今回は被害者意識を手放して被害者意識をなくしていく方法についてお伝えします。
目次
人はなぜ被害者の立場を取ろうとするのか
人は気づかないうちにすぐに被害者になろうとします。
自分に非があったりミスがあったりしても被害者の立場を取ることで、自分を正当化することができ相手から責められにくくなり、相手のせいにできるからです。また自分が悪いと感じたり罪悪感を感じなくて済むからです。
表面的には、自分を守ることができるからです。
表面的には難を逃れたように感じても、後述で詳しく説明しますが、被害者の立場を取ることは、人間関係を悪化させ、嫌われたり、信頼をなくしたり、ますます加害者を呼び寄せることになります。
被害者意識を持っている人というのは、被害者になるのがとても巧妙で得意です。
自分が悪くても、関係ないことを持ち出したり、相手の過去の悪かった部分などをついて巧みに被害者の立場になりかわろうとします。
自分に非があって相手から何か言われた場合に、「そんな言い方は酷い」「あなただってこういう悪いとこがあるじゃない」といったように被害者になり代わろうとします。
自分が被害者になってしまえば、それ以上他人から責められず、相手を悪者にして自分を守る自分を正当化することができるからです。
自分でも気づかないほど巧妙に行われることもあるのでなかなか気づくことができないこともあります。
例えば、遅刻をしたときに、相手から責められないように、電車が止まっていたから遅刻をしたのだという弁明をするのも、実は自分が被害者になることで相手から責められないようにするためです。
被害者意識を持っていれば、自分は悪くない、他人、国が悪い、環境が悪いのだと他人や何かのせいにすることができるからです。
被害者意識を持っていると人間関係や人生がうまくいかなくなります。
被害者意識を持っていると被害を受けたと感じる出来事や加害者を呼び寄せる
被害者意識を持っていると、ますますあなたは被害者だと感じる状況や加害者を引き寄せます。
それは人間の脳の仕組みにあります。人間の脳は「私はこのような人間である」と信じるとそれを無意識に自分の言動で体現したり、他人の言動や出来事を通してますますそういう人間だと感じる呼び寄せる働きます。
意識しているしていないにかかわらず「私は被害者である」と信じていると、まず脳は被害者としてあなたを振舞わせます。
被害者というのは弱々しく、不当に扱われ、不幸で、加害を加えられたり酷いことをされる存在です。脳はあなたにそのような人間として振舞わせます。
被害者になるためには加害者や被害を受けたと感じる出来事を呼び寄せなければなりません。だから脳はあなたがますます自分は被害者だと感じるような出来事や加害者を呼び寄せます。
人間の脳にはミラーニューロンという部位がありそこで相手が相手の無意識の信念を察知して、その通りの人間として扱いたくなるという機能があります。
私は弱々しく、力がなく、不当に扱われ、不幸で、加害を加えられたり酷いことをされる、被害を受けて当然の人間です、と信じているので相手に伝わってそのように接してくる人が多くなります。
もちろん人間には理性がありますから全ての人が加害を加えてくるわけではないですが、性格の悪い人やストレスを溜めていてイライラしている人などが、あの人は自分は被害者だと思っているのだから加害を加えても構わないというように無意識のうちに察知してあなたに加害を加えてくるのです。
また、何かを一生懸命頑張っても、脳がわざと失敗したり挫折させ、やっぱり私は○○の被害者なのだと感じる出来事を呼び寄せます。
被害者意識を持っていると全て他人のせいにできるので表面上は楽ですが、実際には他人から嫌われたり人間関係がうまくいかなかったり、加害者を呼び寄せたり、がんばっても失敗したり挫折するといったことを呼び寄せられるのです。
自分は他人や何かの被害者であるという被害者の立場を止める、被害者意識をなくすことで心の苦痛もなくなり人間関係がうまくいくようになり人から好かれたり、物事がうまくいくよういなったり良い出来事が呼び寄せられたりします。
被害者意識を手放すためのワーク
自分がどのような被害者意識を持っているのかを洗い出し認識する
被害者意識というものは自分にとっては当たり前で自分を正当化しているために自分ではなかなか気づくことができません。
だから最初に自分がどのような被害者意識を持っているのかを紙に書き出して、自覚をすることを行います。自覚をすることではじめて手放すことができるからです。
質問1.あなたは何に対しての被害者だと思いますか?
あなたに酷いことをした特定の人物、学校、社会、会社、政治などでも
運命、神様のせい抽象的な概念でも構いません。
自分がうまくいかないのは○○のせいだ、と感じる対象を書き出してください。
自分の能力、自分は頭が悪いせいでうまくいかない
容姿が悪いせいでうまくいかない
といった自分が持っている能力や容姿や性格などでもかまいません。
自分はこれのせいで苦痛を受けている、これのせいで自分は人生がうまくいかない、台無しにされたというように感じるような対象を書いてください。
質問2.質問1で書き出した各事柄に対して、なぜ自分は被害者だと感じるのか?その理由を書き出してください。
もし自分は親の被害者だと感じるのであれば、 なぜ、どんな事を親からされたから自分は被害を受けたと感じるのか、ということを書き出した事柄それぞれに対して書き出してください。
質問3.何かのせいにしていることで、これは変えることができないと感じることはありますか?
