今回は感情をなくす、消す方正しい法についてお伝えします。
感情を我慢、感じていないフリ、コントロールは危険、逆効果
多くの人が不快な感情を感じた時に、
・我慢する
・感じていないフリをする
・無理に押さえつける
・コントロールする
・感情を麻痺させる
といったことをしてしまいます。実はこれ、全部逆効果です。
その場は収まったように感じても、感情が消化されず心の中に溜まり続けてしまいます。
感情を我慢、押さえる、感じていないフリをしていると…
イライラや感情が余計に強くなる
理由の分からない不快な感情が湧き上がってくる
些細なことで不快な感情が湧き上がってくる
何かのきっかけで感情が爆発する
ストレスで鬱や病気になる
脳が感情を消化させようとして嫌な出来事、トラブルを引き寄せる
といったことが起こってしまいます。
感情は消そう、なくそうとすると逆効果
嫌な感情が不快で辛いから、消そう、なくそうとすると逆効果で、消そうとすればするほど余計に長引き、強くなります。
絶対に梅干しを想像しないでください
想像しないようにすればするほど想像してしまい、口の中が酸っぱく感じて唾が出てきてしまったと思います。
同様に無くそう、消そうとすればするほど余計に意識することになり感情が強くなってしまいます。
「笑ってはいけない」と言われと些細なことで笑ってしまうというのが分かりやすいと思います。
感情をなくす、消すにはどうすればよいか?
感情をなくす、消すためには
・感情が湧き上がってきたらその場で消化してしまう
・溜め込んでいる感情を解消する
・感情を湧き上がらせる原因そのものを解消する
これらがとても有効です。これらを行なうことで、結果的に不快な感情がすぐに収まったり、不快な感情が湧き上がること自体が少なくなります。
感情が湧きあがってきたら、その場で消化する
感情湧き上がってきたら、その場で感じ切って消化してしまうのが有効です。
本来一つの感情は15秒程度しか続かないと言われています。
我慢したり、感じていないフリをするから感情が解消されず、いつまでも尾を引いてしまうのです。
その場で感情を消化してしまう具体的なワークのやり方は後ほど解説します。
溜め込んでいる感情を解消する
私たちは、感情的になってはいけない、人前で感情を出してはいけない、大人が感情的になるのは恥かしい、未熟だと教えられてきました。
なので感情を我慢したり、感じないようにしてしまい、抑圧してしまっています。
すると、未完了のまま心の中に残り続けてしまいます。
すると延々と不快な感情が湧き上がってきたり、脳がトラブルや嫌な出来事を呼び寄せ、感情を解消させようとします。
大人しい人が突然何かのきっかけでブチ切れて感情を爆発させるのは、普段感情を抑えて溜め込んでいるのが原因です。
後述する心理ワークを用いて、溜め込んでいる感情は解放してしまいましょう。
感情を湧き上がらせる原因を手放す
不快な感情が湧き上がってくるのは、どんな時でしょうか?
それは、否定された、馬鹿にされた、蔑ろにされた、失敗した、損をしたなど、物事を否定的に受け取った時です。
他人の言動や出来事をどう受け取るかは、自分が何を信じているかによって変わります。
例えば、道ですれ違った人があなたを見て笑ったとします。
自分に好意を持って笑いかけてくれていると思えば嬉しい気持ちになります。
自分をバカにして笑っていると思えば不快な気持ちになります。
何でも否定的に受け取る人は、必然的に不快な気持ちになることが多くなります。
ではなぜ、否定的に受け取ってしまうのでしょうか。
それは否定的な信じ込みを持っているからです。
自分はダメで価値がない人間だ、と言ったように自己否定の信念を持っていると、道行く人が笑っていただけで、自分が笑われていると些細なことも否定的に受け取ってしまうからです。
自己否定の信じ込みは、過去の体験により持ってしまったものです。例えば、幼少期に親に「どうしてできないの!?あなたは本当にダメな子ね!」なとど否定されて育つと、自分はダメなのだと信じてしまいます。
これは単なる信じ込みでしかなく、自分が勝手に事実だと思い込んでいるだけです。脳は一度持ってしまった信じ込みでも、いくらでも変えることが可能です。
思い込み次第で、同じことを他人から言われても、傷ついたり、傷つかなかったりします。
例えば、あなたの友達が突然「バーカ」と言ってきたとします。
腹が立ったり傷ついたりすると思います。
実はこれドッキリで、後からそう知らされました。それを知ったら不快な感情が消えて安心感が湧き上がってくると思います。
次に、同じように友達が「バーカ」と言ってきますが、事前に別の友達から「あれはドッキリだからね」と知らされていたとします。
そうすると、友達が「バーカ」と言ってきても「演技が上手いなぁ」とか心の中で笑っていられると思います。
実はこれ、友達は本気であなたに「バーカ」と言っていたのですが、別の友達が気を使ってドッキリだと嘘をついてたのです。
前者は本気で言われていないのに不快になった
後者は本気で言われているのに不快にならなかった
