コミュ障には3つのタイプがあります。
それぞれの特徴・原因・治し方について解説します。
コミュ障の3つのタイプと特徴
ダウナー系コミュ障
人と話したり接するのが苦手で、大人しくあまり喋らないタイプのコミュ障です。
- 内向的な性格
- 大勢より気の合う少人数でいるのが好き
- 一人で行動する、一人の時間が好き
- 無口、無表情
- 人見知りで初対面の人が苦手
- 消極的、受身で自分から話しかけられない、誘えない
- 声が小さくボソッと話す
- 人に気を使いすぎてしまう
- 周囲の目を気にしてしまう
- 人に興味が持てない
- 自己主張や目立つことが苦手
などの特徴があります。
キョロ充
ぼっちだと思われたくなくて、人目を気にして無理にリア充のふりをしている、周囲に合わせているタイプのコミュ障です。
一見コミュ力もあり、人と仲良くなれるのでコミュ障に見えない人もいます。
しかし、孤立しないように、嫌われないように、仲間外れにされるのを恐れて、無理に愛想良くして人に合わせたり、リア充キャラを演じています。
いつも気を使って無理をしているので、一人になるとぐったりして、休日は家に引きこもっているなんてことも。
- 沈黙が怖くてやたら喋ろうとする
- 愛想笑いが得意
- 誘われなくなるのが怖くてイベントは全て参加する
- 何でも周囲に合わせる
- あまり楽しくないのにグループに属している
- ぼっちだと思われたくなくていつも誰かと行動をする
- 好みでないのにリア充っぽい格好をする
- 興味がないのに流行を追い、リア充がする趣味をやる
- 盛ってまでリア充に見せようとする
- 無理をしてテンションを上げている
などの特徴があります。
アッパー系コミュ障の特徴
明るく積極的でよく話すが、一方的で自分本位なコミュニケーションをして、相手を不快にさせていることに気づかないタイプのコミュ障です。
本人はコミュ力が高くリア充で人気者だと思っているので、コミュ障であることに気づいていない人が多いです。
- 自分の話ばかりする
- 距離感がおかしく初対面からグイグイくる
- 場をわきまえずどこでも大声で話す
- 人の話が聞けない、遮って話したり会話泥棒をする
- 一方的に巻くし立てるように話す、マシンガントーク
- 聞いてもいないアドバイス、説教をする
- 思っていることを何でも口に出してしまう
- 空気が読めない発言をする
- 自慢、マウンティング、武勇伝を得意げに話す
- 相手の意見や考えを頭ごなしに否定する
- 自分の価値観や考えを押し付ける
- 注目や賞賛を得るために突拍子もないことをする
- 人をバカにして笑いを取るなど、相手の気持ちを考えない
などの特徴があります。
タイプ別のコミュ障の原因
ダウナー系コミュ障の原因
ダウナー系コミュ障の原因には以下の3つがあります。
- 心理的な要因(メンタルブロック)
- 会話やコミュニケーションのスキル不足
- 場数と経験不足
心理的な要因(メンタルブロック)
メンタルブロックとは行動を制限するような無意識下の否定的な信じ込みのことです。
嫌われるのではないか
変に思われるのではないか
拒絶されるのではないか
人が怖い
自分なんかといてもつまらないだろう
自分は無口で根暗な性格だ
自己否定、劣等感、無価値観
このような思い込みがあることで、嫌われるのではないかとビクビクしてうまく話すことができないんですね。
メンタルブロックは幼少期の家庭環境や学校生活などの過去の体験により作られたものです。
コミュ障を改善するには、対人恐怖、自己否定などのメンタルブロックを心理ワークで解消することが大切です。
会話やコミュニケーションスキル不足
今まで会話や人と接することが苦手で避けてきた人は、会話やコミュニケーションのスキルが身についていないままになっています。
なので何を話していいのかわからず、すぐ無言になってしまいます。
会話、コミュニケーションは日本語の読み書きができるとは全く別のスキルです。
なので会話を上達させるには、スポーツや楽器を習得するくらいの学習と練習量が必要になります。
場数と経験不足
ずっと対人関係が苦手で避けてきたので、経験不足により人とどう接してしていいのかわからなくなってしまっています。
これは色々な人と接して場数を踏むことで慣れて行きます。
しかし、上記の心理的なブレーキと会話のスキルがないままで、やみくもに人と話して場数を踏んでもあまり意味がありません。
対人恐怖でビクビクしながら、会話の知識もスキルもないまま人と話しても上達しないどころか、心が疲弊して嫌になってしまいます。
