メンタルを鍛える、強くする方法として一般的なのが、努力と根性論です。
・自信を持ちなさい
・前向きになりなさい
・すぐに気持ちを切り替えなさい
・人と自分を比べないようにしなさい
・人の目を気にしないようにしなさい
・失敗を失敗だと思わないようにしなさい
そう言われて「はい!すぐにそうします!」とできるのであれば、あなたは悩んでいないと思います。
意思と努力でメンタルを鍛えようとするのは逆効果
肉体は意思の力で努力と根性で鍛えることができますが、それでメンタルは鍛えようとするのは逆効果です。
童話の北風と太陽の話をご存知だと思います。
メンタルは童話の教えのように、北風の方法(努力と根性)ではなく、太陽の方法が効果的です。
我慢、根性で「なにくそ!」と頑張るのはメンタルが強いわけではない
意志が強い、我慢強い、打たれ強い人が「メンタルが強い」とされていますが、実はそうではありません。
例えば、無理矢理「人の目を気にしないぞ!」とやるのでは、それはメンタルが強いのではなく、我慢しているだけです。
「人の目を気にしないぞ!」と言い聞かせている時点で、思いっきり気にしています。我慢しているので疲れますし、人に何かを言われるとすぐ心が折れてしまうのです。
童話の北風のように力づくで無理やり服を脱がそうとしてもうまくいきません。
太陽のように温めてあげれば、脱がそうとしなくても自然と服を脱いでくれます。
人目を気にしてしまう自分を認めて受け入れてあげる、
そして、人目を気にしてしまう原因の部分を解消してあげる
そうすると、自然と人の目が気にならなくなってきます。
なので、無理に「人目を気にしないぞ!」と頑張る必要がなくなります。
これが真の意味での「メンタルが強い」という状態です。
なぜ、あなたは”メンタルが弱い”とされる行動をしてしまうのか?
・自分に自信が持てない
・人と比べて落ち込んでしまう
・人前に出て話す場面になると緊張して話せなくなる
・自分の意見が言えない
・人に変に思われないか、批判されるのが怖くて行動できない
・他人に少し何か言われると落ち込んでしまう
・少し失敗すると落ち込んだり嫌になってやめてしまう
・嫌な付き合いや頼みごとを断れない
あなたが、このような”メンタルが弱い”とされる行動をしてしまうのは、いったい何が原因なのでしょうか?
それは、あなたが過去の体験により信じてしまい、大人になってもずっと握り締めてしまっている”信念”にあります。
メンタルが弱いとされる考え方や行動を取ってしまうような“信念”を持ち続けているから、何かをしようとすると心理的ブレーキになり、ビクビクしたりためらってしまうのです。
例えば小さい頃、親に「お姉ちゃんはできるのに何であなたはできないの!?」と兄妹姉妹と比べられて、劣等感を感じたという体験があったとします。
すると、自分は”人と比べて劣っている”と強く信じ込んで劣等感を持ってしまい、人と比べられることに敏感になり恐れるようになってしまいます。
このような信じ込みが大人になっても解消されずに無意識に持ったままでいると、人と比べられることにとても敏感になってしまい、少しのことで自分は人より劣っているのだと劣等感を感じてしまいます。やりたいことがあったり、仕事などで人と比べられることを恐れて、行動ができなくなってしまいます。
同様に”変に思われないか人目が気になって行動ができない”というのも、後天的に持ってしまった信念によるものです。
あなたが赤ちゃんの時は人目も気にせず、人の迷惑も気にせず、素っ裸で大声で泣いたり、喚いたりしても平気だったはずです。
つまり、メンタルが弱いとされる信念は、過去に見聞きしたことや体験がきっかけとなり後天的に作られてしまったものです。
この性格は親の遺伝だと感じるようなことも、親の言動から人とはそういうものと信じ込んでしまったのがほとんどです。子供はお腹にいる時から親の感情を敏感に感じ取ります。
ですが、後天的に持ってしまった信念は、パソコンのハードディスクと一緒で書き換えることができます。
無意識の方を変えてしまえば、意識で強く言い聞かせたり、鞭を打って努力しなくても、自然と”メンタルが弱い”とされる行動をしなくなって、メンタルが強いとされる行動が普通に取れるようになっていきます。
駅から家に帰るときに何も考えずに無意識に家に着いたり、意識せずとも自転車に乗れるのと一緒です。無意識を変えれば、意識しなくても自然とできてしまいます。
メンタルを強くする、鍛えるのではなく、過去の体験から持ってしまった無意識の信念を変えるというのが重要なのです。
メンタルが自然と強くなる実践ワーク
無意識の信念を変えることで、気が付いたらメンタルが強くなっているワークのやり方解説します。
メンタルが弱いとされる性格や行動をしてしまう原因の信念を洗い出す
まずは、過去の体験から持ってしまった”メンタルが弱い”とされる性格や行動の原因となっている信念を洗い出します。
