今回は、少しのことで自分を過剰に責めてしまう癖をやめる方法についてお伝えします。
自分を責めてしまう人は、ちょっとしたミスや、失敗、何かがうまくいかなかったり、他人に何かを言われたりした時に、自分のせいだ、自分が悪いと感じて自分を責めてしまいます。
また、何もなくても、過去の失敗した時の記憶や、自分のダメなところを見つけては次から次へと自分を責めるような気持ちや言葉が頭を駆け巡って頭から離れないという状態になってしまっている人もいるでしょう。
自分を責めることは辛くてやめたいんだけど、自分を責めていると心が安定したり心地よく感じてしまうことさえあります。
人からあなたは悪くないよ、そんなに責めることないよ、と言われても、責めるのがやめられず、なんでそんなに気にするのと言われて理解してもらえない。
自分を責めてしまう自分がダメだと、責めてしまう。
何でも自分のせいだと抱え込んでしまったり、自分を責めてしまうのでとても辛く苦しくなり、うつ病のようになってしまうこともあります。
自分を責めてしまうことにもちゃんと原因があり、原因を特定して手放して解消していくと、意志の力や努力をしなくても自然と自分を責める気持ちが湧いてこなくなります。
僕自身も、昔はうまくいかないことがあったりすると、自分を責め立てる気持ち湧いてきましたが、このサイトに書いてあるようなことを地道に実践したらいつの間にかそのような気持ちが湧いてこなくなっていました。
自分を責める気持ちがなくなってくると、心が楽に軽くなり、失敗や人の目を気にせずに好きなことができるようになっていきます。
自分を責めてしまうことの原因
自分を責めてしまうことには原因があり、その原因を定して解消していくことで自然と自分を責めることがなくなっていきます。
何かあるたびに自分を責めてしまう原因は、脳に「何かがうまくいかないのは全て私が原因です、自分が悪いのです、自分を責めなさい」といった命令が出されたままになったいることにあります。
原因である「自分を責めなさい」という命令とは、どのようなもので、どのようにして作られたのでしょうか。
人間の脳は、体験したり見聞きしたことで「これは自分にとっての絶対的な真実だ」と判断したことを、その通りの人間として振る舞合わせたり、人生の中にそのように感じる出来事を呼び寄せようとする働きがあります。
脳の無意識の領域(潜在意識、つまり記憶の中)に、「全ては私のせいです、私はどうしようもなくダメで悪い人間です、そんな私は責められて当然です、自分自身を責めなさい」といった情報がデータとして記録されてしまっているのです。
そして、そのデータを消去や書き換えをせずに、そのまま持ち続けているために脳はそのデータを命令として実行し続け、事あるごとに自分を責めるということをしてしまうのです。
では、なぜ何がきっかけで「自分は悪い人間です責められて当然です」というようなことを信じてしまったのでしょうか?
多くの場合は、幼少期の親の育てられ方に発端があります。
しつけと称して、自分の感情を爆発させたり、ストレスを解消したり、エゴから無理やり子供を自分の思い通りにさせようとする親がいます。
しつけだと称していても、古い間違った教育方法で、強く叱ったり、怖がらせることをしたり言ったりすることで、罪悪感や恐怖心を与えることで無理矢理正そうとします。
「あなたが悪いのよ、だからちゃんということを聞きなさい」
「どうしてこんなことするの?本当に悪い子ね」「いいからやりなさい!」「どうしてできないの?本当にダメな子ね」
次のような、子供が罪悪感や自分を責める気持ちを持ってしまうような言い方をする親もいます。
「そんな子はうちの子じゃありません」「お母さんは悲しい」
「あなたはいけないことをしているのよ、あなた悪い子なのよ反省しなさい」「あなたのせいで怒っているのよ」
あなたのせいで怒ったり、悲しい思いをしてるよと言うことで、自分が悪いと思わせたり罪悪感を感じさせて、自分の思い通りのよい子にさせようとするのです。
子供は純粋ですから、「自分が駄目だからお母さん怒らせたり悲しい思いをさせているのだ」と信じ込んでしまうのです。
そして、自分はダメな子で、責められて当然の存在であるというように信じてしまいます。
そう信じ込んでしまっているので、何かうまくいかなかったり、他人から何か言われたりすると、それは全部自分のせいなのだと自分を責めるようになってしまうのです。
その信じ込みは、手放したり書き換えられない限り、大人になっても影響を与えます。頭では自分のせいでは無いということが分かっていても、無意識の強制力により自分のせいだと感じて自分を責めてしまうようのです。
体験の記憶:幼少期に母親に「あなたのせいでお母さん怒ってるのよ」と怒られた
記憶への意味づけ・信じ込み:自分は悪い子だ、自分は責められるべき人間だ
湧き上がる感情:罪悪感、自己否定、自分を責める気持ち
これを10年、20年経っても、「この情報は今現在私にとって真実で重要である」となったままになっているので自分を責め続けてしまうのです。
このような、嫌な気持ちが湧いてきたり、行動のブレーキとなってしまう、否定的な意味づけをした過去の体験の記憶を”メンタルブロック”といいます。
自分を責めてしまう原因であるメンタルブロックを特定して解放していき、その反対の自己肯定感を高めて行くことで、自分を責める気持ちは自然となくなっていきます。
幸いなことに、人間の脳は一度持ってしまった(信じてしまった)データは二度と書き換えられないということなどはなく、パソコンのハードディスクと一緒でデータは消去したり書き換えることができます。
自分を責めてしまう事を自然に止めるためのワーク
まずは、自分がどの様な時に自分を責めてしまうのかを把握し、自分の本当の気持ちを明確にして自覚し、どのような過去の体験がきっかけになって自分を責めてしまうようになったのかを探っていきます。
自分の本心、考え、気持ち、感情を自覚して理解することで、初めて意図的に手放すことが可能になります。
紙と鉛筆を用意して、以下の質問に沿って紙に書き出してみてください。
誰にも見せないので、思ったこと感じたことを正直に書き出してください。
・どのようなときに自分を責めてしまいますか?
