罪悪感について
罪悪感とは、自分のせいで、他人を傷つけてしまった、他人に悪いことをしてしまった、何であんなことをしてしまったのかと後悔をしたり、自分を責めるような感情のことです。
罪悪感はとても苦しい感情ですが、プラスの面もあります。
それは、罪悪感を抱くことで、自分がやってしまったことを償ったり、もう二度とこのような過ち犯すまいと自分を正すことができるからです。
健全な範囲の罪悪感であれば、きちんと謝罪したり補てん行為を行うこと、消えていきます。
しかし、罪悪感とは根深いもので、もう十分に反省し、謝罪したり、きちんと償いをしても、延々と罪悪感を持ち付けてしまう人がいます。対象の人にもう会えないとか、昔の事で今さら謝れないといった場合にも、罪悪感を持ち続けてしまうことがあります。
人は基本的に自分は良い人だ、良い人でありたいという気持ちがあるので、自分が過去にしてしまった酷いことや過ちを許すことができず、罪悪感を持ち続けてしまいます。
いつまでも罪悪感を持ち続けてしまうケースとしては以下のようなものがあります。
・相手に謝罪できていない
・謝罪して挽回、補填行為をきちんとしたにも係わらず罪悪感を感じてしまう
・謝罪をしても相手が許してくれない
・謝罪したいけど、対象の相手がもう亡くなってしまっていたり、どこにいるかわからず会えない
・子供の頃など、かなり昔のことでもう付き合いもなく、今更そのことで連絡を取って謝ることもできない
・普段は忘れていても、ふとした時に過去にしまった過ちに対する罪悪感が浮かんでくる
・相手からしたら何も気にしてないであろうちょっと事でも罪悪感を感じてしまう
・何も悪い事をしていないのに自分の存在や生きていることに罪悪感を感じてしまう
このように罪悪感にもいろいろありますし、強さも人それぞれです。
心理学、脳科学に基いたアプローチで罪悪感のシチュエーション別に、少しでもあなたの心から罪悪感が弱くなって楽になれる方法を解説していきたいと思います。
シチュエーション別の罪悪感を克服するワーク
罪悪感のシチュエーション別に、罪悪感を克服する実践ワークを解説します。
罪悪感というものは自分の中だけにあります。
過去にどんな過ちや酷い事をしてしまっていても、他人から責められていたとしても、罪悪感はあなたの中だけにあり、あなた自身が作り続けている感情です。
それを許すことができるのは自分自身だけです。
謝罪して相手が許してくれたら罪悪感が消えるのも、相手が許してくれたことで、自分自身を許すことができるからです。
まずは、自分がどのようなことに罪悪感を持ち続けているのか、どう感じるのか、本音を明確にして自覚し、気付くことをします。
自分自身が感じていることや本音などを明確にすることで、手放しやすくなります。
紙と鉛筆を用意して、次の質問に答えるように答えを書いてみてください。
質問1.あなたの罪悪感は次の項目のうちどれに該当しますか?いちばん近いものを選んでください。(複数回答可)どれにも当てはまらない場合はなぜ罪悪感を感じるのかを文章で書き出してください。
1.対象者と今現在交流もがあるけど謝罪していない
2.謝罪して挽回、補填行為をきちんとしたにもかかわらず罪悪感を感じてしまう
3.謝罪をしても相手が許してくれない
4.謝罪したいけど、対象の相手がもう亡くなってしまっていたり、どこにいるかわからず会えない
5.子供の頃など、かなり昔のことでもう付き合いもなく、今更そのことで連絡を取って謝ることもできない
6.普段は忘れていても、ふとした時に過去にしまった過ちに対する罪悪感が浮かんでくる
7.相手からしたら何も気にしてないであろうちょっと事でも罪悪感を感じてしまう
8.何も悪い事をしてないのに自分の存在や生きていることに罪悪感を感じてしまう
質問2.あなたは、誰に対して、何に対して罪悪感を感じていますか?罪悪感を感じることが複数あったら全て書き出してください。
質問3.罪悪感を感じるような事をしてしまった自分自身をどのように思っていますか?
質問4.あなたが罪悪感を感じる行為をしてしまったことに対して思うこと、言い分などを本音で書き出して下さい。
(※例えば、「酷いことをした」と思ったとしても、罪悪感を和らげるために、あの時は事情があって仕方なかった、あの人にも落ち度があった、あの人も悪いといった言い訳のようなことも同時に湧いてきたりします。言い訳や自分を守ろうとする気持ちが出てくるのは人として普通の事です。)
質問5.あなたが罪悪感を感じることに他人が関係している場合、今、その人物はあなたに対してどのようなことを思っていると思いますか?
