今回は、なぜ他人の言葉で心が傷つくのか、その原因と原因を解消して他人の言葉で傷つかなくなる方法についてお伝えします。
もちろん人間ですから多少は傷ついたり嫌な気持ちになったりすることもありますが、それまでに比べてその度合いが小さく立ち直りが格段に早くなることでしょう。
なぜ他人の言葉で傷つくのか
他人の言葉で傷つく人と傷つかない人の違いは”あなたがどんなことを信じて受け入れているか”によります。
「お前は馬鹿だな」
という言葉があります。
この言葉に「自分は馬鹿にされている」と意味付けをする(信じる)と、 不快な気持ちになります。
そして、相手の言葉を受け入れると傷つき、その傷の痛みを癒すために「俺は馬鹿じゃない!」「お前の方が馬鹿だろ!」といったように怒りが湧いてきます。
「お前は馬鹿だな」という音声を聞いて、自分が馬鹿にされていると受け取ったのは自分自身なのです。
例えば、テレビのドラマを見ていてその中の登場人物のセリフで「お前は馬鹿だな」という音声が聞こえてきたとします。それを聞いても全く傷つかないし怒りも湧いてこないと思います。
同じ「お前は馬鹿だな」という音声なのに傷ついたり傷つかなかったりするのは、自分が自分のこととして受け取っているかどうかなのです。
全く同じシチュエーションで面と向かって「お前は馬鹿だな」と言われても傷付いたり傷つかなかったりします。
例えば、友人Aががあなたに「お前は馬鹿だな」と言ってきたと思います。
あなたはショックを受けて傷つきました。
しかしそれはドッキリで、本気で言われているわけではなかったのです。後でドッキリだということを知ったら急に心が安心して嫌な気持ちがスーッと消えると思います。
同様に、友人Aが「お前は馬鹿だな」とあなたに言ってきたとします。
今度は事前に友人Bから「友人Aがあなたのことを馬鹿にしてくるかもしれないけどあれはドッキリだから」と伝えられていたとします。
すると、友人Aが「お前は馬鹿だな」と言ってきたとしても、ドッキリだと思っているあなたは傷つかずにニコニコしていられると思います。
実は、友人Aは本気で「お前は馬鹿だな」と言っていたのです。友人Aがあなたに文句を言いに行くと知った友人Bが、気を使ってあればドッキリだと嘘をついていたのです。
前者は、本気で言われているわけではないのに傷つきました
後者は、本気で言われているのに傷つきませんでした
これは否定的な意味なのだ、自分が言われているのだ、馬鹿にされているのだ、といった意味として受け取ったときに傷つくのです。
このように自分がこれはこうなんだと信じて受け入れた時に傷つく、つまり自分で自分を傷つけているのです。
これは良いことを言われても同じです。褒められても、人から愛情表現を受けても、どうせお世辞でしょ、本当かなあ?と疑って自分がそれを受け取らなければ(自分のこととして認めなければ)嬉しい気持ちになりません。褒められても、嫌味かよ!って否定的に受け取って不快になることすらあります。
つまり、傷つきやすい人とは、無意識に自己否定の信念が強くたくさん入ってしまっていて、ちょっとしたことでもすぐ否定的に受け取ってしまう人なのです。この辺を解消していくと、傷つかないようになっていきます。
傷つきやすい人とはどういう人か
相手の言葉を否定された、バカにされたなどと受け取った時に傷つくと述べました。
傷つきやすい人とは、少しのことで否定されたと受け取る、すぐに他人の言葉に同調してしまう人です。
ではなぜ少しのことで否定されたと受け取ってしまうのかというと、自分で自分に対してそう信じている、つまり「自分はダメだ」「価値がない」「魅力がない」といった劣等感や自己否定の信念を持っているからです。
自分がそのように信じているから、他人に何かちょっと言われたらだけでやっぱり自分はダメなんだと言うように無意識の否定的な信念が、表に上がってきてそれにより心の苦しみが発生します。
無意識から「どんな自分でも価値があり自分は素晴らしい」と無意識レベルから信じていれば、他人から言われてもそれに同調しないので心まで響きません。つまり先ほどの例のように、テレビの音声や、友達に否定されたのをドッキリだと思っているのと全く同じ状態、自分のこととして受け入れてないので傷つかないのです。
このように意識と無意識で 信じ込み思っていたり自分はダメなのかもしれないという疑いを持っていたとすると、 他人の言葉にそのまま同調してしまうので心が傷つきます。
意識で「自分はすごいんだ!」と思っていたとしても、無意識の「自分はダメだ」という信念がある場合があります。これは意識で言い聞かせて劣等感をを打ち消そうとしているだけです。
無意識で信じていること、つまり本音の方が勝つので、心は傷つきます。
一見自信がありそうなのに人にちょっと何かを言われると、キレて怒ったり反論する人もこれにあたります。
怒りというのは、自分が傷つけられたと感じたことによる自己防衛反応によるものだからです。 つまり怒っている人というのは心が傷ついている(傷つけられた(攻撃された)と感じている)のです。
傷ついたことによる反応が、「どうせ自分はダメだ…」と内側に行くか、そんなことない!と怒って相手に反撃するという外に行くか違いなだけです。