(例:仕事でミスしたとき、他人から間違いを指摘されたとき)
・なぜ、上記のようなときに自分を責めてしまうのででしょうか?
(例:仕事でミスをして、自分のせいで他人に迷惑をかけてしまったと感じるから)
・自分を責めている時。どのような感情が湧きあがってきますか?(例:罪悪感、惨めな気持ち、自分に対する怒り)
・自分を責めている時、どのような思いや考えが湧き上がってきますか?
(例:どうせ自分のせいだ、全部私が悪いんでしょ、何でこんなこともできないんだ)
・自分を責めている自分に対してどのように感じますか?
(例:自分が悪いんだから責めて当然)
・他人や社会や環境など、自分以外を責める気持ちありますか?
・あるとしたら、誰や何に対して責める気持ちがありますか?
・自分という人間はどのような人間だと思いますか?
(性格でも特徴でも思うことは箇条書きで何でも書いてみてください。)
・初めて自分を責めるようになったのはいつ、どんなことがきっかけだったと思いますか?覚えている範囲や推測でもよいので書き出してみてください。
ここまで書き出してみて、何か自分自身を責めてしまうことのきっかけとなった最初の体験の記憶が何であるか大体思い出したでしょうか。
思い出せない場合は、書き出した事柄に対してなぜそう思うの?自分に質問をしてさらに掘り下げていくと良いです。
例えば、ちょっとした仕事でミスした時に過剰に自分を責めてしまう、だったら
なぜそういう時に自分を責めてしまうの?と自分に質問してみてください。
他人に迷惑をかけるから、
こんな簡単なこともミスをする自分が許せない
こんな簡単な事をミスをする自分には価値がない
といった答えが出てくると思います。
これらに対してもなぜそう思うのか、いちばん最初にそう感じたのは、いつ、何だったのか?ということをさらに質問して思い出してみましょう。
親から、「なんでそんなことするの!迷惑ばかりかけないで!」と叱られた体験の記憶を思い出したりします。
最初のきっかけの体験は、たいていは、幼少期の両親との関係や、小学校や中学校での思春期あたりまでの体験が多いです。
あまり幼少期すぎて思い出せなかったり、嫌な体験のため思い出あないように抑圧してしまっている場合もあります。
思い出せなくても何か気づいた事は紙に書き出してみてください。
両親(もしくはどちらか片方の親)が嫌いとか、愛されている感じがしないとか、そういう感覚を持っていたら、その親が関係している可能性が高いです。
一通り紙に書きだしたら、紙を見ながら、なるほど、自分はこのように思い、感じていたのかと、第三者視点で淡々と気付いてみてください。
気付いて自覚したことは、手放しやすくなります。気付いて自覚するだけで、信念が外れることもあります。
責める癖がついているので、書き出した紙を見てなんて自分はダメなんだとか責める気持ちが湧いてくるかもしれません。
しかし、今は自分を責めてしまうのは仕方ないことなのです。責めてしまっても仕方ないと思ってあげてください。
普段責める気持ちが湧きあがってきた時なども、それに気付いて、第三者視点で淡々と、なるほど、今自分は自分を責めてるんだ、と自分の気持ちを感じてみてください。
淡々と感じて気付くと、感情は弱くなったり、それを湧き上がらせた元の信念がどんどん解放されたりします。
自分を責めてしまう原因となっているメンタルブロックを手放す
先ほど紙に書き出した、自分を責めてしまうことの原因となったと思われる体験の記憶を処置していきましょう。
例えば
体験の記憶:幼少期に母親に「あなたのせいでお母さん怒ってるのよ」というような言い方で怒られた体験
記憶への意味づけ・信じ込み:自分は悪い子だ、自分は責められるべき人間だ
湧き上がる感情:罪悪感、自己否定、自分を責める気持ち
脳の潜在意識の中に、過去のある体験の記憶に、このような意味づけがされた形でデータが収納されています。
20歳になっても30歳になっても、”この情報は今現在の私にとって絶対的な真実である重要な情報である”としたままでいると、日常のちょっとしたことで自分を責めてしまったり、過去の失敗した体験を何度も思い出して自分を責めてしまったりするのです。
「自分は悪い子だ、自分は責められるべき人間だ、なぜなら、母親に責められたから。これは私にとって絶対的な真実です」というデータを持っているのですから当然のことなんですね。