なので心理的なブレーキを外し、会話とコミュニケーションのスキルをある程度身につけてから、人と話して慣れていくことでコミュ障が改善されます。
キョロ充系コミュ障の原因
キョロ充コミュ障の原因も、ダウナー系コミュ障と同じくメンタルブロックにあります。
リア充じゃない素の自分には価値がない
周囲に合わせないと嫌われてぼっちになる
明るく振舞わないと仲間に入れてもらえない
素の自分でいたら見捨てられ、人が去って行く
本当の自分を出したら嫌われる、否定される、拒絶される
このような恐れを持ってしまっているということです。
その裏には、
素の自分は嫌われる、拒絶される、変に思われる
素の自分には価値がない
いい人でいないと見捨てられる(見捨てられ不安)
いい人でいないと愛されていない
対人恐怖
過去に孤立、仲間はずれ、いじめられたことによるトラウマ
自己否定、劣等感、無価値観
過去の体験から作られたこのようなメンタルブロックから来ています。
例えば、子供の頃に「いい子でいると親に褒められ、そうでないと否定された」体験があると
自分はいい子でいないと価値がない
いい子でいないと否定されて見捨てられて一人ぼっちになってしまう
といったメンタルブロックが作られてしまいます。
いい人を演じてないと嫌われてしまうと恐怖を感じてキョロ充になってしまうんですね。
心理ワークでこのようなメンタルブロックを解消していきます。
アッパー系コミュ障の原因
アッパー系コミュ障には
- 自分の劣等感、愛情不足を埋めるために相手を利用してしまっているタイプ
- 素の自分は嫌い、ダメだと思っていてテンションを上げているタイプ
- わがままで自己中心的な性格のまま育ってしまったタイプ
- ADHDなどでコミュニケーションが上手くできないタイプ
がいます。
自己否定、無価値観、劣等感、愛情不足から来ているタイプは、ダウナー系やキョロ中系と同じような心理的な要因から来ています。
アッパー系コミュ障の人が独りよがりで自分本位なコミュニケーションをしてしまう、その裏には
自己否定、劣等感、無価値感、愛情不足
などがあり、だからこれらを満たそうとして承認欲求が強くなり
自分を認めて理解してほしくて、自分の話を一方的に話してしまう
自慢やマウンティングをして劣等感を埋めようとする
人を馬鹿にしたり見下して自分の価値を上げようとする
承認欲求を満たすために、他人の注目や賞賛を欲する
価値がない自分を認めたくなくて、自分は素晴らしい特別な人間だと誇示する
ということです。
コミュニケーションの目的が、他人を利用して自分を満たすことになっているので、一方的で自分本位なコミュニケーションになってしまうんですね。
甘やかされて育ったことで、自己中心的な性格になってしまってる場合もあります。
ずっとそのようなコミュニケーションしかしてこなかったので、相手の気持ちが想像できない、配慮できない、察することができない状態に陥ってしまっています。
思ったことをすぐ口にしてしまう、人の話を遮り一方的に喋る、相手の話が聞けないなどは、発達障害(ADHD)などから来ていることもあります。
アッパー系コミュ障の人は本人に自覚がないので、改善しようと思う人はなかなかいません。
人間関係で度々トラブルになったり、みんなから嫌われて初めて気づく人が多いです。
タイプ別のコミュ障の治し方
ダウナー系コミュ障の改善・治し方
メンタルブロックの解消
会話とコミュニケーションスキルを身につける
場数と経験を踏んで慣れていく
これらを行なうことで改善、克服に向かっていきます。
メンタルブロックの解消
メンタルブロックは過去の体験により無意識に入ってしまっている信じ込みでありこれは心理学やセラピーで解消していきます。
幼少期に親に話しかけたら「うるさい!今忙しいんだから静かにしてなさい!」と怒られたことが原因で
自分が話しかけたら相手を不機嫌にさせてしまう
自分は嫌われて、拒絶された
嫌われて拒絶されたのは無価値な人間だからだ
という思い込みが作られ、大人になっても残ってしまっています。
解消する方法はいくつかのやり方があるのですが、
1つを説明すると心理ワークで原因となった無意識下の記憶にアプローチして
「あの時の親は忙しくてつい怒っただけ、嫌われたわけではない
怒られたこととあなたの価値には一切関係ないんだよ」
など新しい意味づけをして、信じ込みを解消したり書き換えていきます。
そして、そのままの自分を認めて受け入れるという自己受容のワークを行います。
するとだんだん、そのままでの自分で価値があるのだと無意識レベルから実感できるようになってきます。