つまり不快になるかどうかは自分の信じ込み次第なのです。
自分はダメで価値がない人間だ
自分には何の魅力もない
○○ができない自分はダメだ
このような信じ込みも根拠はなく、単に過去の体験から信じてしまっているだけに過ぎません。
不快な感情の元である、否定的な信じ込みを心理ワークで解消することで、些細なことで不快な感情が湧いてくることが少なくなります。
自己重要感を養うと不快な感情が消え、人生が好転する
自己重要感が養われると、不快な感情になることが減り、度合いが小さくなります。
自己重要感とは自分の良いところや好きなところだけではなく、
ダメな部分、弱い部分、情けない部分、腹黒い部分
と言ったところも含めて、丸ごと自分を認めて受け入れている状態です。
自分の一部、例えば、弱い部分を否定して嫌っていると、
弱い自分が嫌いで劣等感を感じてしまう
弱い自分を責めてしまう
弱いと感じる行動をした時に自分はダメだと自己嫌悪に陥る
他人から弱さについて何か言われると怒りを感じる
弱い自分を隠して無理に強い自分を演じて疲れてしまう
このように、しょっちゅう不快な感情になってしまいます。
ですので、自分の弱さも受け入れて認めている状態になると、 不快な感情になることがかなり少なくなります。
弱い自分を認めて受け入れてしまった方が、結果的に強くなります。
負の感情をなくす、消す方法|実践ワークを解説
負の感情があまり湧いてこなくなるように変化するためのワークの実践方法について解説します。
感情をその場で消化するワーク
その場で感情をすぐに解消する方法としてセドナメソッドという有効なワークを紹介します。
不快な感情が湧き上がったときにこれを行なうことで、感情エネルギーが消化されて、スーッと心が軽くなります。
誰でも簡単にできてほんの10秒ぐらいで感情が弱まったり消えていきます。
今まで溜め込んでいた感情の解消にもなり、感情が出てくる度に繰り返しているとどんどん消化されていきます。
トラウマなどの余り強い持続した感情には向かないですが、日常のちょっとした不快な感情やイライラした時などにとても有効です。
セドナメソッドのやり方はこちらの記事を参考にして実践してください。
溜め込んでいる感情を解消するワーク
今まで心の中に溜め込んできた感情を解消する、一人で簡単にできるワークを紹介します。
それは本音や感情を紙に書きなぐるということです。
単純ですがとても効果が高い方法なので、 感情が溜まってストレスを感じたり、ムカムカした場合はこれを行いましょう。
紙と鉛筆を用意してください。
そして自分の中にあるドロドロした本音や感情をすべて紙に書きなぐってください。
誰かに対して行ってやりたいこと、愚痴、文句、批判、罵倒
他人、自分の置かれている環境、過去に失敗や挫折したこと、過去の嫌な体験などへの
怒り、恨み、嫉妬、悔しさ、恥かしさ
ダメな情けない自分に対して思うこと
こんなことを思ってはいけない、と押さえつけたりせずに本音や感情を正直に書き出して表現してください。
本当は嫌いなあの人に嫉妬しているといった認めたくないことも正直に書いた方が感情が解放されてスッキリします。
全部お前のせいだこのクソ野郎クズが○ね
なんであなたは分かってくれないの、私はこんなに苦しんでいるのに
本当の自分は弱くて情けなくて何もできない人間だ、恥かしい
誰にも見せないので、どんなに汚い言葉でも腹黒いことでもかまいません。
今まで溜め込んでいたものがどんどん出てきます。 強い怒り、悲しみ、悔しさなど色々なものがごちゃごちゃに出てきて涙でくしゃくしゃになるかもしれません。
それでも構いませんのでどんどん自分の本音を書き出しましょう。
注意点は、自分から意図的に感情を込めないことです。
出てくるものは押さえず、自分から感情は込めずという感じです。
もう一人の自分が感情的になっている自分を「ああ自分はこんなことを感じて、こんなこと思っていたんだなあ」と上から見ているような感覚で行なってください。
あまりにも強い感情が出てきてしまう場合は一旦中断してください。
あくまで今まで溜め込んできたものを吐き出すというものが目的なので、中から出てくるものは押さえつけずに表現してください。
感情が収まって書く意欲がなくなってきたら終了してください。
書いた紙は思いっきりビリビリに破って捨ててください。
感情を押さえずに感じて、紙に書いて表現して、ビリビリに紙を破いて捨てるという行動をとったことでキレイさっぱり終わり!と脳がきちんと感情を消化したと認識します。
今まで感情を溜め込んでいた人は、しばらくは不快な感情になりやすく尾を引いたり、心が不安定になることもあるかもしれませんが、何度か繰り返していると心がすっきり軽くなってくると思います。
否定的な信念を手放す、心の傷を癒すワーク
不快な感情を湧き上がらせる原因である、過去の体験から持ってしまった否定的な信じ込みを特定して手放したり、心の傷を癒していきます。
次の質問に答えてください。
質問1.あなたが消したい、無くしたいと思う感情はどんな感情ですか?
