人と会った後に「不快にさせなかったかな、変に思われたかな」とぐるぐると一人反省会が止まらず苦しいです。どうしたら止められますか?
- 自分の些細な言動へのダメ出しや反省が止まらない
- ミスや失敗をなぜああしなかったのかと悔やみ続ける
- 過去の言動を思い出して恥ずかしさで悶絶する
- 自分を責めや自己否定が止まらない
今回は一人反省会(反芻思考)をしてしまう原因と自然とやめる方法についてお伝えします。
僕自身も以前は些細なことで反芻思考が止まりませんでしたが、今はほとんどなくなりました。
自分の言動がどう思われるかがそんなに気にならなくなり、ミスや失敗をしても後に引かず「あーやっちゃったな、次からは気をつけよう」程度で終わるようになりました。
一人反省会をしてしまう原因
一人反省会(反芻思考)をしてしまうのは、嫌われたのでは変に思われたのではという不安や恐怖などの感情が元になっています。
なので一人反省会をしてしまう原因は
- 不安や恐怖心などを湧き上がらせる元となる信念
- 抑圧された未完了の感情
にあります。
不安や恐怖心などを湧き上がらせる元となる信念
反芻思考をする人は、その裏に自己否定、劣等感、罪悪感、対人恐怖(人から嫌われる、怒られる、否定される、バカにされる、裏切られる、仲間はずれにされる、見捨てられる)などの信念を持っています。
それから「人を不快にさせてはいけない、迷惑はかけてはいけない」といった「こうあるべき、こうあってはならない」という自分を縛るような信念を持っています。
だから自分の些細な言動で「人を不快にさせたのではないか、嫌われたのではないか」と不安、恐怖、後悔や罪悪感など湧いてきて、反芻思考が止まらなくなるのです。
これらの信念は主に幼少期~思春期の人間関係や体験により作られます。
親が怖い人で、いつも顔色を伺っていた
いい子にしていないと親が不機嫌になった
親に話しかけたら「うるさい!静かにしてなさい!」と怒られた
などの体験から「自分の言動で相手を不機嫌にさせてしまうのではないか」という不安や恐怖が湧いてくるようになった
親から育てられる中で言われた
「ルールや規則は必ず守り、人に迷惑をかけてはいけない」
「みんなと仲良くしなさい」
「真面目で立派ないい子になりなさい」
「そんなことしちゃダメでしょ!いい子にしてなさい」
「またそんなことして!お母さんに恥ずかしい思いをさせないで」
こういった一言一言が暗示となり
「人を不快にさせてはいけない、自分の言動で人を不快にさせてしまったのではないか」
「自分は恥ずかしい、ダメで悪い子だ、いい子にしていないと嫌われてしまう」
という強迫観念のようになってしまいます。
それから幼少期や思春期のミスや失敗をして怒られた、ダメ出しされた、笑われた体験
親や他人から嫌われた、拒絶された、否定された、見捨てられた、無視された、仲間はずれにされた、他人と比較されたと感じた体験
などから「嫌われた、拒絶されたのでは」という不安や恐怖が湧いてきて反芻思考をしてしまうのです。
ですので、不安や恐怖を湧きあがらせる元となっている信念を特定して心理ワークで解消、書き換えを行ないます。
抑圧された未完了の感情
嫌われる、不快にさせたのではという不安や恐怖などの感情が湧いてくるから反芻思考をしてしまうと述べました。
このような不安や恐怖を感じるのは苦痛なので、多くの人が我慢したり、他のことで気を紛らわしたりしてなかったことにしてしまいます。
すると感情が解消されずにどんどん無意識下に溜まってしまい、脳がそれを解消しようとして不快な感情を湧き上がらせます。
些細なことで抑圧している不安や恐怖など感情が刺激されて蘇ってくるため「あんなことを言って変に思われたのではないか」と思考がぐるぐると止まらなくなってしまうのです。
しかし、反芻思考してぐるぐるとこねくり回しても感情は消化されません。むしろ増幅されてしまいます。
不安や恐怖などの感情が湧き上がってきた時には、我慢、他のことで気を紛らわす、反芻思考などをせずに、その場で消化してしまうことが大切です。
不安や恐怖などの感情を感じた時にはその場でワークを行なって消化します。
反芻思考を自然にやめるための実践ワーク
無意識下の否定的な信じ込みをと未完了の感情を洗い出す
反芻思考の原因である
- 無意識下の否定的な信じ込み(自己否定、対人恐怖、劣等感、罪悪感、こうあるべきこうあってはならないという自分を縛る信念など)
- 抑圧された未完了の感情
を洗い出します。
次の質問に答えてください。
質問1.あなたは一人反省会(反芻思考)をしている時、いつもどのような思いや考えが湧き上がってきますか?
