嫌なことが自然と忘れられるようになる方法についてお伝えします。
嫌なことが忘れられないのには原因があります。その原因を解消することで自然と気にならなくなってきます。
僕自身も以前は嫌なことを何度も思い出して頭から離れないということが良くありましたが、今ではほとんどなくなりました。
嫌なことが忘れられない原因の解消法や、目先の嫌なことをすぐに忘れられる簡単なワークのやり方も紹介します。
嫌なことが忘れられない3つの原因
嫌なことに対して感情が未消化のままになっている
嫌なことを考えてしまう原因は感情にあります。
嫌な感情が湧き上がってくるからそのことを考え続けてしまうんですね。
嫌なことに対して感情的に消化できていないから、何度も湧き上がってきて嫌なことを考えてしまうのです。
例えば、人に嫌なことを言われると屈辱感、劣等感などが湧き上がってくると思います。
その嫌な感情を感じたくない、認めたくないので頭の中で言い返したり、相手を責めるなどあれこれ考えることで紛らわそうとします。
また「自分の何が悪かったんだろう、なんであんなこと言われたんだろう」とあれこれ頭で思考してしまいます。
すると感情が消化されず未消化のまま残ってしまいます。
そのため再び湧き上がってくるので、嫌な気持ちになってあれこれ考えてしまうというループに陥るのです。
湧き上がってきた感情はその場できちんと感じるか、外に向かって表現することでエネルギーが消化されて解消されます。
嫌なことに対する感情を消化してしまえば湧き上がってこなくなるので、嫌なことを思い出して考えることもなくなります。
感情を感じきったり外に表現して解消するワークのやり方は後述します。
過去の嫌なことや人に対する感情が未消化のままになっている
先ほど嫌なことが忘れられないのは、嫌なことに対する感情が未消化のままになっているからだと述べました。
過去の嫌なことや嫌なことをした人に対する感情が抑圧されたまま未消化の状態になっていると、些細なことで感情が蘇ってきて嫌なことを考えてしまいます。
幼少期の親に対する感情が未消化のまま残っていることも少なくありません。
例えば、親に否定されて悲しみ、劣等感、絶望を感じたが、それを認めて感じるのは苦しいので抑圧してしまうことがあります。
するとその感情を刺激するような出来事があると湧き上がってきくるのであれこれ考えてしまうのです。
また、抑圧された感情があると脳がそれを解消しようとして、無意識に感情を誘発する嫌な出来事を呼び寄せるような言動をしてしまいます。
過去の抑圧された未消化の感情を解消することで、嫌な感情が湧き上がってくることがなくなり嫌なことを考えることもなくなってきます。
自己否定やネガティブな信念がある
感情を湧き上がらせる元になるのは信念です。
ネガティブな信念を持っているからネガティブな感情が湧き上がってくるわけです。
例えば、人から「前より太りましたね」と言われたことに対して「侮辱された、馬鹿にされた」という解釈をする(そう信じる)と、屈辱感や劣等感とそれに伴う怒りが湧いてきます。
太ることは醜い、太った自分はダメだと信じているから、侮辱された、馬鹿にされたと感じるんですね。
また自己否定の信念があると、些細なことを否定的に受け取ってしまい、嫌な感情が湧き上がってきます。
それを紛らわそうとして頭の中で相手を罵倒したり、自分を正当化したり、反省会や自分責めなどの考えが頭から離れなくなるのです。
ネガティブな信念はネガティブな意味付けがされたままの過去の体験の記憶から来ています。
心理ワークで記憶を処置することで自己否定及びネガティブな信念を外していきます。
そしてそのままの自分を自己受容をしていきます。
すると自己否定による不快な感情が湧いてこなくなり、そのままの自分を認めて受け入れているので人に何か言われても否定されたと感じにくくなります。
だから嫌なことを考えることも自然と少なくなってきます。
嫌なことを考えてしまう原因の感情を解消するワーク
まずは嫌なことを考えてしまう原因の未消化の感情を解消してしまいましょう。
感情はその場できちんと感じきるか外に表現することで解消されると述べました。
感情の解消を簡単にできて効果的なワークを3つ紹介します。
感情をその場で感じ切るワーク