質問6.あなたが罪悪感を克服するために、できそうな現実的な行動があれば書き出してください。
(例:相手に謝罪する、これから挽回する、二度としないと決める、そういうことをする人を減らす、やめさせる側に回る等)
あなたがどのようなことで罪悪感を感じ、そのことに対してどんなことを思っているのか本音を明確にしたら、それを元に罪悪感を手放していきます。
罪悪感のシチュエーション別に、罪悪感を克服していくためのワークを解説します。
以下の項目から自分が該当する項目に進んでください。
1.対象者と今現在交流もがあるけど謝罪していない
2.謝罪して挽回、補填行為をきちんとしたにもかかわらず罪悪感を感じてしまう
3.謝罪したいけど、対象の相手がもう亡くなってしまっていたり、どこにいるかわからず会えない
4.子供の頃など、かなり昔のことでもう付き合いもなく、今更そのことで連絡を取って謝ることもできない
5.謝罪をしても相手が許してくれない
6.普段は忘れていても、ふとした時に過去にしまった過ちに対する罪悪感が浮かんでくる
7.相手からしたら何も気にしてないであろうちょっと事でも罪悪感を感じてしまう
8.何も悪い事をしてないのに自分の存在や生きていることに罪悪感を感じてしまう
9.過去に犯した万引きなどの軽犯罪に対する罪悪感
この場合は、可能であれば直接相手に素直に謝罪することが一番です。
あのときの自分は未熟だった、あの時はあなたがどう思うかは考えず深く考えず軽い気持ちでやってしまった(いってしまった)
ずっと謝ろうと思っていたけどなかなか言い出せなかった
完全に自分のミスや不注意だった
できるだけ言い訳や相手の非は問わず、素直に自分の非を認め
そこで、相手が理解して許してくれれば通常であれば罪悪感は消えていくはずです。
どうしても自分から謝罪することができない場合は、4.の項目へ進んでください。
2.謝罪や挽回、補填行為をきちんとしたにもかかわらず罪悪感を感じてしまう
本当の健全な罪悪感であるがききちんと謝罪したり挽回したり補てん行為をすれば自然と消えていきます。それでも消えないということは、過剰な罪悪感をもってしまっています。
自分の過去の過ちを許すことができない、つまり、自分は正しく善であり、良い人間が良い人でありたい、そうでなければならない、許されないという気持ちや信じ込みがないかチェックしてみてください。
人は誰でも過ちは失敗を犯すものというような考え方であれば、きちんと反省して謝罪したり誠実な対応したならば、そこで罪悪感はなくなると思います。
自分は正しく、良い人でありたいということは、裏返すと、私は正しくない人間かもしれない、良い人でないかもしれない、もしくは正しくない自分は、駄目な人間である、自分は何の価値もないのかもしれないという信じ込みがあったりします。
次の質問に答えてください。
・あなたは、自分が正しく善人で良い人でなければならないと感じますか?
・あなたが正しく善人で良い人でないとしたら自分自身をどのように感じますか?
・何故、どんなことが理由でそのように感じますか?
素の状態で正しく良い人であるのなら大丈夫なのですが、「正しくあるべき」「良い人でなければならない」という信じ込みを持っていると、常に良い人であろうと気を使って疲れたり、相手を傷つけないかとビクビクしたり、少しの過ちも許せず罪悪感を感じたり、過去の自分の過ちが許せなくなってしまいます。
正しく”あるべき”、正しく”なければならない”という信念を持っていましたら、手放してしまいましょう。
次のような文章を声に出して強く宣言してみてください
(自分が持っていると思われる信念に置き換えてください)
——–
私は、○○(例:善人)であるべき、○○でなければならない、という信じ込みを持っていました。私は今、そんな自分を許し、その信じ込みを手放します。
——–
過去にしてしまった自分を許す宣言をします。次の文章を声に出して強く宣言してください。
——–
私は、十分に謝罪をし、償い、挽回しました。
人は生きていれば誰でも失敗したり過ちを犯したりすることもあります。
私はあの経験から様様々な事を学びました。
もうそんな自分を許し、卒業します。私は自由になりました。ありがとうございます
——–
このようにもうすでに完了したという形で宣言するのは、人間の脳は、すでにそうなったのと思うとそれを真実だと受け取ります。
あなたは今までで逆のことをやっていたわけです。十分な謝罪をしたにもかかわらず、あれはまだ終わっていない、過ちを犯してしまった自分は許せない、と信じていただけなのです。だから脳がそれを真実として罪悪感を抱かせていたわけです。
もし、信念を手放すことに恐怖心や不安を感じるとしたら、先ほど述べたように、過去の体験から、例えば良い子でいない親に叱られるといった恐怖心がそのまま残っているということが考えられます。良い人であること、正しくあることを親や他人や社会から強要された体験がないかを探ってみてください。そしてその体験に対してタイムラインセラピーを行いその時の過去の記憶を無力化してしまうことで、その恐怖心は消えたり弱まったりします。
3.子供の頃など、かなり昔のことで今更そのことで連絡を取って謝ることもできない
4.謝罪したいけど、その対象の相手がもうなくなってしまっていたり、どこにいるかわからなかったりして会えない
3.と4.は様々な事情で直接本人に謝罪することができない
もう何十年も前のことで、今更連絡してその話をするなんて変だしできない
