今回は、恋人や配偶者を過度に束縛してしまうことをやめる方法について説明します。
よくある「我慢しよう」「自分に自信を持とう」「相手を信頼しよう」といった、意思の力で無理に束縛をやめようというものではありません。
束縛せずにはいられなくなってしまう本当の原因を見つけ出して解消することで努力をしなくても自然と束縛しなくても平気になります。
目次
過度な束縛ついて
少しくらいの束縛は愛情やかわいいと感じることもありますが、それが過剰になると、不自由を感じ、重く苦痛になってきて、離れていってしまうこともあります。
・数十分おきにメールや電話で居場所を報告させる、GPSで常に居場所を確認する
・彼氏の携帯を盗み見せずにはいられない
・家族以外の女性と出かけたり喋るのは禁止
・女性がいる飲み会やイベントへの参加は禁止
度が過ぎると雑誌のグラビアを見るのもダメ、なんて人もいます。
こういった過度な束縛をやめようと思ってもどうしてもやめられない、それが自分の性格だから仕方ないと思っている人もいるでしょう。
やめたくてもやめられず、自分が嫌いになったりする人もいれば、
自分は正常であり、相手がそれを受け入れるのが愛情だと思い込んでいる人もいると思います。
束縛癖のある多くの人が、そのことが原因で恋人と言い争いやケンカをしたり、浮気されたり、恋人が離れていったりといったトラブルを経験していると思います。
そこでもうやめよう、直そうと意識で努力してもやめられないのです。
やめようと思ってもやめられないのは、根本的な原因をそのまま放置したまま、意識で努力をしているからです。
仮に意志の力で我慢はできたとしても、常に不安で気が気でなく、苦痛が続きます。
過度に束縛してしまう性格は、生まれ持った本来の性格でもなく、変えられないものではありません。
原因さえ解消すれば努力もなく自然とやめられます。
束縛してしまう原因と、努力もなく自然にそれをやめられるようになる方法を説明したいと思います。
過度に束縛してしまう原因
過度な束縛がやめられない根本原因は、過去のある体験の記憶と、その記憶に対しての「信念」です。
これがどういったものかを例を挙げて簡単に説明します。
例えば、小さい頃に犬に吠えられて噛まれた体験したとします。
すると「犬は危害を加える怖い生き物」という信じ込みを持ってしまい、次からは犬を見た瞬間に恐怖心が湧いてきて近づけなくなったりします。
過度に束縛してしまうのもこれと同様のことが原因です。
割合的に一番多いのは、過去の体験により作られた「大切な人を誰かに取られるのではないか」という恐怖です。
過去に大切な人、愛してる人を、他人に取られた(とあなたが感じる出来事)経験して嫌な気持ちを味わったため、「また恋人を誰かに取られるのではないか」という不安や恐怖が湧いてきて、いてもたってもいられなくなり束縛してしまうのです。
実際にの恋人を他人に奪われたか、それが事実であったかどうかは関係ありません。ある体験に対して、好きな人を奪われたと判断すれば、脳にとってはそれが事実の情報としてインプットされます。
また、他人からそう言われた、他人の体験を見た、映画や小説などのメディアで見聞きしたなどから信じ込みが作られる場合もあります。
・実際に好きな人や恋人を誰かに奪われた体験
・大切な人を他人に奪われたと感じた体験
・母親がシングルマザーで小さい頃から「お父さんを他の女性に奪われたのよ」とか話して聞かせられた
・母親が同じような束縛癖を持っていて、それが恋愛で正しいことと学習してしまった
・友人の体験話やテレビ、小説などの影響を受けてしまった
実際に恋人を奪われていなくても、束縛癖が作られる体験として次のようなものがあります。
あなたが生まれたばかりの赤ん坊の頃、お母さんがいつも優しくニコニコしてつきっきりで世話をしたり構ってくれ、常に愛情を注いでくれました。
何年かして妹が生まれました。
すると母親は生まれたばかりの妹の世話をしなければなりませんから、妹につきっきりで、ほとんど構ってくれなくなりました。
自分には構ってくれなくなり、妹ばかりを構っている母親をみて、ショックを受け、寂しさや悲しみなどの感情を味わいました。