何かを自慢したり誇示したりするのも、無意識では自分で自分はダメだとか価値がないと思っているから、一生懸命自分をすごいということを他人にアピールすることで心の痛みを感じないようにしている状態です。
自己啓発セミナーなどの「できる!できる!」と大声を出すのもこれにあたります。意識で無理に言い聞かせている状態なので、一時的に変わったように感じてもすぐに元に戻ったり、一時の高揚感で会社を辞めたりしても上手く行かない人がほとんどなのです。
条件付きの自己肯定だと上手く行かない
無意識下の自分は素晴らしい、価値がある、魅力がある、というのは条件付きだとあまり意味がありません。傷ついたり心の苦しみが発生します。
無意識レベルから”無条件で”どんな自分でも、どんな部分でも、欠点があっても、自分は素晴らしい、価値がある、魅力がある、と思えている状態であれば傷つかなくなります。
例えば、高学歴な自分は素晴らしい みたいな条件付きの自己肯定はうまくいきません。
なぜなら学歴がないと素晴らしくない、学歴を取ったら自分には何の価値もないと信じているとうことだからです。
劣等感から逃れるために、学歴にしがみつき、誇示します。低学歴の人を見下しバカにすることで、自分は素晴らしいと心の平安を保とうとします。先ほどの図の劣等感を感じないために、意識で言い聞かせているのと同じ状態です。
恋人から愛されている自分は価値がある だと、恋人から愛されていない自分は価値がない、ということなので、恋人が常に愛情表現をしてくれないと不安になります。
恋人と別れたら価値がない自分になってしまうので、常に不安で無理に相手に合わせたり、束縛したりして嫌われてしまいます。
これでは人間関係のトラブルが耐えないし、幸せとは言えませんね。
書籍とかに書いてある、何かをがんばって自信を付けたり、自分に自信を持てというのは、無意識に自己否定の信念を持っているままだと根本的な解決にはなりません。
このように無意識レベルから、無条件で、自分は素晴らしい、価値がある、魅力的だと信じて受け入れていると、他人から何を言われても、信じていることと違うので心まで響きません。
他人から褒められても、どうせお世辞だろと思って受け取らなければ、心に響かず嬉しくないのと全く同じです。
他人から否定的なことを言われても、一瞬意識ではやっぱり自分はダメなのかも思ったり、バカにされたと不快になることもありますが、無意識では自分は素晴らしいというのがきちんと入っていれば、やっぱり自分は素晴らしいよねとすぐに立ち直れます。
無意識レベルからの”無条件で”価値がある、無条件で素晴らしい、無条件で魅力的、と信じて受け入れている状態を目指します。
傷つかなくなくだけではなく、あらゆることがうまくいき、理想の願望が叶っていったりします。自分は素晴らしいと思っているのですから、立ち振舞や行動も自然と変わってくるからです。
だから傷つかない自分になるためには、無意識の信念を変更する必要があります。
先ほど、友達にあなたはダメねと言われてもそれがあなたがドッキリだと信じている間は傷つかないということが起こりましたよね。
つまりあなたも無意識の信じ込みを変えれば傷つかないようになれるという証拠です。
自分の中できっちりと自己肯定の信念ができていると、これと全く同様のことが起こります。
欠点も含めてありのままの自分を受け入れる
なにか特定のコンプレックスがあって、そこに触れられても傷つかないいようになるには、ありのままの自分をダメなところも欠点も含めて受け入れる(そんな自分もいいよね、素晴らしいよね)ことです。
人は劣等感やコンプレックスに思っていること、それを変えたいとか嫌だとか思っていることを他人から言われると傷つきます。
自分の個性だったりそういうところもあるけどそれはそれで良しと受け入れている状態だと肯定しているので、そのことに触れられても傷つきません。
自分で受け入れていればそれはもうコンプレックスではないからです。
欠点やコンプレックスを受け入れて素晴らしいと思ってしまったらそれを直さなくなるのではないかと思う人がいるかもしれませんが逆です。
人間の脳は信じていることを体現しようとしますので、 これは欠点だ(自分には欠点がある)と信じているとますますその状態を維持しようとします。
コンプレックスが嫌で絶対に克服してやる!!という強い信念を持ってものすごい努力ができる人はそれを凌駕して克服することもできます。
しかし、多くの人は無意識の、自分には欠点あり、欠点を克服するなんて無理だと信じ込みにひっぱられて挫折してしまいます。
他人の言葉で傷つかなくなる、多少不快になってもその度合いが小さい、すぐに立ち直れる自分になるためには
1.自己肯定の信念を養う
2.自分のコンプレックスや欠点なども全て受け入れる
ではその実践に入っていきましょう。
傷つかない自分になるためのワーク
1. 自分の本音や信念を自覚する
まずは自分がどのようなどのような信念を持っているかを明確にしてそれを自覚します。
自覚していないことは変えることができないからです。自覚して認めて受け入れるだけでも変化が起こります。
質問1.あなたは他人からどんなことを言われると傷つきますか?(不快な感情が湧いてきますか? 怒りが湧いてきますか?)