自分がどんな信念を持っているか自覚しなければ解消、変化させることができないからです。
人は自分の信念をなかなか自覚できないものです。劣等感などは感じていると苦痛なので、無理に押さえつけたり、俺はすごいんだ!と抑圧して感じないようにしていることもあるからです。
次の質問に答えてください。認めたくないこともあるかもしれませんが誰にも見せないので正直に書き出すことが重要です。
質問1.自分の”メンタルが弱い”と感じる性格や行動を全て挙げてください。
例:
意見や言いたいことがあっても言えずに黙ってしまう
失敗するとすごく落ち込んでしまう
人と比べて嫉妬したり劣等感を感じてしまう
何かを頼まれると嫌なのに断れない
質問2.質問1の各答えに対して、 なぜそうしてしまうのか、なぜそう感じるのか、それをしないとどういうことが起こるのか、 それをすることで何を得られるか、何が避けられるのか、を書き出してください。
例えば、意見や言いたいことがあっても言えずに黙ってしまう
でしたら、なぜ言いたいことがあるのに黙ってしまうのか、人に意見を言ったらどうなるのか、黙ることで何を得られる、何を避けられると思っているのかを書き出してください。
例:
自分の意見はどうせ聞いてもらえない
意見を言っても否定されるのではないか(黙っていれば否定されて嫌な気持ちになるのを避けられる)
相手を怒らせたり、傷つけてしまうのではないか(黙っていればそれを避けられる)
質問3.質問2で書き出した各答えに対して、過去に実際にそのように感じた具体的な出来事を書き出してください。複数あれば複数書き出してください。
例:
人に意見や言いたいことがあっても言えずに黙ってしまう のは
自分の意見はどうせ聞いてもらえない と感じるから
だとしたら、
過去に人に意見を言っても否定されたり聞いてもらえなかった具体的に出来事を思いだせる限りいくつでも書き出してください。
質問4.質問1~質問3で書き出した各答えに対して、あなたが一番最初にそれを感じたのはいつどんな体験がきっかけだったかを書き出して下さい。思い出せない場合は何時頃からそのように感じるようになったかを書き出してください。
例えば、
意見や言いたいことがあっても言えずに黙ってしまう
失敗するとすごく落ち込んでしまう
人と比べて嫉妬したり劣等感を感じてしまう
だったら
このような行動をしたり感じるようになったのは、いつ頃から、どのようなことがきっかけでそうなったのかを思い出せる範囲で書き出してください。
きっかけは思い出せないが、幼少期からそうだったと言う場合は、そのように書いてください。この場合、きっかけは幼少期の家庭環境にあることがほとんどです。
書き出したことを淡々と眺める
ここまで書き出した内容を見返して「なるほど、自分はこのようなことがきっかけで、こう信じるようになって、こういう理由でこういう行動を取っていたのか」と淡々と第三者視点で観てみてください。信念は、自覚して受け入れると手放しやすくなります。
記憶を処置して信念を手放す
メンタルが弱い性格、行動をしてしまう原因となっている信念を洗い出しました。それを元に信念を外していきます。
“信念”は、あなたがある体験(記憶)に、どのような意味づけをしたか、によって持ってしまいます。
そして、どのような意味づけをしたかによって、想起される感情が変わります。
同じ体験でも、肯定的な意味づけをすれば肯定的な感情が、否定的な意味づけをすれば否定的な感情が湧いてきます。
例:
体験の記憶: 小さい頃に親におもちゃを買ってと言ったら、そんなのダメと買ってもらえなかった
意味づけ: お願いを聞いてもらえなかった、嫌われている、拒絶された
信念:自分の言うことはどうせ聞いてもらえない、自分は親から愛されてない
感情:不満、無価値感、愛情への飢え
人によって違いますが、このように意味付けして(受け取って)しまい、解消されないままでいると大人になっても「どうせ人に意見を言っても聞いてもらえない」とビクビクして意見を言えない性格になってしまいます。
大人になったあなたは、当時は経済的な事情や親の考え方があって仕方がなかったんだ、おもちゃを買ってもらえなかったとしても別に親から拒絶されたわけでも愛されてないわけでもない、ということは頭では分かっていると思います。
しかし、無意識では当時の傷ついた感情が不完了なままで癒されず残ったままになってしまっていることがあるのです(これをインナーチャイルドと呼ぶこともあります)。これを解消しないままでいると、無意識の強制力が働いて大人になっても強い影響を与えます。
頭では分かっていても、瞬時にどうせ人から意見を聞いてもらえず傷つく、という恐れの感情が湧きあがってきて、意見を言えなくなってしまうのです。