例:なんであんなこと言ったんだ、相手を不快にさせ嫌われたのではないか
自分はなんてダメな人間なんだ
質問2.質問1で書き出した内容はどのような信念と感情から来ていますか?
例:信念 → 自分のせいで怒らせてしまう、自分はバカで無能だ
感情 → 恥ずかしい、情けない、劣等感、不安、恐怖
質問3.あなたは自分をどのような人間だと思っていますか?また他人からどのような人間だと思われていると思いますか?自分の言動、性格、能力、容姿、経歴、生い立ちなど、自分をどのように、他人からどのように思われていると思うかを書き出してください。
質問4.あなたが自分のこんなところが嫌い、ダメだ、許せない、恥ずかしい、情けない、みっともないなど否定的に感じるところがあれば書き出してください。
質問5.あなたはなぜ質問1~4で書き出したようなことをいつ頃から思うようになりましたか?また感じるようになったきっかけとなる体験があれば書き出してください。
幼少期からそのように感じていた場合は幼少期の親子関係が原因になっていることがほとんどです。
思いや感情を紙に書き殴る
紙と鉛筆を用意してください。
そしていつも一人反省会(反芻思考)している時に湧き上がってくる思考をそのまま紙に書きなぐります。
なんであんなことを言ってしまったんだ、不快にさせたよな、嫌われたかも、またやってしまった、自分はなんてダメな奴なんだ
うわぁ恥ずかしい、変に思われたのではないか、恥ずかしすぎるうわあああああ!取り消したい、消えたい
といったように湧き上がってくるままに書きなぐってください。
無理に感情を込めたり感情と同化せずに反芻思考をしている自分を第三者視点で見るような感じで出てくるうちから湧き上がってくるものをただ淡々と書きなぐります。
感情が収まって意欲がなくなってきて終了してください。
これをやることで感情を表現して感じることで消化するとともに、書き出した内容を改めて見ることで「自分はこのような思いや信念、感情を持っていたのだ」と自覚することができます。
書き出した紙を見てください。
そして良い、悪い、こんなの駄目だとか判断せずに「なるほど、自分はこのように思ってこのように感じていたのか」と第三者視点で見るように淡々と受け入れて認めてください。
これをすることで思いや感情と同化していたのが、俯瞰して他人ごとのように見ることができます。
人は自覚して受け入れたものでないと手放すことができないので、改めて自分がこのような思考や思いや感情を持っていたんだと自覚することで手放しやすくなります。
この紙に書き出すワークは、感情を溜め込まずにその場で解消するワークの一つになります。反芻思考が起こった時にやってみてください。
一人反省会(反芻思考)の原因の否定的な信念と未完了の感情を解消するワーク
改めて先ほどの質問に答えた内容と、思考の内容をそのまま紙に書き出した内容を見てください。
そこにはあなたが持っていた信念や感情、そしてそれらがいつ頃からどんな体験により持ってしまったのかがだいたい明らかになっていると思います。
これを元にして心理ワークで信念や感情を解消していきます。
否定的な信念や感情は過去の体験の記憶に紐付いています。
体験の記憶:母親から「またそんなことして!お母さんに恥ずかしい思いをさせないで」と怒られた
信念:自分は恥ずかしい存在だ、自分の言動は相手を不快にさせる
湧き上がる感情:羞恥心、劣等感、(怒られる、不快にさせる、恥をかくことへの)不安、恐怖
心理ワークで無意識下にアクセスして過去の記憶を処置することで、信じ込みを外したり心の傷を癒していきます。
心理ワークで
記憶の内容を変更する、新しい体験にやり直す
記憶に対して意味付けを変える
過去の体験から学びや気づきを得て良い記憶に昇華させる
記憶を無力化して思い出しても何でもない記憶に変化させる
幼少期の傷ついたままになっている自分自身を癒す
ということを行ないます。
すると、先ほどの例であれば
自分は恥ずかしい存在だ、自分の言動は相手を不快にさせる
という信念が外れ
羞恥心、劣等感、(怒られる、不快にさせる、恥をかくことへの)不安、恐怖
もなくなっていきます。
なので自然と反芻思考をすることがなくなります。
反芻思考の原因ってあるメンタルブロックを解消するワークの具体的なやり方はこちらの記事を参考にしてください。
溜め込んでいた感情や新たに生じた感情をその場で消化するワーク
前述の通り一人反省会をしてぐるぐると思考を思い巡らせても、原因の感情は解消されません。それどころか増幅したり無意識下に抑圧されて残ったままになってしまいます。
そしてそれが何かの拍子に再び湧き上がってきて反芻思考してしまうということになってしまいます。
ですので