そして「妹にお母さんを取られた…!自分が今こんなに悲しく苦しいのは妹がお母さんを取ったせいだ」と強く信じ込んでしまったのです。
大人になったあなたは、妹に母親を取られたのではないし、愛されなくなったのではない、妹が生まれたばかりで世話が必要だったと理解できていると思います。幼少期にはそれが理解できていません。
大人になって、頭では妹に母親を取られたのではないと理解できていても、潜在意識下には、信じ込みと感情が強く残っているため、恋人ができると「彼が他の女と接するとまた取られてしまう」と恐怖や不安が湧いてきて、束縛をしてしまうのです。
過去に犬に吠えられたから、犬を見ると恐怖を感じる、それと一緒です。
無意識レベルの信念にはとても強制力がありますから、意識でいくら分かっていても、不安が湧いてきていてもたってもいられなくなってしまうのです。
脳は、信じ込みのとおりの出来事を人生の中で引き寄せようとします。
他人に取られてしまうとビクビクして、恋人を過剰に束縛してしまうことで、相手は束縛されるのが苦痛になって他の女性のところに行ってしまう、みたいな体験を引き寄せ「ほらね、やっぱり取られた、彼が他の女性に接すると奪われる、もっと束縛しなきゃ」と信念を強するという悪循環に入ってしまうのです。
もちろん、すべての人の原因がこの事例と全く同じというわけではありませんが、過去のなんらかの体験により、束縛するという行動を取ってしまうような信じ込みが必ずあるのです。
その信じ込み消去して別の信じ込みに書き換えることが根本的な解決になります。
脳の記憶やその記憶に対する信じ込みというのは後からいくらでも書き換えることが可能です。
事実かどうかは関係なく、信じたことがその人にとっての真実となり、脳にとってのプログラムとなります。
例にあげた、「妹にお母さんを奪われた」という信じ込みも事実ではなく、実際には違うのにそう信じていただけですよね。このように脳は事実であろうがなかろうが、信じたことがその人にとっての真実となりそのデータに基いて脳は行動を促すのです。
「妹の世話をしている母親」という過去の映像の記憶があり、その記憶に対して「妹にお母さんを取られた、自分はお母さんに見捨てられた、愛されなくなった」と勝手に意味づけしてしまっている(そう信じ込んでしまっている)のです。
その記憶に対する意味づけを書き換えて、そして自分はきちんと母親から愛され続けているというように書き換えると今度それを正しいとして信じこむようになります。もちろん過去の体験が事実であったとしても同じです。
そうすれば大切な人を誰かに取られのではという恐怖心も湧いて来なくなりますから、何の努力をしなくとも自然と恋人を束縛しなくなるようになっていくわけです。
過剰に恋人束縛してしまう根本的な原因をやめるワーク
束縛癖をやめるための具体的なやり方を説明します。
1.今の状態を自覚し、なりたい状態を宣言する
今の状態を自覚して、自分がそれをやっていたという責任を取ることで初めて自分の意思でやめることができます。
そして、なりたい状態を宣言することで、そちらへ行きやすくなります。
・自分が原因で束縛をしていたことを自覚する
自分が原因で、自分の意思で束縛していたことを自覚して認めます。
自分が悪いと責めるのではありません。良いも悪いもなくただそれをしていたことを淡々と認めるということです。
彼や彼に近づく女性が悪い、といった他人のせいにしているうちはやめることができません。
他人のせいだから、自分が変わる必要はないと脳は判断してしまうからです。
自分がやっているということを自覚し、自分で責任を取るという意思を持つことで初めてやめられます。
・どうなりたいかを明確にする
なんのために束縛癖をやめるのか、やめてどうなりたいのか、何を達成したいのかを明確にします。
恋人でも親でも友達でも規律や社会のルールだからでもなく、自分の意志でそうしたいからするという宣言することが大切です。
恋人のため、社会のルールだから、人の目が気になるからやるというのはうまくいきません。本音と違うわけですから苦痛が生じます。
彼に離れてほしくないから、彼とケンカをしたくないから、といったマイナスを避けるための宣言は、適当ではありません。