この否定的な意味づけがされた記憶を
・記憶そのものを書き換える
・記憶に別な意味づけをつける
・記憶を重要度の低い何の意味もない記憶にする
・記憶に対して今の自分視点で気づきを得たり、許したり、和解したり、折り合いをつける
ということをワークで行います。するとその記憶は、あなたにとって重要でもなくなんの意味もない単なる日常の記憶のように変化するので、あなたに対して何の影響も与えることがなくなります。
脳は、出来事が真実かどうかは判断せず、信じこんだ事を真実と判断します。だから、過去にどのような体験をしていたとしても、後から書き換えたり、意味づけを変化させたりすることができます。つまり人は、性格だと諦めていたことでも、克服して別人のように生まれ変わることが可能なのです。
実践方法は、タイムラインセラピーという方法を使って行います。タイムラインセラピーについて詳しくはこちらのページで解説していますのでこちらを読んで実践を行ってください。
自己肯定感を養う
自分を過度に責めてしまう人は、総じて自己肯定感が低いというのがあります。
なぜかというと、自分を責めてしまう人は、すぐに自分はダメだ、自分は何もできない、情けない、価値がない、他人に迷惑ばかりかけている、自分は責められるき存在だ、と言うように自己否定が強い傾向があるからです。
それも、過去の体験によりメンタルブロックを持ってしまっているからです。メンタルブロックの解放も行いながら合わせて自己肯定感も養っていきましょう。
自己肯定感を高くするワークを日々行っていくと、少しずつありのままの自分を素晴らしい、価価値がある、と思えるようになり、自信が付き、自分ことをどんどん好きになっていくことができるので、当然ながらそんな自分を責めるということもなくなっていきます。
今まで10年20年と自分を責めたり否定し続けてきていたりするので、なかなか最初は自己肯定をすることに抵抗が出たり反発がでたり、習慣のように元に戻る力に引っ張られたりします。
あなたは、今まで自分を責め続けてしまってきているので、そのことにより自分自身が深く傷ついてしまった状態にもあります。
他人に対して「あなたが悪いんだ」「あなたのせいだ」と責め攻め続けたらその人はとても傷つくと思います。それを何年も、下手すると10年20年と続けてきたのですから自分自身が傷ついてしまっているのです。
ですので、最初の段階としては自分に対して今までのことを、ごめんねと謝り、今まで辛かったことを労をねぎらったりすることから始めましょう。
あなたの中には、傷ついたもう1人の自分がいます。
夜寝る前に布団の中とかで自分に今まで責めてきたことを謝ったり、今まで辛かったね、と労をねぎらったりして、そして少しずつでも自分を責めることをやめていくからね、一緒に幸せになろうね、と言うように語りかけてみてください。
そして、普段の生活で責めてしまっても責めてしまうのは仕方ないと思うようにしてみてください。責めてはいけないと抵抗すると余計にそれは強くなってしまうので、今はそれでもしょうがないんだと思ってください。
そして、少しずつ自己肯定感を高めるワークも実践して自己肯定感を高めていきましょう。
自己肯定感を高めるワークはこちらを参考にして実践してください。
「自分は責められて当然だ」などと思い込まされている原因となっているメンタルブロックを解消し、今まで責めてきたことで傷ついている自分と和解し、癒し、高い自己肯定感を養っていくことで、気づいたら自分を責めることが少なくなっていることでしょう。
そうするとどんどん内面が穏やかになり、何もなくても軽い幸福感や喜びが湧いてきて毎日がイキイキしてくることでしょう。
そうすることで今まで行動にブレーキがかかっていたことや、やりたいけど人の目や失敗を恐れてできなかったことなどもできるようになり、ますますあなたにとって喜びの溢れた人生になっていくことでしょう。
脳は信じていることを体現したり、人生に呼び寄せると述べましたが、メンタルブロックが解消され、高い自己肯定感「ありのままの自分は素晴らしい」「価値がある」と心から信じられるようになると、脳は無意識にそのような人間として振舞わせ、ますますあなたがそう感じるような体験を人生に呼び寄せるようとするからです。