嫉妬心について
今回は、嫉妬心の根本的な原因と、その根本的な原因を解消して、いつもなら嫉妬心が湧くような場面でも自然と嫉妬心が湧いてこなくなる人になる方法について解説します。
嫉妬心をなくす方法として書籍などを見ると、「自分に自信を持ちましょう」「他人と比較するのやめましょう」など、考え方を変えましょうといったものがほとんどです。
しかし、それが頭で分かっていてもできない、嫉妬心が勝手に湧いてきてしまうので困っているのだと思います。反射的に沸き上がって来る感情ですから、意識で考えて押さえるのは無理です。(本当は感じているのに意識で無理に押さえると抑圧されて残り、いずれ爆発します)
これから解説することを実践することで、特に意識したり我慢しなくても、いつもなら嫉妬を感じる場面でも感じなかったり、感じても、だんだんと嫉妬心が弱くなっていきます。
嫉妬心は苦しい感情です。
少しの事で他人と比較して嫉妬心を感じていては苦痛の多い人生になりますし、嫉妬心を消そうとしてさまざまな否定的な言動を取ってしまいがちです。
嫉妬心をすぐに「もっと頑張ろう」「自分を磨こう」「自分もあの人のようになってやる」みたいにプラスの方向に昇華できれば、良い面もあると思います。
しかし、それが出来る人は少数で、多くの人が嫉妬心から、相手に負けたくないと必死に頑張るといった方向へ行ってしまいます。
頑張って相手に勝ったり何かを得たとしても、嫉妬心の原因をそのままにしていると、もっと優れた人に対して嫉妬したり、ライバルに怯えたり嫉妬したり、実際にライバルに奪われて嫉妬したり、失う不安や恐怖が湧いてきたりします。
そしてもっと何かを得るために常にがんばったり、得たものを守るために常に気を張ってなければならなくなって疲れてしまうのです。
少しのことで強い嫉妬心や対抗心や敵愾心などを抱いてしまうと、人間関係もうまくいかなかったり、人から嫌われてしまったりもします。
ですので、嫉妬心は克服しておいた方が幸せで楽しい人生が送れます。
これからお伝えすることを実践していくうちに、自己肯定感が養われ、心の底からの自信に満ち溢れ、特に何もなくても楽しく幸せで心が満たされている状態になってきます。
その結果、いつもなら嫉妬心が湧いてくる状況でも、意思の力や努力などが必要なく自然と嫉妬心が湧いてこなくなり、普通の状態でいられるようになります。
嫉妬心とは何か
嫉妬心は、おおむね以下のような状況で湧き上がってくる感情です。
1.自分が欲しい(なりたい、やりたい)と思っていても手に入れていない(できない、無理だ、我慢している)と思っているものを他人が手に入れているのを見た時
2.自分の恋人が他の異性と仲良くしていたり、自分ががんばっていることや、会社などで、ライバルが実績を出したり他人からほめられたり評価されているのを見た時
このような状況で湧き上がってくる、怒り、焦り、羨ましい、腹立たしい、憎たらしい、敵対心、非難する気持ち、感情のことを指します。
嫉妬心が起こる原因
なぜ、このような状況になったときに嫉妬心が湧いてきてしまうのでしょうか。
それは以下のような”信念”を持っているからです。
・自分は価値がない
・自分は他人より劣っている、不幸だ
・自分には能力がない
・自分には○○(愛、他人の評価、喜び、幸福感等)がない
・欲しいものはどうせ手に入らない
・やりたいことができていない(我慢している)
・自分の人生はつまらない
・なりたいものになれない
・それを手にしてはいけない
・我慢しなければならない
・それを手に入れる能力や魅力がない
・自分の大切な人、物、地位などを誰かに奪われるのではないか(不安)
自分が欲しいもの(物、愛情、評価、地位、成功、能力、容姿等)が自分には”ない”と信じているから、持っている人を羨ましく感じて嫉妬するわけです。
自分には○○がない、と感じる根底には次のような信念があります。
ありのままの自分は価値がない
ありのままの自分では愛されない
自分はダメな人間だ、劣っている
自分には能力がない
自分は見捨てられる
自分は不幸である、幸せになってはいけない
あなたが本当にほしいのは、人や物やや地位や結果ではなく、それを得たことで感じる、幸福感、安心感、喜び、愛情、満足感、自己肯定感だと思います。
でも、今の自分にはそれらが”ない”と思っている