「彼が離れる」「彼とケンカになる」という思い込みや恐怖があることが前提になっているので、脳は「彼が離れる」「彼とケンカになる」と命令されていると判断します。
私は彼と信頼関係を築いて、楽しく幸せな恋愛をする、(その為に自分の意思で束縛癖をやめる)
「信頼関係を築く」「楽しく幸せな恋愛」 といった、なりたい状態や得たい感情に焦点が当たるような宣言にすることが大切です。
多少不安や自信がなくても言い切ってしまいましょう。
こう宣言をしておくことで、それにふさわしくない信念を手放したり、変化するために脳が協力的になってくれます。
2.自分にどんな信じ込みがあるのかを探る
自分が過剰に恋人を束縛してしまうのは、どの様な信じ込みや感情、価値感などからやっているかを探ります。
自分にどんな信じ込み思いがあるかをとにかくちょっとでも思った事は正直に紙に書いてみましょう。
例えば、
・他の女性に彼を近づけると奪われる
・他の女性が彼を奪おうと狙っている
・男は浮気する生き物
・自分は他の女性より魅力がない
・自分より良い人が現れたら恋人がそっちへ行ってしまう
・恋人は自分に一途であるべき
・他の女性と喋っては(会っては、遊んでは、出かけては)いけない
・自分は愛されない
恋人を束縛することでどんなメリットを得ているのかということも考えてみると信じ込みを見つけやすくなるかもしれません。
束縛することに何かメリットがある(と思っている)からやっているわけです。
束縛をするメリット、他の女性に奪われる確率が減る → 他の女性と接すると奪われると思っている
そしてなぜそう思っているのかと問いかけると芋づる式に信じ込みがでてきます。
彼が他の女性と喋ってはいけない なぜ?→ 奪われるから なぜ?→ 自分は他の女性より劣っているから なぜ? → 自分は容姿が悪いから なぜ? → 過去に容姿を馬鹿にされたから
など、裏にある信じ込みがどんどんでてきます。
信じ込みと一緒に過去の記憶などもでてきたらメモしておきましょう。
3.信じ込みにヒビを入れる、壊す
信じ込みを手放す準備をします。
信じ込みというものは、その人が、それが絶対的な真実、正しい、正義だ、と信じ込んでいるだけです。
単に「その人にとっての正しいこと」であり、絶対普遍の真実ではありません。
信じ込みが絶対的な真実ではないということを認識することで、その信じ込みにヒビが入ります。
そうすることでその信念を手放しやすくなります。それだけで信じ込みが壊れてなくなってしまうこともあります。
例えば
「他の女性に彼を近づけると奪われる」
これは絶対にそうなのだろうか、真実なのだろうか、と考えてみます。
それは絶対的な真実ですか?みんながみんな他の異性に接しただけで奪われているのでしょうか、実際に奪われたことがあるのでしょうか、奪われたってことがあるという人は何回奪われたがあるのでしょうか。
1回だったらたった1回なのに、それをいつも奪われるのではないかとビクビクしているのでしょうか。
そもそも「奪われた」というのは真実なのでしょうか?
もしかしたら相手の女性が彼に恋人がいることを知らなかったのかもしれません。彼の方から恋人がいないと嘘をついてアプローチしたのかもしれません。
「男は浮気する生き物」
男性であれば絶対100%浮気するのでしょうか。その根拠はどこにあるのでしょうか。浮気をしなかった男性は過去に一人も存在しないのでしょうか。
これは他人にやってもらうのも有効です。
他人は違う価値観を持っているのと、自分の事って見えにくいですが、他人のことって見えやすいからです。
今までは100%真実だと思い込んでいたものに、ヒビ入れることで、実は絶対的にそういう事では無いという意識が芽生え、それだけで問題が解消されてしまう人もいるほどです。
4.信じ込みを作るに至ったか過去の体験の記憶を探る
その信じ込みにが頭の過去どの体験の記憶によって最初に作られたのかを探っていきます。
他の女性に恋人を近づけると奪われる
という信じ込みがあったとしたら、いちばん最初にその信じ込みを持ったのはいつだったか、どんな体験をしたからだったかを探ります。。
成人してから?高校生、中学生、小学生?それとももっと前に両親や友達などを奪われる不安があった?