そのままの自分を受け入れているので、人前で素の自分を出したら嫌われるのではないかと言った思いが湧いてこなくなり、自然体で人と接することができるようになります。
会話とコミュニケーションスキルを身につける
今まで会話とコミュニケーションが苦手でやってこなかった人は、スキルとして身についてない状態です。
英会話が話せない、楽器が弾けないというのとほとんど同じ状態だと考えてください。
会話を上達させるには、基礎から会話を学習して繰り返し練習を積む必要があります。
英会話や楽器と同じように、ただ書籍を読んで内容を覚えただけでは実践ではほとんどできません。
会話はある程度のアドリブ力が必要ですし、ただ字面通りに喋るだけではなくノンバーバル(表情、言い方、抑揚などの会話の内容以外の部分)がとても重要だからです。
練習すると言っても、ただ闇雲に人と話しているだけだとほとんど上達はしません。
コミュ障さんは緊張したり遠慮して覚えたフレーズを言えないし、人付き合いが苦手で場数がこなせないからです。
なので一人で声に出して練習して、本番では反射的に言葉が出てくるぐらいにしておく必要があります。
スポーツでも楽器演奏でも本番前に反射的にできるようになるまで練習しておきますよね。会話も同様です。
一人でできる練習方法はこちらの記事を参考にしてください。
場数と経験を積む
会話や対人関係に対してのメンタルブロックを外す
一人で練習して反射的に言葉が出るくらいまでスキルを身につけておく
ある程度これらをやったら人と話して場数を踏むことで慣れて行きましょう。
心理的なブレーキが外れていて、反射的に言葉が出るぐらいまで会話スキルが身についていれば、今までより自然体で流暢に会話をすることができるはずでつ。
そして会話がうまくできて楽しい時間が過ごせればどんどん自分に自信がついてきます。
うまくできなかったところは後から振り返ってそこをまた強化するために練習をしましょう。
キョロ充系コミュ障の改善・治し方
キョロ充をやってしまうのは
本当の自分は無価値だ
素の自分を見せたら嫌われる、拒絶される、孤立する
という思い込みからきているので
その原因である
自己否定、無価値感、劣等感
を解消する必要があります。
自己否定、無価値感、劣等感があり、素の自分に自信がないから、人に合わせたり、偽りの自分を演じてしまうんですね。
親が怖い人で、いつも顔色を伺ってビクビクしていた
いい子でいると認められてそうでないと規定され拒絶された
学校で孤立してしまったけど明るく振る舞ったら仲間に入れてもらえた
こういった体験から、本当の巣を自分を見せたら嫌われる拒絶される人が去って行ってぼっちになると思い込んでしまっているのです。
心理ワークやセラピーで無意識にアクセスしてこのような思い込みを外していきます。
今までは無理にやっていたといえもともとコミュ力はあるのですから、それが無理ではなく自然体で人と接することができるようになります。
アッパー系コミュ障の改善・治し方
アッパー系コミュ障を治すにはまずは自覚することが大切です。
それには、なぜ自分は一方的に話してしまうのだろう、自慢したくなってしまうのだろう、相手を否定してくなってしまうのだろう、と自問自答することが大切です。
本当の自分は価値がない、誰も認めてくれないと思っている だから認めてほしくて自慢したくなる
自分の無価値感、劣等感などに気づくことができます。
そして、自己否定、無価値観、劣等感を作っている無意識化の信じ込みをメンタルブロックを特定して心理ワークやセラピーで解消します。
そしてそのままの自分を認めて受け入れていくという自己受容を行います。
無価値観、劣等感、自己否定、承認欲求が弱くなります。
すると、一方的に自分の話をして承認欲求を満たしたい
自慢やマウントをして自分の価値を認めさせたい
人を否定したり馬鹿にして自分の価値を上げたい
という欲求も軽減されます。
そうなると、等身大の自分で自然体で人と接することができるようになります。
相手本位のコミュニケーションができるようになります。
わがままで自己中心的な性格のまま育ってしまっている人は、
人間心理を学んで、相手の気持ちに寄り添ったコミュニケーション会話やコミュニケーションを学んで実践をしていきます。
そして意識的に
相手を否定しない
聞かれていないアドバイスをしない
細かい間違いを指摘したり説教しない
自慢やマウントを控える
自分の話ばかりしない
話を遮ったり奪わない
相手に気持ちよく話してもらう
など相手の立場に立った相手本位のコミュニケーションを学んで、それを意識して癖付けしていきます。
コミュ障改善|相手本位のコミュニケーションのやり方を学ぼう