あなたは会話を上達させようとして
書籍やYouTubeで会話ノウハウを学んだり
なるべく人前に出て積極的に話すようにしたり
人によっては話し方教室などに通ったり
努力をしていると思います。
しかし、ほとんど上達した実感がないという人が多いのではないでしょうか。
それには理由があります。
会話を学んでいるのに上達しない原因
あなたが会話を学んで場数を踏んでも一向に上達しないのは
- 知識だけでスキルとして身に付いていない(準備、練習不足)
- 心理的なブレーキを掛けたまま会話をしようとしている
この2つに大きな原因があります。
これからその2つについて理由を詳しく解説します。
場数を踏んだだけでは会話が上達しない理由
よく「会話力を上げるには場数を踏みなさい」と言われますが本当でしょうか。
ただ場数を踏むごとに上達するなら、5年前のあなたより今のあなたの方が会話が上手いはずです。
僕も子供の頃よりたくさん場数を踏んでいるはずなのに、むしろ会話が下手になっていると感じていました。
場数を踏んでも上達しない理由1.今の自分のままでやみくもに場数を踏んでいる
たくさん場数を踏めば、慣れて緊張しなくなり自信が付くことで本来の実力は発揮できます。
しかし、人は自分の能力、自分の中にある以上のものは本番では出せません。
会話力が3のままやみくもに場数を踏んでも、3のままです。
場数を踏んでも上達しない理由2.練習や準備をせずに会話をしている
練習をせずにただ場数を踏んでもあまり上達は見込めません。
どんなことでも本番前には反射的にできるようになるまで練習をすると思います。
それなのに会話となると、準備や練習を積んでから本番に臨む人はほとんどいないように感じます。
書籍などで知識を入れても、練習して反射的にできるようにならないと本番では使いこなせません。
何を話そうと考えながらぎこちなくなって、以前より会話が1~2往復続いた程度で終わってしまいます。
場数を踏んでも上達しない理由3.心理的ブレーキをかけたまま会話をしている
「嫌われるのでは」「相手を不機嫌にさせるのでは」といった思い込みからくる心理的なブレーキを掛けていたら、緊張で会話どころではなくなってしまいます。
人を恐れながら場数を踏んでも、疲れて嫌になってしまいます。
上手く話せるかどうかは会話をする前に決まっている
みんな会話中に何を話そうと考えたり、上手く話そうとします。
しかし、本番中に何とかしようとしてももう手遅れです。
例えば、ピアノの練習していないのに、本番の舞台でなんとか上手に弾こうとがんばっても無理ですよね。
本番前に結果は目に見えています。
あなたが会話でやっているのはこれと一緒です。
本番の会話では今のあなたの実力以上のことは出せません。
会話も楽器やスポーツと同じように本番前、つまり人と話す前に反射的に言葉が出てくるぐらいにスキルが身に付いていないと話せないんですね。
会話を上達させるには、会話の知識を学習し、何を話すかを考えて準備し、話せるように練習しておくことが必要です。
そして、対人恐怖などの心理的なブレーキがある人はある程度でも外しておくことが重要です。
会話ノウハウ、ネタ、話題を覚えただけでは使えない
多くの人が会話を上達させようとして、会話のノウハウやテクニックを学び、知識、ネタ、話題を増やそうとします。
しかし、それらを知っていること、それらを使って上手に会話できるかは全く別です。
知っているだけでできるのであれば、テレビやラジオでお手本の会話を何十年も聴いてきているあなたは流暢に会話ができるはずです。
日本語の読み書きができることと会話は全く別物です。
今まで会話が苦手でしてこなかった人は、学習と練習をして体得する必要があります。
何かを体得するまでには4段階のレベルがあります。
1.無意識的無能(知らないからできない)
会話やコミュニケーションの知識がない状態で、何を話したらよいか、どう接すれば良好な関係が築けるのかが分からないのでできません。コミュ障さんの多くがこの段階です。書籍やYouTube等で少し会話を学んだだけの人もここに該当します。(ほとんどが忘れてしまうため)
2.意識的無能(知っているけどできない)
知識としては頭に入っているけど、それを実践することができない状態です。自転車の乗り方という本を丸暗記して知識はあるけど乗れないという状態です。知識を学んだだけで十分に練習していない、メンタルブロック(人や話すことに心理的ブレーキがある)などが原因です。勉強したりがんばってるのに治らない人はここに該当します。
3.意識的有能(意識すればできる)
頭で考えたりがんばればできる状態です。できるけど慣れておらずまだぎこちない感じです。がんばればそれなりに上手に会話やコミュニケーションができる、できるけど緊張や気を使いすぎて疲れる人はここに該当します。コミュ障さんにはここで悩んでいる人も多いです。
4.無意識的有能(無意識にできる)
頭で考えなくてもノンバーバルも含めて適切な言葉が無意識にスラスラと出てくる状態です。意識しなくても自転車に乗れるのと同じ状態です。緊張することなく自然体でリラックスしてできるのであまり疲れません。
コミュ障が治らない人は、ほとんどの人が1か2の状態でがんばっています。
知識として頭に入っていてもなぜできないのかと言うと、反射的に言葉が出てくるようになるまでアウトプット練習をしていないからです。
また、フレーズだけ知っていても、言う状況、相手、タイミング、間、表情、口調、抑揚なども含めて体得できていないと意味がありません。
あるフレーズを変なタイミングでボソッと言っても盛り上がらないし、むしろ逆効果、空気の読めない人としてドン引きされてしまうこともあります。
表情、口調、抑揚なども含めて練習をしておかなければ本番では使えません。
