嫌なことがあると延々そのことばかり考えて止まらない
他のことが考えられなくなり、何も手につかない
今回はぐるぐる思考の根本原因と自然にしなくなる方法についてお伝えします。
僕自身も以前は嫌なことがあるとぐるぐる思考が止まらないという状態でしたが
今まで嫌な気持ちになっていたことが気にならなくなった
嫌なことがあってぐるぐる思考が始まっても次の日には収まるようになった
ネガティブ思考をすることが格段に減った
という状態になりました。
よくあるぐるぐる思考の対処法として
仕事や勉強や趣味などに没頭する
気晴らしをしたり美味しいものを食べる
などがあります。
これらは一時的に意識を逸らしたり気を紛らわせているだけで、原因を解消していないため根本的な解決にはならないことが多いです。
ぐるぐる思考をしてしまうのには原因があり、解消することで自然とぐるぐる思考をすることが減っていきます。
ぐるぐる思考とは何か?なぜぐるぐる思考をしてしまうのか
ぐるぐる思考とは何か、なぜぐるぐる思考をしてしまうのでしょうか。
嫌なこと、例えば人にバカにされたとします。すると屈辱や惨めさを感じて怒りが湧いてきます。
そこで言い返せないと感情が解消されないので、後から「あの野郎バカにしやがってふざけんな!」と頭の中で考えることで感情を解消しようとします。
また、嫌な感情、例えば屈辱感を感じたくない、認めたくないので、頭の中で言い返したり、相手を批判、罵倒したり、言い訳したり、自分を正当化することで感情を感じないように押さえようとします。
ぐるぐる思考の原因は感情です。不快な感情を消そう、押さえる、紛らわそうとする行為がぐるぐる思考です。
ぐるぐる思考とは
嫌な感情が頭の中で言葉として表現されたもの
嫌な感情を思考をすることで押さえようとする行為
ぐるぐる思考は頭の中で思考しているだけなのと、思考で感情を押さえたり紛らわす行為なので感情がほとんど解消されません。
なので嫌な感情が延々と湧いてきて、またそれを対処しようとしてぐるぐる思考が止まらなくなるのです。
感情は純粋に感じ切るか、外に表現することでエネルギーが消化されて解消されます。
ぐるぐる思考をなくすには元となっている感情と、感情を湧き上がらせる源泉を解消することが重要になります。
ぐるぐる思考が起こる3つの原因
- 本当の感情を感じ切っていない
- 過去の抑圧された未完了の感情が溜まっている
- 自己否定、対人不安など嫌な感情の源泉がある
本当の感情を感じ切っていない
嫌なことがあると不快な感情が湧き上がってきます。
その不快な感情を消したい、感じたくない、認めたくないのでぐるぐる思考や他のことで意識を逸らしてしまいます。
すると感情を感じきっていないので消化されず残ってしまいます。
感情は湧き上がってきたら抵抗せずに受け入れて感じ切るか、外に表現することでエネルギーが解消されスーッと消えていきます。
本来1つの感情は数十秒、長くても2~3分ほどしか続かないと言われています。
感情を認めずに抵抗したり感じたくないと押さえつけてしまうと残ってしまいます。
嫌なことがあって、本当は悲しみ、悔しさ、劣等感、羞恥心、屈辱などを感じているはずです。
それを例えば人から否定されて本当は劣等感を感じているのに
「劣等感を感じたくない、自分が劣等感を持っていることを認めたくない」
とぐるぐる思考をして押さえてしまうと感情が解消されません。
湧き上がってきた感情は、受け入れて感じ切るとエネルギーが消化されて消えていきます。
ぐるぐる思考は感情がその場で感情を感じきって消化してしまえばぐるぐる思考は自然と治まります。
感情を純粋に感じ切るやり方は後述します。
過去の抑圧された未完了の感情が溜まっている
前項で湧き上がってくる感情を認めず、感じ切らずに紛らわせたり押さえつけてしまうと残ってしまうと述べました。
これを長年やってきた人は潜在意識に未完了の感情が抑圧された形で残ったままになっています。
すると何かの嫌なことや感情を刺激するようなきっかけがあると表面に湧き上がってきます。
その嫌な感情を抑えようとしてぐるぐる思考をしてしまいます。
幼少期の抑圧されたままの未完了の感情が大人になっても残っているケースもよくあります。
例えば幼少期に親から否定されて悲しかったけど逆らえない、見捨てられたら生きていけなので我慢していた
などで未完了の悲しみが残っていると、他人から少し否定的なことを言われただけで抑圧された悲しみに触れて蘇ってきます。
その悲しみを感じないように怒ったり、言い返したり、それができないとぐるぐる思考をしたりして紛らわそうとしてしまいます。
心理ワークで抑圧された未完了の感情を解消していくことで、ぐるぐる思考をすることが自然と減っていきます。