謝罪したいけど、相手がなくなってしまっていたり、どこにいるのかは分からなくて連絡が取れない
こういった場合は、イメージワークの中で謝罪を行います。
概要と効果について説明します。
リラックスしてゆっくり呼吸を行い催眠状態のようなようになり、イメージの中に対象人物を登場させ、そのイメージの中の対象人物と対話を行います。
そのイメージの中の対象人物に謝罪して、ずっと気になっていた、謝りたかったなど、自分が思っていることを全て伝えます。
そうすると不思議なもので、イメージの中で本当にその人が喋っているように返答が返ってくることがあります。
もういいよー、今は全然気にしてないよーといった返答が返ってきたりします。
人によっては、相手が微笑んでいるような感覚や映像だったり、明るい光を感じたりします。
もし、イメージの中できちんと謝罪しても「まだ許してない」的な返答や、相手がまだ怒っているような感じがしたとしたら、まだ自分が自分自身を強く許していないことが考えられます。
“罪悪感は自分の中だけにある”と述ましたが、このようにイメージの中でも誠心誠意相手に謝罪すれば、実際に謝罪したのと同じように自分のことを許すことができ、それによって罪悪感が解消されたりします。
詳しいやり方はこちらのタイムラインセラピーの「当事者との対話」の項目を参考に行ってください。
このイメージワークを行っても相手から許してくれるという返答や、そういった感じがしない場合は、
2.謝罪や挽回、補填行為をきちんとしたにもかかわらず罪悪感を感じてしまうの項目の内容を取り組んでみてください
実際にすでに謝罪をしているけれども、相手が許してくれないので、そのことで罪悪感を感じ続けててしまっているとというケースです。
きちんと謝罪して、賠償したり、挽回したり、法律で定められた償いもした
それでも相手が許すか許さないかは、相手の問題と言うことです。
~書き途中~
6.普段忘れていても、何かのきっかけで過去にしまった様々な過ちに対する罪悪感が浮かんでくる
~書き途中~
7.相手からしたら何も気にしてないであろうちょっと事でも、罪悪感を感じてしまう
本来であれば罪悪感を感じる必要の無いようなちょっとしたことにでも罪悪感を感じてしまうというケースです。
その場合は、自分を罰する気持ちや責める気持ちが強い、つまり自分は悪い人間なのだ、ダメな人間なんだ、存在価値がない人間なのだ、と言う信じ込みが無意識の中に入っていると思われます。
これは、多くの場合が幼少期に親から、「あなたは悪い子ね、反省しなさい」「あなたのせいでお母さん怒っているのよ」など、親にこのような言い方で責められるような怒られ方をして育ったりしたというのが原因の場合が多いです。
このような叱られ方を認め、それの信じ込みが無意識の中に入ってしまって、それがそのままになっているため、大人になっても影響を与え、自分は悪い子だから自分を責めなきゃ、自分のせいで人に迷惑をかけたり怒らせてしまっているのではないか、と過度に自分を責めたり罪悪感を持ってしまうわけです。
これらの信じ込み思ってしまったきっかけとなる体験の記憶を無力化していきます。そうすると自分は悪い子だから反省しなければならない、自分のせいで人に迷惑をかけて怒らせてしまうといった信じ込みが外れれば、自動的に罪悪感も消えていきます。
この記憶の処置はタイムラインセラピー等を使って行います。こちらのタイムラインセラピーの記事を参考にして実践してください。
8.何も悪い事をしていないのに、自分の存在自体していることに罪悪感を感じてしまう
何の悪い事もしていないのに、生きているだけで申し訳ないとか、自分自身の存在自体に罪悪感を感じてしまうというケースです。
7.のケースと同様に、過去の体験、例えば幼少期の両親との関係がきっかけになって、自分は存在自体が悪である、自分は誰からも愛されない存在、価値のない存在といった自己否定の信じ込みが作られてしまっていることに原因があります。
幼少期に、親からあなたを「本当にダメな子ね」「あなたは本当に悪い子ね、反省するまでご飯抜きよ」「あなたのせいでお母さん怒ってるのよ」「お母さんを苦労しているのよ」いうようなあなたのせい、あなたが悪いのよ、と責めるような言い方で叱られ続けたり
そうすると、自分自身の存在自体が悪なのだという信念が無意識の中に作られてしまったりします。その信念をそのままにしておくと、大人になっても影響を与え続け、に何も悪いことをしていないのに自分は存在自体が悪であると感じて生きているだけで他人から疎まれている、と罪悪感を感じてしまったりするのです。
脳にとって、この幼少期の親に責められるような叱られ方をした体験の記憶を、この情報は、私にとって絶対的な真実であると言うように認定したままの状態にあるのです。
これらの信念を持ってしまうに至った過去の体験の記憶を無力化し、ただの何の意味もない何の影響力もない唯の日常の1コマのような記憶に変化させてしまいます。
そうすると自動的に自分を存在した自分は悪であるといったような信念が外れるので、罪悪感も湧きあがってこなくなってきます。
この記憶を処置する方法はいくつかありますが、タイムラインセラピーというやり方で行います。タイムラインセラピーついて詳しくはこちらの記事を参考に実践してください。
こちらの記事を参考にしてください。
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