書き出したことの横に湧いてくる感情も書いてください。
最も強く傷つく(怒りが湧いてくる)ことを書き出してください。複数あれば全部書き出してください。
その他言われたら多少なりとも傷ついたり怒りを感じるような事柄を思いつか思いつく限り書いてください。
例:「もう少し痩せた方がいいんじゃないの?」(怒り、劣等感)
質問1で書き出した項目に各項目に対して、それを言われるとなぜ傷ついたり不快な感情が湧いてきたり怒りが湧いてくるのでしょうか?
各項目に対してそれぞれ書き出してください。
例:「もう少し痩せた方がいいんじゃないの?」(怒り、劣等感)
「もう少し痩せた方がいいんじゃないの?」と言われたら、なぜ、怒り、劣等感が湧き上がってくるのか、その理由を書いてください。
“バカにされている”と感じるから
“太っていることに劣等感”を感じているから
“太っていてはダメだ”と思っているから
自分なりにダイエットをがんばってるのに”否定された”気がしたから
“”でくくった部分は信念です。
この信念を持っているから、傷ついたり怒りが湧いてくるわけです。
太っているのはダメだ、そんな自分はダメだ、痩せろと言うのは自分をバカにしているのだ、自分を否定された、このような信じ込みがあるということですね。
ここで、今に見てろ!絶対に痩せてやる!とプラスに変換できる人はまだよいでしょう。
多くの人が余計に劣等感が強くなり、やる気がなくなったり、苦痛を感じないようにするために相手を責めたり、人に太っている姿を見せたくない、言われたくないから人前を避けるといった方向へ行ってしまいます。
無意識で否定的な信念を持ったまま、意識でがんばって少しうまくいっても、他人から評価されなかったり否定されると、やっぱりダメだとなってしまうんですね。
先ほど紙に書き出したあなたがどんな時に傷つくか(不快になるか)怒りを感じるかという項目となぜそのように感じるのかを書き出したと思います。
その紙を見ながら第三者視点で「なるほど自分はこのように信じていたのか、だから不快な気持ちになったのか」ということを淡々と認識してみてください。
欠点でも自覚して受け入れていることは他人から指摘されてもそれほど傷つかないということを述べましたが、なるほど自分はこのように信じていてこのようにな理由で不快な気持ちになっていたのであっていう自覚することも少し受け入れたことになるのです。
だからその信念がを自覚するだけでも少し信念が弱くなって外しやすい状態になっています。
自分の感情と言い分を吐き出す
あなたはこれまで様々な場面で傷ついたり不快な思いをしたり、 他人に何かを言われても言い返せずに我慢したりすることもあったと思います。
あなたの無意識の中に様々な感情、言いたいことが未消化のまま残っています。
それがあると他人からなにか言われた時に、溜め込んでいたものが一気に爆発して怒りが湧いてきたりします。
どんなことでも良いのでどんな汚い言葉でも良いのであなたの本音、言い分、感情を表す言葉を正直に紙に書きなぐってください。
あー、俺はどうせダメな人間だ、どうせ俺はクズなんだ、どうせ何をやってもダメだ
あのクソ野郎嫌味を言いやがって○ね! てめーの言葉でどれだけ傷ついたと思ってるんだ
痩せたい!なんで痩せないんだ!デブだと思われたくない!嫌だ嫌だ!
ああああああああああ!!うわあああ!!とか感情を表す言葉でも構いません。
このような感じですっきりするまで紙に書き出してください。
本物の自己肯定の信念を養う
これまでにあなたが持っている否定的な信念を自覚しそして今まで溜め込んでいた感情の吐き出しを行いました。 そうすることで信念や感情が弱くなっていて 自己肯定の信念を養い安くなります。
そうしたら、本物の(無条件の)自己肯定の信念を養っていきましょう
どんな自分であっても、価値がある、素晴らしい、愛されている、大切な存在です存在である
地位、学歴、実績などがあるからでも、他人から評価されたからや褒められたからではなく、欠点だと感じる事も含めて、自分は素晴らしい、価値がある、魅力があるとと認める、受け入れるということです。
太っていることにコンプレックスを抱いていたとしても
そんな自分でもいいよね、そんな自分でも個性があって可愛いよね
それが出来ない場合は、今は受け入れられなくても仕方ない、という形でできるだけ今の自分を肯定してあげます。
太っている自分が嫌だから痩せるのではなく、 他に自分がそうなりたいから痩せると言ったように前向きな形に変わっていきます。
本物の自己肯定感の養うには、こちらの記事を参考に行ってください。