自己否定、対人不安など嫌な感情の源泉がある
自己否定や対人不安などのメンタルブロック(無意識下の否定的な信じ込み)があると、些細なことで嫌な気持ちが湧き上がってくるので、紛らわそうとしてぐるぐる思考をしてしまいます。
自分が否定している部分に触れる出来事があったり、他人に言われると嫌な気持ちになるからです。
自分の存在そのものを否定していると、他人の言動や出来事をすべて自分が否定されていると感じてしまいます。
また、人にどう思われているか、変に思われてないか、嫌われないか、自分の言動は恥ずかしいと過剰に感じてしまいます。
それから人に怒られる、否定される、拒絶される、裏切られる、人は信用できないといった対人恐怖の信念も同様に嫌な気持ちを生じさせます。
自己否定や対人恐怖は過去の体験から無意識に入ってしまった信念と未完了の感情、トラウマから来ています。
心理ワークを用いて自己否定や対人不安などを解消することでぐるぐる思考の元をなくします。
ぐるぐる思考を自然とやらなくなるための実践ワーク
ここまで解説したぐるぐる思考の原因である
- 本当の感情を感じ切っていない
- 溜まっている過去の抑圧されたままの未完了の感情
- 嫌な感情の源泉自己否定、対人不安などのネガティブな信念
これらを解消していきます。
湧き上がってくる純粋な感情を感じ切るやり方
嫌なことを思い出してぐるぐる思考が始まったとします。
その時に感じている純粋な感情は何でしょうか。
悔しさ、悲しさ、羞恥心、屈辱、劣等感、無価値感、惨めさ、絶望感、不安、怒り、孤独感等。
本当はどのような感情を感じているのでしょうか。
嫌なことがあったり人から嫌なことを言われたことで、本当は何を感じたのでしょうか。
湧き上がってくる感情を抵抗したり思考でこねくり回さずただ純粋に感じてください。
胸のあたりのモヤモヤ、苦しさ、不快感に意識を向けてみましょう。
感情を感じながら「自分は今悲しみを感じているんだな。人から否定されて悲しかったんだな。屈辱や劣等感を感じているんだな」などと頭で言語化してみてください。
胸に手を当てながら行うのもよいです。
十分に感情を認めて感じたら「あんなことを言われて悲しかったよね。自分はダメだと思ってしまうのも仕方ないよね」と共感して寄り添ってあげましょう。
あまり感情と同化したり没頭せず、第三者視点で「ああ、今自分は悲しみを感じているんだな」と淡々とやるのがコツです。
ちなみに怒りに関しては他の感情の代理感情です。
怒るのには何か理由があると思います。例えば人にバカにされて悲しかった、屈辱を感じたから怒るなどです。
怒りを感じ切ると共に怒りの裏側にある感情も探り認めて感じてください。
怒りの裏側にある感情は認めたくない感情であることが多いです。例えば人にバカにされた劣等感を感じたくない、認めたくないから怒るのです。
怒りの裏側にある本当の感情が何なのかを探り、できる範囲で受け入れて感じるようにしてください。
認めたくないという気持ちが出てきたら、その気持ちも「そうだよね、認めたくないよね」と共感しながら感じてみてください。
湧き上がってくる感情を抵抗せずにただ2~3分ほど感じて寄り添ってください。
純粋に感じきれていれば、感情が収まってきたり弱くなってきます。
感情が溜まっていたり、ネガティブな信念が強いと最初は収まらないこともありますが、収まっていなくても2~3分感じ切ったと思ったら終了してください。
その場では収まらなくても表面に出てきているのは解消される過程の残像のようなもので、次の日とかになったら消えている場合もあります。
感情を押さえつけたり先延ばしにせず、その場で感じきって消化してしまう癖をつけると後に引かなくなってきます。
感情を感じ切っても延々湧いてくる場合は感じ切れていないか、溜め込んでいる感情がたくさんあるか、自己否定などの嫌な感情の元となる信念があることが考えられます。
それでも感情が湧いてきたらその場で感じ切っていると少しづつでも消化されていきます。
もし強いトラウマがあって感情を感じるのが辛い、パニックになってしまうなどの場合は、無理に感じようとせずにバタフライハグのようなトラウマを和らげるワークを行ってください。
ぐるぐる思考そのまま紙に書き出して表現して解消する
感情は感じきること以外にも外に表現することでもエネルギーが消化されて解消されます。
人に話を聞いてもらったり、大声を出したりするとスッキリするのは感情を外に表現したことでエネルギーが解消されたからです。
ぐるぐる思考をしているだけだと感情エネルギーがほとんど消化されません。むしろ抑圧されて残ってしまいます。
不快な感情が湧いてきたら、外に表現して消化してしまいましょう。
感じ切るワークと併用することをおすすめします。