嫌なことが頭に浮かんできたら、その時に湧き上がってくる感情を抵抗したり思考をせずにただ純粋に感じてください。
不快感やもやもや、不安や恐怖や怒り、感情を生じさせている裏側にある本当の感情を感じてください。
怒りを感じているならば怒る理由となる感情があるはずです。
人から嫌なことを言われて悲しかった、悔しかった、屈辱を感じたから怒るのだと思います。
それこそがあなたが感じている純粋な感情です。
不快感やモヤモヤに意識を向け「ああ、自分は嫌なことを言われて悔しかったんだな、屈辱を感じているんだな」と感じてください。
「ああ、今自分はこのような感情を感じてるんだな」ともう一人の自分が見ているような感覚で淡々と感じるのがコツです。
認めたくないという抵抗が出てくる場合は「そうだよね、認めたくないよね、辛いよね」とその気持ちも感じて共感してください。
胸のあたりの深い感に意識を向けたり手を当てても構いません。
そのまま2~3分くらい感じて、感情が落ち着いたり弱くなってきたら終了してください。
感情が収まらなくても2~3分くらいで終了してください。
その場では収まっていなくてもきちんと感じた分は消化されています。
表面に残っているのは残像のようなもので後になったら消えていることもよくあります。
感情が収まらない、何度も湧き上がってくる場合は、感情を溜め込んでいるか、感情を湧き上がらせる源泉である抑圧された感情やネガティブな信念があるので後述のワークで解消しましょう。
感情を表現して外に表現して解消するワーク
感情を誰にも迷惑をかけずに外に表現する簡単で効果的な方法は紙に書きなぐるということです。
紙は鉛筆を用意してください。
そして、嫌なことを思い出して湧き上がってくる感情や思考の内容をそのまま言葉として書き殴ってください。
あのクソ上司が言い方ってもんがあるだろ、みんなの前で言わなくてもいいだろうが恥をかかせるためにわざと言ってんだろ、てめえの人生がうまくいってねえからってネチネチ発散してんだろクソが
あーなんであんなことを言ってしまったんだ、絶対変だと思われた、キモいと思われているに違いない、あー恥ずかしい恥ずかしいやだやだやだあの過去を消したい消えたい消えたい
このように嫌なことを考えて頭に浮かんでくる思考の内容をそのまま書きなぐってください。
あまり自分から感情を込めたり感情と同化せず、湧き上がってくるのを外に吐き出すように淡々と行ってください。
感情が収まってきて書く意欲がなくなってきたら終了してください。
そして書き出した紙を見ながら「なるほど、自分はこのように感じてこのように思っていたんだ」と第三者視点で淡々と認めて受け入れてください。
書いた内容には自分が持っていた感情や信念が露わになっているので、後で解消するためにメモしておきましょう。
書いた紙はビリビリに破ったり水に浸してぐちゃぐちゃにして読めないようにして丸めて捨ください。ビリビリに破ってゴミ箱に叩きつける行為も感情を手放す行為になります。
表面に湧き上がってくる嫌な感情をその場で手放すワーク
嫌なこと思い出して嫌な気持ちになったらこのワークを行うと、すぐに感情が消えて元のニュートラルな気持ちに戻ります。
外出先でもできて慣れると1回20秒ぐらいで簡単にできてとても効果的なワークです。
このワークは表面に湧き上がってきた嫌な感情をその場で手放し、解消することができます。
嫌なことをグルグルと考えてしまっていても、このワークを行うとピタッと止まります。
感情を溜め込んでいたり、自己否定など感情を湧き上がらせる信念がそのままになっていると何度も湧き上がってきますが、そのたびに解消していると玉ねぎの薄皮を剥がすように少しずつ解消されていきます。
このワークは
嫌なことが起こっている最中や直後
トラウマから来る強い感情
には向きません。
ワークはセドナメソッドとマインドブロックバスターというワークです。
どちらも原理や効果はほとんど変わりません。
両方試してみて自分に合う、効果がある方で行ってください。


嫌なことを考えてしまう原因の信念を解消するワーク
嫌なことを考えてしまう原因の、嫌な感情を生じさせる元となるネガティブな信念を心理ワークで解消します。
嫌なことを考えてしまう原因の信念と感情を洗い出す
次の質問に答えてください
質問1.あなたが考えてしまう嫌なこととはどのようなことですか?