例のように、幼少期の頃に妹が生まれて妹に母親をとられたと言うのが最初だった場合、なかなか思い出せない場合もあるかもしれません。
信じ込みは、幼少期の両親との関係が元になっていることがとても多いため、その辺の出来事を重点的に思い出すと良いでしょう。
高校の時に友達に彼を奪われたのが最初と思っても、原点は幼少期の出来事で、その信じ込みが脳への命令となっていて、高校の時に彼を奪われるという体験を引き寄せた、という場合もあります。
それでも思い出せない場合は本記憶のないような小さい頃の忘れてる出来事や、お母さんのお腹にいたときの記憶の場合もあります。
たいていは何か思い当たるふしがあると思いますが、具体的な出来事が思い出せない場合は、そのままにしておきます。後から何かを思い出すかもしれません。
5.信じ込みを消去、書き換える
信じ込みを消去したり、別なものに書き換えるということを行います。
記憶そのものは消すことはできませんが、記憶に対する意味づけ、信じ込み、印象、認識はなくしたり変えることができます。
そうすることで信じ込みがなくなったり、別のものに変わります。
例えば、「自宅のリビングで妹の面倒を見ている母親」という映像見て、そこに「妹が母親を奪った」という意味付けを
そう意味づけしたことで、悲しい、苦しい、嫉妬、不安、などの感情を味わいます。
「自分は母親から愛されてない」とさらに別の意味づけを加えてしまう人もいるでしょう。
「自宅のリビングで妹の面倒を見ている母親」というのは何の意味もない映像です。
そこにネガティブな意味をつけてしまっているのです。それを外していきます。
「妹が母親を奪った」実際には奪ったわけではありません。事実でない物を事実と思い込んでしまっているだけです。
脳にとってはそれが事実かどうかは関係ないのです。信じ込むことで、その人にとってのプログラムとなり、人生の中で体現しようと働き出します。
実際に起こった出来事だったかどうかは関係なく、信じ込みははずすことができます。
そうすれば影響を受けなくなります。
いくつかのやり方がありますが、例で挙げた「妹に母親を奪われた」という信じ込みを題材にしてやり方の一つを説明します。
横になっててリラックスをして目を閉じ、何度も深呼吸をして深いリラックス状態に入ります。
現在から過去に遡るようにイメージして、対象の出来事の場面を思い出します。
例であれば、実家で妹を抱っこして可愛がっている母親 を見ている場面を思い出します。
その映像を、第三者視点で見てみてください。
部屋に妹を抱っこしている母親を見ている小さい頃のあなたがいるという感じです。
その時の忘れていた記憶や感情が甦ってくるかもしれません。
今の大人の自分であれば、違った考えや解釈をしたり、行動を取れたはずです。
今の大人の自分が、小さい自分に対して優しく教えてあげます。
例であれば、「お母さんはあなたのことを嫌いになったわけでもなく愛さなくなったわけでもないよ。妹が生まれたばっかりで何もできないから一時的につきっきりで面倒を見ているだけだから安心して」など、今の大人になった自分が理解していることをきちんと伝えます。
そこで幼少期の小さい頃の自分が納得したり微笑んだり笑顔になってくれている感じがしたらちゃんとそれを認識してくれているでしょう。
さらにその記憶をその場面を自分がどうして欲しかったのかを自由に書き換えます。
例えば、妹とあなたを一緒に抱きかかえて同じように可愛がってくれて微笑んでくれて愛情注ぎいてもらってる場面、お母さんにたっぷり甘えてる場面など、とにかく制限をつけずに好きなようにしてほしかった場面をイメージします。
次に今度は、今までは第三者視点で見てましたが、実際にその幼少期の自分視点で、なったつもりでイメージの中で体験します。
人によって涙が出たり、心が暖かくなったり、嬉しさや喜びや安心感、幸福感などが湧いてくるかもしれません。
記憶が事実であったとしても、自分が得たかった結果をイメージして体験しなおします。
相手に文句など、当時言いたかったけど言えなかったことなどを全部言ってもかまいません。
相手が謝ってきて許せた、仲直りした、でもかまいませんし、許せなかったら、文句を言ってスッキリした、だけでもかまいません。
その場面を光で包むようなイメージをして、その体験を実際に経験した自分として成長し、現在まで戻ってきます。その場面から現在まで戻ってくる成長は普通に過去がバーツスピー猛スピードで現代に戻って様に10秒ぐらいでイメージして構いません。
これで成功していると無意識下では、「お母さんは妹が生まれても変わらず愛情注いでくれていた」と言う信じ込みとなり、それがその人にとっての真実となります。
妹に奪われたという思い込みもなくなるため、彼が他の女性と話していてもまた奪われるのではみたいな不安もなくなるので、束縛する必要性もなくなり、何もしなくても自然とやめられるのです。
幸せで楽しい恋愛をすることにブレーキがなくなります。
他の信じ込みからくる問題がある場合はそれも対処します。
こちらのタイムラインセラピーの記事を参考にしておこなってください。
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