質問2.質問1で書き出した感情はどんな場面で湧いてきますか?
質問3.質問2で書き出した感情が湧いてくる、その裏にどのような思いや信じ込みがあるからですか?
例えば、寂しさが湧いてくるとしたら、その裏にどんな信じ込みがあるのかを書き出してください。
自分はダメで無価値な存在だから誰にも相手にされない
自分はいつも孤独だ
彼は自分を愛してくれていない
質問4.質問2、3で書き出した感情や信じ込みに対して、 そのように感じるようになったきっかけの体験を書き出してください。 覚えていないという人は幼少期の親子関係によるものが多いです。 その場合はいつ頃から誰に対してそのように感じていたのかを書き出してください。
これの信じ込み心理ワークを使って、記憶や過去にアプローチして解消します。
過去の記憶を変更する
記憶に対する意味づけを変更する
過去の体験を体験から気づきや学びを得て昇華させる
過去の記憶を無力化する
そうすることで過去の不快な記憶に紐付いていた、自分は過去にこういうことがあったからダメなのだとか、価値がないのだ、愛されないのだといった否定的な信念が外れます。
そうすると些細なことで自分はダメだとか劣等感を感じることがなくなるので、不快な感情になることが少なくなってきます。
過去の体験により持ってしまった否定的な信念を解消、心の傷を癒すワークのやり方はこちらの記事を参考に実践してください。
自己重要感を養う
不快な感情が湧き上がらなくなるためには、自己重要感を養うことが最も大切になります。
自己重要感というのは、自分の長所や好きなところだけではなく、 欠点、弱い自分、 腹黒い自分、情けない自分なども丸ごと認めて肯定している状態です。
欠点がある自分でも価値があると認めている状態です。
自分の一部を否定して嫌っている、例えば、自分のつい怠けてしまうところが嫌いだ認めたくないと思っていると
怠けてしまうと自分をダメだと責めてしまったり
怠けていると人から嫌われるのではないかと恐れたり
怠けないように無理に頑張ってしまったり
少し怠けていることを指摘されると猛烈に怒りが湧いてきたり
このようにしょっちゅう不快な感情が湧き上がってきて振り回されてしまいます。
だから自分の弱い部分や駄目な部分や情けな部分も含めて、そういうところも含めて自分なんだと自分を肯定してあげることが大切になります。
例えば、ペットや赤ちゃんなど、大人の人間と比べるとダメで何もできなくても、ただ存在しているだけで丸ごと愛しく感じると思います。
それを自分自身にもしてあげるということです。
そうすることで、他人の些細な言動が気にならなくなり、不快な感情になることはかなり少なくなっていきます。
今の自分もそのままで素晴らしいよねと認めて受け入れて好きでいると、自己否定や自己嫌悪、自分責め、などもなくなります。
丸ごと自分を肯定しているので自信がつき、他人に些細なことを言われたり他人の些細な言動でいちいち感情がブレなくなってきます。
本来自己重要感は、幼少期の親子関係の中で親から適切な愛情を受けたりするうちに養われていくものです。
幼少期に自己重要感が育っていなくても、後から自分でいくらでも育てることができます。
日々の日常の中で自己重要感を養っていく具体的な実践方法はこちらの記事を参考に実践してください。
まとめ
・感情は感じないように、無くそう、消そうとすると余計に強くなる
・感情は、我慢したり、抑えつけたり、感じていないフリをすると未完了のまま溜まり続け、何らかの形で爆発する
・感情が湧き上がってきたら消そうとせずに感じ切ると消化されてスーッと消える
・感情を溜め込んでいると、不快な感情が持続したり、脳が嫌なことやトラブルを呼び寄せ感情が爆発する
・感情は、なくしたり、消すそうとするのではなく、感情を湧き上がらせる原因(過去の体験から信じてしまっている否定的な信念)を解消するのが効果的
・自己否定の信念があると、他人の些細な言動を否定的に受け取って不快になってしまう
・不快な感情を湧き上がって来なくするには、自己重要感を養うことがとても重要
・自己重要感とは自分のダメなところや弱い部分なども含めて認めて受け入れている状態
・自己重要感が養われると、自己否定、自己嫌悪、自分責めがなくなり、他人の言動で感情が揺れなくなる