ノンバーバル(表情、口調、抑揚、感情表現、イントネーションなど)が苦手な人は、ノンバーバル強化トレーニングもしておく必要があります。
それと学んだり体得したことを人前でできないのはメンタルブロックによる心理的なブレーキが原因です。
心理的なブレーキがかかっていると上手に会話ができない
知識やスキルがあっても、本番でうまくできるかどうかはメンタルに大きく左右されます。
いくら会話の引き出しが豊富にあっても、嫌われる、人が怖い、といった思い込みがあると、脳が警戒モードになって緊張するため会話どころではありません。
あなたも、人前に出ると言葉が出てこない、頭が真っ白になって飛んでしまったなんてことはないでしょうか。
また、家族や仲の良い友達とは流暢に会話ができるのに、それ以外の人になると全く会話ができなくなった経験がないでしょうか。
これはスキル的な問題ではなくメンタル(無意識下の信じ込み)に原因があるということです。
仮にできたとしても、ブレーキを掛けながら無理にやっているので、緊張や気を使いすぎてヘトヘトになってしまいます。
練習した通りに会話をするには、心理ワークでメンタルブレーキを外しておくことが大切になります。
これは場数を踏み、成功体験を積むことでも克服できることはありますが、対人恐怖レベルの人は逆効果になることもあります。
ブレーキを掛けながら無理に場数を踏んでも、メンタルを病んだり失敗で嫌になってますます話すのが怖くなってしまうことがあるからです。
心理ワークやセラピーでメンタルブレーキを解消しておくことが大切です。
会話を上達させるには
準備と繰り返しアウトプット練習をする
会話も楽器やスポーツなどと一緒で、本番前の準備と練習が重要だと述べました。
と言っても書籍やネットで会話ノウハウ、コツ、ネタ、話題などを頭で覚えるだけではダメです。
“ピアノ上達法”をという本を読んで、いろんな曲の楽譜を暗記しても弾けるようにはならないですよね。
元々会話のスキルがある人は知識を活かして話せるようになるでしょう。しかし、スキルがないコミュ障や口下手な人はそれだけでは話せません。
学んだノウハウに沿って話す内容を考えて準備したり、様々なフレーズやパターンを暗記して、ノンバーバルも含めて繰り返し声に出して練習しておきます。
会話は話す内容よりもノンバーバル(表情、声の大きさ、抑揚、アクセント、言い方など)が何倍も重要です。
ですので練習は単に字面を追うだけではなく、本番さながらの口調、イントネーション、表情で行なわなければ意味がありません。
本番で何も考えずに反射的に出てくるくらいまで繰り返し練習しておきます。
様々な会話のパターンやフレーズを練習しておくと、脳のネットワークが強化されて、覚えたフレーズ以外もアドリブで出てくるようになります。
ピアノのアドリブ演奏ができる人も、ランダムで弾いてるわけではなく、様々なフレーズやパターンを指(脳)が覚えていて、それらの組み合わせや応用的なフレーズを即興で演奏しているんですね。
会話力がスキルとして身につくまでには楽器やスポーツと一緒で時間がかかります。
書籍やYouTubeで学んだり会話教室に通っても上達しないのかは、他のことスポーツや楽器演奏に置き換えてみればわかると思います。
上達しない原因はインプットだけでアウトプット練習を行なっていない、または練習時間が足りていないということです。
一人でできるだけ毎日練習する必要があります。
会話も同じで、上達を実感するには数ヶ月~1年単位で地道な学習と練習が必要です。
一人でできる会話の学習法と練習法はこちらの記事を参考にしてください。
人や話すことへの心理的なブレーキを外す
いくら会話のノウハウやスキルがあっても身についていても、人と話すことに心理的なブレーキをかけていたらうまく話せません。
これは、過去の体験から持ってしまった「自分は嫌われる、怒られる、ダメで無価値な人間だ」と言ったネガティブな思い込みが原因です。
例えば、幼少期に親に話しかけたら「うるさい!今忙しいんだからあっちに行ってなさい!」と怒られた体験から「自分が話しかけると相手を不機嫌にさせて怒られる」という思い込みを持ち、話かけようとすると恐怖心が湧いてしまいます。
自分が話しかけると相手を不機嫌にさせてしまう
自分は人から嫌われる
拒絶された、自分は受け入れてもらえない存在なんだ
そんな自分はダメで無価値な存在なんだ
このような暗示が無意識に入ってしまうことがあります。これが大人になっても解消されていないと
人と接した時に反射的に嫌われるのでは自分のせいで不機嫌にさせてしまうのでは
とビクビクしてしまうのです。
これは自分がどのような心理的なブレーキとなる信じ込みを持っているのかを洗い出してそれを心理ワークやセラピーで解消します。
そしたら今度はプラスの方向に自己受容を行っていきます。
結局他人に過去に他人から否定されたり拒絶されたなどの体験から
自分自身自分は無価値な人間なんだと自己否定を持ってしまっているところに原因があるのです。
心理ワークやセラピーで自己否定の信念を解除して、自分でそのままの自分を受け入れていく字を自己受容のワークを行っていきます。
自分はそのままでも素晴らしいんだ価値があるんだ、と無意識レベルで思い込めるようになり自信に満ち溢れるようになります。
自己否定をしていて自分に自信がないから、他人の評価が気になったり一喜一憂してしまうんですね。
少し否定されるとやっぱり自分は価値がないんだとネガティブになってしまいます。
自分でどんな自分でも価値があると思えていれば、他人の評価でメンタルがぶれなくなります。
そうすることで人と接した時に嫌われるのではなどの思いが湧いてこなくなります。
なので自信を持って自然体で人とリラックスして人と接することができるので、流暢に会話をすることができるようになります。
メンタルブロックを解消するにはこちらの記事を参考に実践してください。