先ほど質問に答えた紙に書き出した項目から、 あなたが無意識に信じてしまっていることが洗い出されたと思います。
これを元にして、無意識に入ってしまっているメンタルが弱い性格や行動を作っている信念を解消していきます。
ワークを用いて、
・記憶の内容を書き換える(記憶をやり直す)
・記憶に対する意味付けを変える
・記憶から学びや気づきを得て昇華させる
・記憶そのものを無力化する
記憶の内容や自分がやりやすいやり方で記憶を処置してしまいます。
おもちゃを買ってもらえなかった体験の記憶 → 人に意見を聞いてもらえないという信念、を作ったという例で説明します。
・記憶の内容を書き換える(記憶をやり直す)
ワークを用いて、おもちゃを買ってもらえて満足したという内容に記憶を書き換えます。
・記憶に対する意味付けを変える
当時の傷ついた自分(インナーチャイルド)に「おもちゃを買ってもらえなかったのは、金銭的事情等で仕方なかったのであって、あなたが嫌われたり拒絶されたからではないよ」ということをきちんと教えてあげます。記憶の内容は変わらないですが、記憶に対するネガティブな意味付けがなくなるのでネガティブな信念も外れます。
・記憶から学びや気づきを得て昇華させる
あの時何でも買ってもらってたら、今頃なんでもすぐに手に入れたがるわがままな性格になったり浪費癖が付いてしまっていたかもしれない。あのおかげで自制できる大人になれた、というように、あの体験のおかげで学びを得た、プラスのことがあったと認識を変えます。
・記憶そのものを無力化する
嫌な体験の記憶が重要な記憶として保存されているので、それを日常の歯を磨いた、顔を洗ったなど思い出しても何も感じない、何の意味もないすぐに忘れてしまうような記憶に変化させます。上記3つのやり方でプラスに変換できないようなトラウマのような記憶に効果的です。
心理ワークで記憶を処置してしまえば、そこにくっついていた否定的な意味付けや信念も自動的に外れます。否定的な感情も湧いてこなくなります。
何か行動をする時のブレーキもなくなります。
具体的に記憶を処置する方法はこちらのタイムラインセラピーの記事を参考に行ってください。
本物の自己肯定感を養う
メンタルが弱いとされる性格や行動をしてしまう人は、自己肯定感が低くなっていることがほとんどです。
自信がない、ダメだ、価値がない、劣っている、といった自己否定があるから、ビクビクしたり人の目が気になって行動できないわけですね。
ブレーキが外れてきたら今度はプラスの方向に信念を養っていきましょう。
自分は価値がない → 無条件で自分は価値がある
無意識に、無条件で自分は価値がある と入っていれば、自信がつき、人目を気にせず自分のやりたいことをできるようになります。
自信がないから、「できる!できる!俺はすごいんだ!」と無理に言い聞かせている状態ではありません。
ダメな部分も欠点とされることも、全て認めて受け入れている状態が本物の自己肯定感です。欠点もダメな部分も認めて受け入れているので、他人から指摘されたらどうしようとビクビクすることがなくなるのでいわゆるメンタルが強いという状態になっています。
本物の自己肯定感を養っていくためにはこちらの記事を参考に行ってください。
行動して小さな成功体験を積む
ブレーキとなっていた信念を外して、自己肯定感による自信が養われてくると、今までできなかった行動が取れるようになってきます。
そこで始めて
人と自分を比べないようにしなさい
人の目を気にしないようにしなさい
失敗を失敗だと思わないようにしなさい
という教えの実践、人に意見を言ったり、嫌なことを断ったり、結果や人の目を気にせずにやりたいことにチャレンジしたりとうことができるようになります。
今まで経験していないことをするのは最初は少し抵抗が出ることもありますが、ブレーキが弱くなっている分今までより格段にやりやすくなっていると思います。
人ですから失敗したら凹むこともありますが、失敗を病的に恐れることがなくなったり、失敗して凹んでもすぐに立ち直ることができるようになります。
否定的な信念によるブレーキが外れて自己肯定感が養われていると、仮に自分の意見が受け入れられなくて反論されたとしても、 それは単なる他人の意見であって自分が否定されたのではないと受け取ることができるようになります。
一瞬嫌な気持ちになっても、何日も立ち直れない、恐れでできなくなってしまうということはなくなり、すぐに立ち直れるようになったりします。
日常の否定的な感情や信念はセドナメソッドで手放す
今までの癖で否定的な感情が湧いたり、何かに行動するときの不安や、行動した後の人の反応が気になって否定的な気持ちが湧いてきてしまった場合はセドナメソッドでその場で感情を感じて解放してしまいましょう。
セドナメソッドは、日常の中で感じるちょっとした否定的な信念や感情をその場で手放す(消す=消化する)のに最適です。