それらを得るためには、他人の評価、褒め言葉、実績、地位、学歴、恋人などを得る必要があると思っている
自分には無理だ、能力や手にする価値や資格はないと思っている
手にしてはいけないと我慢している
それにより、劣等感、渇望感、不安、我慢、孤独、など苦痛の感情を感じているのです。
他人が何かを持っているからではなく、あなたが持ってない、幸福感、満足感、喜び、安心感、自己肯定感を他人が得ているから嫉妬してしまうのです。
例えば、あなたが野球をやっていなければ、周囲に野球がとても上手な人がいても嫉妬しないと思います。
別に自分は野球が上手になりたい(それがほしい)と思っていないからです。
もし嫉妬するとしたら、野球ができることではなく、能力があることや、人から評価されたり、モテたり人気を得ていることに嫉妬しているのです。(それがほしいのに自分にはないと感じているからです)
容姿が良くて、素敵な恋人がいる、能力がある、お金があるなど、他人から見て恵まれている状況にあるのに、他人がそれらを持っていると嫉妬心を抱く人もいます。
この場合も、根底に劣等感、自己否定あるため、心に常に苦痛や渇望感があり、それを埋めるために恋人、お金、地位、肩書きなどを得ている人です。
そうやって他人と比較してより優れることで、自分の優位性を確認することでなんとか心の平安を持っている状態です。
だから、他人がそれを手に入れると、自分の優位性が崩れ自分の立場が脅かされると感じてしまうのです。
自己否定や劣等感がある限り、いくら他人から見て成功や幸せな状況を手にしたとしても、心の底からの幸せや満足感は得られないため、心から幸せそうにしている人見ると嫉妬してしまうのです。
ありのままの自分は価値がない
ありのままの自分では愛されない
自分はダメな人間だ、劣っている
このような”間違った”信念を心の奥底に持ち続けていることが、劣等感を作り、それを埋めるために何かがほしい(モテたい、評価されたい)という渇望感を作り、それを得ている人に嫉妬心が湧いてくるのです。
あなたは性格だからと諦めているかもしれませんが、そうではなく、自己否定などの信念を、それを10年20年とずっと潜在意識の中でそれを持ち続けて手放さないためなのです。
自己否定や劣等感などの信念は過去の体験によって作られます。
例えば、幼少期に親から「どうしてできないの!?」と叱られて育ったり、「お姉ちゃんはあんなにできるのに、あなたはダメね」などと比較されて育ったりすると、人によっては、自分は親から愛されていない、自分は無価値である、自分は他人より劣っているという劣等感が生まれます。
そういった劣等感や無価値感、自分は愛されてないみたい、ダメな人間だ、みたいな信念があるため、そんな自分にほしいものが手に入るはずがないと諦めたり、がんばってやっと手に入れても失うことや今度は他人に奪われる恐怖心でいっぱいになってしまうのです。
これらの信念は無意識下にあるため、頭ではプラスに考えようとしても、無意識の強制力が働き、瞬時に嫉妬心が湧いてきてしまいます、無理矢理言い聞かせても一時的に押さえつけるだけにすぎません。
押さえつけていると、ストレスになったり、抑圧されて、後で爆発したり、普段の理由の分からない心の飢えや苦しみとなって表面化したりします。
「自分は愛されてない」「自分は無価値である」のような信念を持っていると、嫉妬心や劣等感などの心の苦しみが湧いてくるだけでなく、ますますそれを証明するような出来事を引き寄せやすくなります。
人間の脳は、自分が心の底から信じて受け入れたこと(信念)をデータとして命令と受け取り、信念通りに振舞わせたり、信じていることを人生の体験として呼び寄せようとする働きがあるからです。
だから、いろいろ頑張ってもうまくいかなったり、他人から好かれない、大切にされない、無視される、馬鹿にされる、否定される、といったあなたが信じているとおりの”自分が無価値である”という感じるような体験が多くなります。
うまくいかない、苦痛だらけになり、自分がこんなに苦しんでいるのに、うまくいってる人や幸せな人を見ると許せなくなって嫉妬してしまうのです。
自分は愛されない、価値がないと思っているので、他人から好かれたとしても、「自分などを好きになるはずがない、何か裏があるはずだ」と他人からの好意を信用できなかったりします。
