感じてしまうのも仕方ないよ、大丈夫だよ」などと言ってあげましょう。

人によって自分がしっくりする、抵抗が出ないようにやってください。

自分を責めたり、無理強いしたりせずに、とことん自分の気持ちに寄り添ってあげてください。

責めてしまっても、責めちゃダメだ、と否定せずに「あんなことがあったのだから責めてしまうのも今は仕方ないよ」と肯定してあげてください。

イメージの中で好きな人から言ってもらう

自分で自分に言うのはあまり響かないという人は、自分が好きな人にこれを言ってもらってるようにイメージしてください。

対象の好きな人は、実際に好きな人でも、 好きな芸能人でも、アニメやゲームのキャラクターでも構いません。

あなたがこの人にそう言われたら嬉しいと感じる人に言ってもらってるようにイメージをしましょう。

「いつも見てるよ、そばにいるよ、ずっと味方だよ、欠点があっても好きだよ、気にしてないよ、完璧だったらつまらない、そういうところがあるから好きなんだよ」

どうせ自分なんかという気持ちが湧いてきても「それでも好きだよ、そういうあなたも魅力的含めて魅力的で素晴らしいんだよ」ということを言ってもらってください。

これらをおこなっていると、人に必要とされている、されていないに関係なく、「必要とされたい」という苦しみや渇望感がなくなって満たされていきます。

自尊心が高まり、自信がつき、自然体であなたらしく、自分のやりたいことができるようになります。

そして、気づいたら人から必要とされていると感じることが多くなってくるでしょう。

抵抗が起こったら 無理しない範囲でおこなうことが大切

脳にはホメオスタシスといって、慣れ親しんだ習慣を現状維持しようとする機能があります。習慣がなかなか変えられなかったり、気を抜くと元に戻ってしまうのはこのためです。

今まで「自分は必要とされていない」と長年信じていたところを変えようとするので、人によっては抵抗が起こったり、元の習慣に引っ張られることもあります。

強い抵抗感が出たり、やる気がなくなったり、どうせこんなことをしても無駄と感じたり、場合によってはますます必要とされないと感じる出来事が起こったり、抑圧していた苦しい感情が表に出てきたりすることもあります。

そんな時は無理をせずに休んでください。自分のペースで少しずつおこないましょう。

しかし、抵抗ややる気がなくなったからといって完全にやめてしまうと、元の習慣に戻ってしまいます。

後退したように感じたとしても、これは当たり前の反応なんだ、前に進もうとしているんだ、変化しているという証拠なんだと思ってください。

無理しない範囲でおこないましょう。自分を労わってあげながら、少しでもやる気が起こるものから少しずつでも実践していきましょう。

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