親のせいで自分の人生はうまくいかないのだ、だけど親の言いなりから脱却することはできない
過去にいじめられたせいで、消極的になり自分の人生はうまくいかない、性格は変えられないトラウマは消すことができない
といった変えることができないと思っていることを書き出してください。
ワーク:被害者意識に関連する感情や思っていることを紙に書き出す
ノートか紙を用意してください。
あなたは自分が被害者だと思っていること、あなたに危害を加えた人、恵まれないと思っている環境や境遇や自分の能力や容姿など被害を受けたと感じることに対して
どんなことでもよいので、とにかく感じていることや思っていることを正直に紙に書きなぐってください。
感情を吐き出すように感情を言葉にするように書くのが良いです。
例えば、「お前のせいで俺の人生は台無しになったんだよこの野郎てめえのようなクズは今すぐ○ね!と」言ったあなたに危害を加えた人への怒り
「うまくいっているやつは恵まれた環境に生まれたからだ、私の人生がうまくいかないのはこんな環境に生まれたからなのだ、悔しい」
「あのクソ上司め、いつもネチネチ嫌味ばっかり言いやがって」
など、とにかく自分が被害を受けていると感じる人や出来事に対して思っていることや感じることを正直に書きなぐってください。
最初は感情がこもってどんどん出てくると思いますがそのうち感情が弱くなって出てこなくなると思います。そうしたら終了してください。
書き出した紙は水で濡らしてぐちゃぐちゃにして破って丸めて読めないようにして捨ててください。
先ほどの質問と感情を紙に書き出したことで、あなたの脳の中に様々な思いや我慢や言いたいことをなどがごちゃごちゃになっていたのが明確になったり整理されたり吐き出しができます。
紙に書き出したことだけでも我慢していた感情が解放されるので、被害者意識が薄れるという効果もあります。
次は。先ほどの質問で紙に書き出した事を参考にして被害者意識を手放すことを行っていきます。
過去の被害を受けたと感じた体験の記憶を処置する
まずは過去の体験により持ってしまった被害者意識を手放していきます。
先ほど書き出した、自分は○○の被害者であるというのは、過去にそう感じる体験があったと思います。
人間の脳には過去の体験すると、その体験の記憶に何か意味付けをして、重要な記憶とそうでない記憶に分けて保存します。
苦痛を受けた記憶というものは、その後に苦痛を避けるために、重要な記憶として保存されます。
親に罵倒されたり、否定されて育ったために自分の人生は台無しになったという被害者意識があったとします。
自分は親に怒られた(体験の記憶)
親に否定された(意味づけ)
自分はダメな人間なんだ(信じ込み)
自分はダメな人間だと信じているから、劣等感で何事にも積極的になれず人生がうまくいかなくなってしまった、そうなってしまったのは親のせいだ(被害者意識)
このように脳の中で意味づけされて人生にとって重要な情報として保管されてしまっているのです。
記憶の内容そのものを書き換える
記憶に対する意味付けを変更する
記憶から学びや気づきを得て昇華させる(あの出来事のおかげでとプラスに変換する)
記憶そのものを無力化させる
自分が一番納得するやり方でもしくはこの中から複数を行なうと、脳の中で自分は幼少期の頃に親から罵倒されて否定された、という情報がなくなるため、自分はダメだという自己否定や劣等感もなくなります。
そうすると親から被害を受けたという意味づけ、被害者意識もなくなります。
記憶の処置はこちらのタイムラインセラピーの記事を参考に行ってください。
普段湧いてくる被害者意識をそのつど手放す
普段の様々な場面で被害者意識が湧いてきたら、そのつどセドナメソッドで被害者意識の感情を手放します。
その場は、すっきりして被害者意識が消えたり弱くなったりします。でてきたらまた行います。繰り返していると玉ねぎの薄皮をはがすように弱くなってなくなっていきます。
自己肯定感を養う
強い被害者意識を持っているという人は、自分は被害者なのだから弱くてダメで虐げられる価値がないって存在なのだというように劣等感やコンプレックス、自己否定が強い場合がとても多いです。
先ほどのワークで被害者意識を作っている過去の体験からの信念を解消するということを行いましたが、それと同時にプラスの方向に自己肯定感を養っていきましょう。
自分自身を素晴らしい価値があると肯定できていると、そういった人間は被害者ではないので被害者意識もなくなっていきます。
自己肯定感を養う方法はこちらの記事を参考に実践してください。
現在進行形で被害を受けている場合
現在進行形で被害を受けている場合は、実際に誰がどう見ても酷いと思えるような被害を受けていることもあれば、自分の方が非があるのに、それを棚に上げて相手が酷いことをしているんだと相手のせいにして勝手に被害者になっているということも多々あります。
最初に説明した通り、脳の仕組み上、被害者意識を持ち続けていると、相手からますます酷いことをされたり加害者を呼び寄せるとのべました。
だから現在進行形で被害を受けていると感じている場合でも、先ほどのこれまでの過去に被害を受けたと感じるような出来事の記憶を解消して、大元の根っこの部分の被害者意識をなくしていくことで現在進行形の被害も減っていくことでしょう。
過去の出来事の大元の被害者意識を手放して、自己肯定ができるようになると、自分を正当化したり被害者になる必要がなくなるので、自然と被害者の立場を取ることもなくなってきます。
自分を守るために被害者になっている場合は大元の被害者意識をなくすことで自然とそれがなくなっていきます。
あなたの内面が”被害者”でなくなれば、これまではあなたが被害を受けたと感じるような出来事はそう感じなくなったり、他人が実際にあなたに危害を加えてくる人が少なくなっていきます。
仮に何か他人から危害を加えられたとして、自分は弱い被害者なんだというような被害者の立場をとることがなく対等な立場として相手に対応することができるようになります。