そして他人の好意を避けてしまい、「自分は無価値である」という信念の通りの行動をとってしまうのです。
幸せな人を見ても、嫉妬心が湧きあがってこないようにり、欲しいものを手に入れて幸せになるためには、本物の自己肯定感を身につける必要があります。
自分は無価値である → ありのままの自分で価値がある
ありのままの自分では愛されない → ありのままの自分で愛されている
と言うように信念を書き換えてしまえば、何もなくても幸福感で満たされるようになり、自信がつきます。
あなたが何かになりたい、何かを得たいのは、本当はそれを得たことによる、幸福感、愛情、安心感、満足感、喜び、楽しさなどの感情を味わいたいからだと思います。
自分は無価値である → ありのままの自分で価値がある
ありのままの自分では愛されない → ありのままの自分で愛されている
という幹の部分の信念が変更されると、何かを手にしていなくても、既に幸福感、愛情、安心感、喜びを感じて満たされてしまっています。
特に何かを手にしなくても、本当に得たいものを既に持っているので、他人が幸せなどを手にしていても嫉妬心は湧いて来ないのです。
ありのままの自分で価値がある
ありのままの自分で愛されている
という信念を持っていると、先ほど説明したとおり、人間の脳には信じていることを体現したり、ますますそう感じるような出来事を引き寄せてくる働きがあるので、それを引き寄せようとします。
自己否定、劣等感からくる、嫉妬心、不満、怒り、を持っていると、ますますそう感じるような人生が展開していき、
自己肯定、自信 からくる 幸福、喜び、安心感、愛情を持っているとますますそう感じるような人生が展開していくのです。
ありのままの自分を認めて愛せている状態になると、根拠のない自信に加え、何も特に何もなくても、幸せで充実して満たされている状態になります。満たされているため、他人からの愛情が必要なくなります。
それは、肩書きや能力がある、容姿がいいといった表面的なところから来る自信ではなく、根拠のない心の奥底から湧き上がってくる自信です。
嫉妬心が湧いてこなくなる自分になるためのワーク
嫉妬心の原因は、自分は無価値だ、愛されていない、自分は無能だ といった自己否定の信念にあると述べました。
それを
無条件で自分は愛されている、自分は価値がある、自分は素晴らしい、魅力的だ
といった自己肯定の信念に書き換えます。
人間の脳はパソコンのハードディスクと同じで、データを消去して書き換えることができます。
そして、脳にとって書き込むデータは、事実かどうかは一切関係ありません。事実であろうががそうでなかろうが信じたことが真実、信念となります。
自分の言動や人生を作っている元となるデータが変われば、意識的に努力をせずとも自分の言動が変わっていきます。他人の脳もそれを察知してあなたをそのように扱おうとするため言動も変わります。それで人生が変わります。
嫉妬心が自然と湧いて来なくなるためには、嫉妬心の原因となっている、「自分には価値がない」などといったブレーキ(”間違った信念”)を手放し、自分には価値がない → 自分には価値がある のように信念を書き換えます。
表面上で自分が価値があると思うのではなく、無意識の根源的な無意識の状態からそこを書く無意識にあるデータを書き換えてしまえば、何も根拠がなくても、無理に思い込もうとしなくても自動的にそう思えるようになります。
その状態になるための実践ワークを解説します。
自分の信念を知る、気付く、自覚する
あなたが嫉妬心を抱いてしまうその裏側に、どのような信念を持っているかを探っていきます。
どのようなときに嫉妬心が湧いてくるのかを書き出す
自分が持っている信念の傾向を知るために、自分がどのような場面や、どのような人に対して都心を抱くのかを具体的に紙に書き出してみてください。
あなたはどんな時に嫉妬しますか?
例
・身近でモテている同性を見た時
・友達が別の人と楽しそうにしているの見た時
・他人が賞賛されたり褒められている時
・仕事で同僚が自分より結果を出している時
そして、書き出した項目に対して「なぜそう思うのか」「その裏にどんな信念があると思うか」を書き出してみてください。
どんな時に嫉妬するか?