誰にも迷惑をかけずに一人で簡単にできる表現方法が紙に書きなぐるということです
紙と鉛筆を用意してぐるぐる思考をそのまま紙に書きなぐってください。
あーやだやだやだ苦しい苦しい恥ずかしいあの過去を消したい何であんなことをしてしまったんだ、うわああああああ
あの野郎ふざけやがってなんでお前にそんなこと言われなきゃいけねえんだよこのクズ
といったように湧き上がってくるぐるぐる思考の内容をそのまま書き出してください。
これもできるだけ純粋に感情を感じながら吐き出すような感じで、かといってあまり没頭せずに第三者視点で淡々と書き出すのがコツです。
無理に感情を込めるのではなく、内側から湧き上がってくるのをそのまま外に吐き出すような感じで行ってください。
感情が収まってきて書く意欲がなくなってきたら終了してください。
書き出した紙はビリビリに破ったり水に浸してぐちゃぐちゃにして読めないようにして捨ててください。
思いっきりビリビリに破ってゴミ箱に叩きつける行為自体も感情を吐き出して手放す行為になります。
書いた内容の中に自分が持っている感情や信念が露わになっているので、後で解消するためにメモしておくのも良いでしょう。
自己否定や対人不安のメンタルブロックを解消する
心理ワークを用いて自己否定や対人不安などを作っている無意識下の信じ込みを解消します。
信念は、過去の体験の記憶に対してどんな意味付けをしているかによって決まります。
例えば、
受験に落ちたという体験の記憶に
(受験に落ちたから)自分はバカでダメな人間だ
という意味付けがついているという感じです。
「受験に落ちた」という現実は変わりませんが、そこにどんな解釈を付けているかによってその出来事の意味が変わります。
ネガティブな解釈を付けていれば屈辱、惨めさ、劣等感、自己否定などの嫌な感情が湧いてきます。
受験に関連する話題を見聞きしたり、何かが少しうまくいかなかったりすると「どうせ自分はバカでダメな人間だ」という惨めさや劣等感が湧いてきてしまいます。
心理ワークを用いて
過去の体験をやり直す
記憶に対する意味づけや解釈を付け替える
過去の体験から気づきや学びを得て良い記憶に消化させる
抑圧された感情を解消したり、傷ついたままの自分を癒す
記憶を無力化して重要度を下げる
などを行うことで自己否定や対人不安などの元になっているネガティブな信念を外していきます。
そして自分のダメなところや欠点も含めて受け入れるという自己受容を行います。
無意識レベルからそのままの自分を受容できるようになってくると、自分を肯定しているので些細なことで否定されたと感じて嫌な気持ちになることが減っていきます。
嫌な気持ちになることが減っていくため自然とぐるぐる思考もなくなっていきます。
メンタルブロックの解消ワークはこちらの記事を参考に実践してください。

自己受容のワークはこちらの記事を参考に実践してください。

なかなか変化が起きない時は
なかなか変化が起きない時は以下のようなことが考えられます。
- ぐるぐる思考をしていることが心地よい、何かメリットを感じている
- 自己否定などのネガティブな信念や感情を手放したくない
- 自分でも気づいてない未完了の抑圧された感情が残っている
- 感情を認めたくない、感じたくないと思っている
- 今の慣れ親しんだ自分から変化に抵抗や恐れを感じている
ぐるぐる思考をするのが嫌なのに、どこか心地よく中毒のようになっていることがあります。
例えば、相手に言い返したいのに我慢していると、頭の中で相手を批判したり言い返すことで少し気が紛れて快感だからです。
また相手を責めたり、どうせ自分なんかといじけていることで問題から目を逸らしたり、変化や行動することを避けられるというメリットもあるからです。
また、根源の感情は感じるのが辛いので抑圧してしまっている場合があり、そこに触れることを恐れている場合もあります。
この場合も少しずつ自分の本当の感情を感じるようにしていくことや、セドナメソッドやマインドブロックバスター、メンタルブロックの解消ワークを行い自分と向き合っていくことで少しずつ感情が解消されていきます。
あまりにも感情を感じるのが苦しい場合は無理にせずにできることから少しずつ行ってください。
感情を感じるのが辛い、認めたくない、感じたくないという場合は、その気持ちを感じて認めて「辛いよね、認めたくないよね、怖いよね」と寄り添ってあげてください。
そうやって抵抗せずに受け入れていくと感情が緩まってきます。そうすることで本当の感情を感じて向き合えるようになります。
少しずつでも自分を変えたい、自分と向き合おうという意志を持って取り組んでいると、脳がそれに向けて協力してくれるようになるので少しずつ解消して改善されていきます。