例:上司に怒られたこと
質問2.質問1で書き出した嫌なことを考えている時どのような感情が湧き上がってきますか?
例:悔しさ、屈辱、劣等感、惨めさ、怒り、不満、反抗心
質問3.質問2で書き出したような感情を強く感じた過去の体験が他にあれば思い出せる範囲で書き出してください。
特に幼少期にの親子関係でこのような感情を感じていなかったかを重点的に思い出してください。
過去の体験の感情が未完了になっているため脳が嫌なことを呼び寄せ、その感情を感じさせることで解消しようとしている可能性が高いからです。
例えば、例であげた上司に怒られたことが頭から離れない原因が、幼少期に父親に怒られたことで感じた屈辱や怒りや反抗心が未解消のままになっていることが原因ということがあります。
脳が未完了の感情を解消させるために、無意識にミスや失敗をして上司を怒らせようとする
父親に対する嫌悪感や怒りが、父親に似たタイプの年上の男性にである上司に投影されて上司に嫌悪感を感じているので相手からも敵意を持たれてしまう
怒られるのではとビクビク怯えてそれが余計に上司をイライラさせてしまったりということがあるからです。
嫌なことを考えてしまう原因の信念をワークで解消する
ネガティブな信念はネガティブな意味付けがされたままになっている過去の体験の記憶から来ていると述べました。
心理ワークを用いて
過去の体験をやり直す
記憶に対する解釈や意味付けを変える
過去の体験から気づきや学びを得て良い記憶に昇華させる
未完了の感情を解消する、心の傷を癒す
記憶を無力化する
といったことをすることでネガティブな信念が解消されます。
そうするとネガティブな感情が湧き上がってこなくなるので嫌なことを考えることが少なくなってきます。
記憶を処置して信念を書き換えるワークの具体的なやり方はこちらの記事を参考に実践してください。
なかなか嫌なことが忘れられない時は
なかなか嫌なことが忘れられないのは
嫌なことに対する感情を手放したくない、抵抗している、今のままでいたいと思っている
嫌なことを考えていると気が紛れるので中毒のようになってしまっている
過去の抑圧された未完了の感情が残っている
自己否定などのネガティブな信念が解消されていない
などが考えられます。
嫌なことを考えるのが苦痛なのに、一方でどこか落ち着く、習慣のようになってしまっていないでしょうか。
あれこれ思考することで裏にある本当に感じている感情を感じなくて済むからです。
どうせ自分なんかといじけていることで、現実と向き合わなくて済むというメリットもあります。
頭の中で言い訳したり、他人を責めたり、自分を正当化などすると嫌な感情が紛れます。お酒を飲んで嫌なことを紛らわそうとするのと同じで心地よいのです。
嫌なことをした相手を許したくない、責めていたい、被害者のままでいたいと手放すことに抵抗している場合があります。
自己否定があると自分を責めたり反省会などをしていると信念と合致するので心地良く感じます。
この辺りの感情や気持ちが出てきたら、否定や抵抗せずに「嫌なことを考えてしまうのも仕方ないよね」「あんな人許したくないよね」と受け入れて共感してあげましょう。
感情は受け入れて共感してあげると弱くなっていきます。
そして少しずつ自分が本当に感じている感情や感情の元となっている自己否定などのネガティブな信念を解消していきましょう。