身近でモテている同性を見た時
どうして「身近にモテている異性を見たときに嫉妬心が湧き上がってくるのか」を考えてみてください。
「自分がモテないから(モテないと思っているから)」「恋人がいないから」
といった答えが出てくると思います。
その答えに対しても、なぜそう思うのか?と質問してどんどん根元に行き着くまで掘り下げてみてください。
例
どんな時に嫉妬心が湧き上がってくるか?
身近でモテている同性を見た時
なぜそう思うのか? → 自分がモテないから
なぜ?(モテないと思うのか?)→ 自分には魅力がないから
なぜ? → 容姿が悪いし、つまらないから
なぜ? → 小学生の時に容姿を馬鹿にされた、容姿の良い他人と人と比較してそう思うから、口下手で話すのが苦手だから
ここから、どんな信念があるか を書き出してください。
自分はモテない
自分は魅力がない
容姿が悪い
容姿が他人より劣っている
容姿が悪いとモテない
自分はつまらない
自分は口下手である
例2
どんな時に嫉妬心が湧き上がってくるか?
友達が別の人と楽しそうにしているの見た時
なぜ? → 友達を取られそうだから
なぜ?(取られると思うのか?) → 自分は友達を楽しませられないから
なぜ?(楽しませられないと思うのか?) → 自分はつまらない、話が下手、コミュ力がない
どんな信念があるか
他人を楽しませられない
他人を楽しませなければならない
楽しませないと人が去って行く
自分には魅力がない
自分はつまらない、話が下手
友達を取られる
嫉妬心の原因となっている信念をあぶりだす
次は、別の角度から嫉妬心の原因となっている信じ込みを洗い出します。
次の質問に答えてみてください。
Q1.いちばん最初に嫉妬心を抱いたのはいつ、どんな出来事でしたか?
(思い出せる限り最初のことを書き出してください)
Q2.他人と比較して劣等感を感じることはありますか?
それは具体的にどんなことに対してですか。
Q3.何か(お金、成功、賞賛、結果、恋人、愛情、他人の評価)が得られたら幸せ(そうではないと幸せではない)と思いますか?
はい と答えた人は、なぜそう思いますか?
Q4.何か(地位、容姿、お金、優しさ等の条件)を持ってないと、他人から愛されない思っていますか?
はい と答えた人は、なぜそう思いますか?
Q5.ずっと我慢していることはありますか?(ある人は、何を我慢しているか具体的に書いて下さい)
なぜそれを我慢していますか?理由を書いて下さい。
Q6.やりたい(なりたい)のにできない思っていることはありますか?(何をできないと思っているか具体的に書いて下さい)
なぜできないと思っていますか?理由を書いて下さい。
Q7.他人に対して羨ましく思うことはありますか?
はい と答えた人は、何を羨ましく思いますか?
なぜ羨ましく感じますか?
自分にはそれは手に入らない、なれないと感じますか?
なぜ手に入らない、なれないと感じますか?
Q8.あなたは両親から愛されていると思いますか?
Q9.あなたは自分のことを100%中何%好きですか?
Q10.あなたは今のままで、無条件で価値があると感じますか?
Q11.あなたは今100%中何%くらい幸せですか?
Q12.自分のコンプレックスや嫌いなところ、ダメだと思っているところを全て書き出してください
これらの質問に答えることで、嫉妬心が湧いてくる原因や、あなたが欲しいものが得られない、がんばって得ても満たされない、トラブルや不幸になる、失うことや奪われる恐怖に怯える、といった人生がうまくいかない原因となっている信念体系が見えてきます。
嫉妬心を自然となくすための各種ワークの実践
セドナメソッド
タイムラインセラピー
本物の自己肯定感を養うワーク
両親との関係を改善するワーク
などで解消して信念を書き換えると、何もなくても、自分は価値がある、魅力的だ、素晴らしい、愛されているといった根拠のない自信が湧いてきて、何もなくても満たされて、幸福感、安心感に包まれるようになります。
すると、脳はますますあなたがそう感じるような体験、つまりあなたが本当にほしいものを引き寄せようと働き始めるのです。