日々の体験で生じるネガティブな感情
過去の体験で生じて未完了のまま未消化のまま残っている感情
これらをワークを用いて、湧き上がってきた時にその場で紹介してしまいます。
その場で湧き上がってくるネガティブな感情をその場で消化するやり方はいくつかあります。メンタルブロックの解消のところで紹介した感情や思いをそのまま紙に書き出すというのもその一つです。
その他にも外出先でも簡単にできてとても効果的なワークをいくつか紹介するので、感情の内容や自分がやりやすい効果を感じるやり方で行ってください。
湧き上がってくる不快な感情をその場で消化するワークの具体的なやり方はこちらの記事を参考にしてください。
反芻思考を解消するには自己受容と自己肯定感を養うことが大切
一人反省会をしてしまう人は強い自己否定を持っていることがほとんどです。
反芻思考自体が自分をダメだと責めるような行為だからです。
自分はダメで無価値な存在だ
自分は嫌われる存在だ
自分は恥ずかしい存在だ
このような自己否定の信念があるから、一人反省会をしてしまうんですね。
先ほどのワークで否定的な信念を解消してブレーキを外したら、今度はワークでプラスの方向に自己受容して自己肯定感を養っていきます。
自己受容と本物の自己肯定感とは、自分の長所や何かができる自分だけでなく、欠点やダメなところ、できない、情けない、弱い自分、腹黒い自分も含めて「それが自分なのだ」と認めて受け入れることです。
自分の言動や何かができるできない、何かを持っている持っていないなどの条件と自分の価値を結びつけていない状態です。
自己受容ができて自己肯定感が養われてくると、どんな自分でもOK、どんな自分でも価値がある、存在していていいと受け入れることができるようになるので、反芻思考して反省したり自分を責めたりということが自然とやらなくなります。
自己受容ができると、自分の言動やミスや失敗をしたことと自分の存在価値を結びつけなくなります。
自分の言動を自分の存在価値にまで結びつけてしまうから、些細なことで自己否定をして苦しくなってしまうんですね。
自己受容ができるようになると、何かミスをして失敗しても「なるほど、自分にはここが足りなかったのか、ならこういう能力を身につけるために勉強しよう」とポジティブに考えられるようになります。
自己受容と自己肯定感を養うワークのやり方はこちらの記事を参考に実践してください。
なかなか変化が起こらない時は
今まで何十年と自己否定、劣等感や対人恐怖などのなどが強かったり、感情を溜め込んでいた人は正しくワークを行なってもすぐに反芻思考が止まらないかもしれません。
無意識に入ってしまったネガティブな信じ込みや感情がたくさんあってそれが少しずつクリアになっていくからです。
それから、脳は今の自分や習慣を維持する働きがあるので、一気に変化しようとすると抵抗ややる気がなくなったり邪魔が入ったりすることもあります。
また変化に対して無意識に抵抗している場合もあります。
例えば、対人恐怖を治したいけど、治したら人とたくさん接しなければならない、自信がない、傷付くのが怖いと思っていたりするからです。
そんな時は、何が怖いのかを探り、その裏にある思い込みや感情を解消しましょう。
傷ついている自分、傷つくことを恐れている自分をインナーチャイルドワークなどで癒してあげましょう。
ワークを行っていると最初は無意識に抑圧して抑えていたものが表に出てくるので一時的に感情が強くなったりすることもあります。
また一時的に良くなってもリバウンドのように再び出てくることもあります。
それも好転反応のようなもので良くなっていく過程に起こることです。
それでも否定的な信念や未完了の感情を少しずつでも解消し自己受容して自己肯定感を養っていくうちにだんだん、一人反省会をすることが減っていきます。
そして気がついたら反芻思考ほとんどしなくなるという状態になります。
僕自身は、一人反省会をやめるためではなく対人恐怖や自己否定による苦しみを解消するために上記で紹介したようなワークを行いました。
だから最初は自分が一人反省会をしなくなっていることに気づきませんでした。
いつのまにか自然としなくなって、しないのか当たり前になっていたからです。
しないのが当たり前になっていたので自分でも気づかなかったです。
気づいたのはだいぶ経ってからです。あれ?そういえばここ2~3年反芻思考した記憶がないなとふと気づきました。
反芻思考癖が治ると人間関係も良好になります。
嫌われるのを恐れてビクビクしたり、気を使って無理にいい人を演じたり、自分を偽ることもなくなり、自然体の自分で人と接することができるようになるのからです。
無意識を変えていくことで自分が変化していきますので、少しずつ変化していきましょう。