一人で行なうタイムラインセラピーの解説とやり方をお伝えします。
他人に誘導してもらう方法もありますが一人でできます。
タイムラインセラピーの概要と効果
タイムラインセラピーとは、過去の体験に起因する、人間関係、恋愛、仕事、性格、目標や夢が叶わない、心の苦痛、様々な心身の病気などの問題を作っている心理的原因を解消します。
・過去の失敗などの体験の記憶からくる心理的ブレーキ、抵抗感、恐怖心
・自分は価値がない、誰にも愛されない、暗くつまらない人間だといった信じ込み
・いつもうまくいかないパターンを繰り返してしまう無意識の思い込み、性格の癖
等を弱なったり、消滅してポジティブなものに置き換わります。
すると、今までうまくいかなかった人間関係、恋愛、仕事がなぜかうまくいくようになったり、苦手と思っていたことがスムーズにできるようになったり、やりたかったことや夢や目標が叶っていくなど、あなたが望むような人生に変化していきます。
あなたの人生は過去の体験の記憶に対する信じ込みからできています。
例えば、あなたが人前で話すのが苦手で、人前で話す場面になると足が震えて頭が真っ白になって言葉が出てこなくなるという悩みを持っているとします。
その原因は過去の何らかの体験、例えば小学校の頃に授業中に発表してつっかえてしまい、みんなに笑われて恥ずかしい思いをしたという記憶と記憶に対する信じ込みにあります。
体験の記憶に「失敗した」「みんなに笑われて馬鹿にされ恥をかいた」「自分は人前で話すのが苦手だ」といった否定的な意味づけをした(そう信じ込んだ)まま持ち続けていると、それは脳にとっての命令となり、無意識のうちにあなたを信じ込み通りに強制的に行動をさせようとします。
似たような場面になると、また失敗して恥をかくのではと恐怖心が甦ってきて、体が震えて頭が真っ白になってしまい、人前で喋るのが苦手という信じている通りの体験をすることになります。そして、人前で喋ることを避けるようになります。
記憶が真実であるかどうかは関係ありません。 あなたが真実だと受け入れたことがあなたにとっての真実となりそれがやがて現実となります。
例えば、恋人ができると異常に束縛してしまい、いつも相手から嫌われて振られてしまうという体験を繰り返しているAさんという女性がいたとします。
その原因が次のような過去の体験にあることがあります。
Aさんが生まれた時、母親から可愛がられていましたが、妹が生まれると母親が妹につきっきりで面倒を見るようになり自分をかまってくれなくなりました。Aさんは寂しさを感じ「お母さんを妹に取られた」と信じてしまいました。
大人になったAさんは出来事を忘れていたり、憶えていても頭では妹に母親を取られたのではないと理解しています。
しかし、無意識下に妹に奪われたという信じ込みが残っていると、恋人が少し他の女性と喋っただけで「恋人を奪われるのでは…」と不安や恐怖心が湧いてきて束縛せずにはいられなくなってしまうのです。
タイムラインセラピーで、無意識下の「妹に母親を取られた」「隙を見せると大切な人を誰かに奪われる」といった信じ込みを消去したり別の信じ込みに変更します。すると、他の女性が近づいても恐怖心が湧いてこなくなるので束縛しなくても平気になってきます。
タイムラインセラピーで潜在意識にアプローチして次のような形で記憶や信じ込みを消去、変化させます。
・記憶の内容を別の記憶に変える(別の体験としてやり直す)
・記憶に対する否定的な意味づけを外して、肯定的な意味付けをする
・記憶の重要度を下げる、無力化する
・今の視点から気づきや学びを得て昇華させる
・そう思い込んでいただけで、実際はそうではなかったと気付く
・当時は仕方なかった、と許す
・相手を許す、和解する、仲直りする
・自分の過ちを謝罪して許してもらう
先ほどの例の“小学生の時に音読の発表してつっかえてしまい皆に笑われた”という記憶に対して、失敗した、恥ずかしい、馬鹿にされた、など嫌な体験という意味づけをしてずっと持ち続けていたのを
・スラスラと音読をできている記憶に変更(体験をやり直す)
・誰でも間違いはある、小学生なんだし最初からできなくて当然(ポジティブな味付けに変更)
・この体験のおかげで自分は失敗した人を馬鹿にしない人間になることができた(学びや気付きを得て昇華させた)
・記憶そのものを日常の単なる何の意味もない記憶と同等に変更(記憶の無力化)
記憶の内容や対象の人ごとに自分が一番納得のいくやりやすい形で処置を行います。
すると今まで心理的なブレーキが外れるので、似たような場面に遭遇しても緊張したり恐怖心が弱くなったり湧いてくることなくなり、スムーズに行動することができるようになってきます。
もちろん今まで避け続けていてそのことなので、最初からうまくできいこともあります。
恐怖心、緊張、抵抗感などのブレーキに邪魔されることなく、スムーズに行動ができ、練習すればできるようになっていきます。
後悔している過去をやり直すこともできます。
例えば、
高校の時にクラスに馴染めず孤立した → みんなと打ち解けて楽しい高校生活を送った
大学受験に失敗した → 大学に入って楽しい大学生活をした
他人からいじめられた → やり返してやっつけた
他人に酷いことをしてしまった → 謝罪して和解した
友達と喧嘩別れしてそれっきり → 仲直りした
「高校の時にクラスに馴染めず孤立した → みんなと打ち解けて楽しい高校生活を送った」という記憶と信じ込みに書き換えることで、高校の時はつまらなかったという感覚が、高校の時なんだか楽しかったなという感覚に変化します。
自分は人と打ち解けるのが苦手だ、誰も自分を受け入れてくれない、といった信じ込みが、自分は人と打ち解けられる、みんな受け入れてくれるという信念に変わります。
すると新しい信じ込みに合わせて現実や自分、周囲の人の反応に変化が起こり、いつも人の多いところに行くと孤立してしまったのに、自然と打ち解けられ、周囲が受け入れてくれるようになるなど、信じ込みに合わせて人生がどんどん変化していくようになります。
タイムラインセラピーの実践方法と手順
1.悩みや問題を改善したい理由を明確にする
なぜ今の悩みを改善したいのか、改善してどうなりたいのかを明確にします。
今までの長年の習慣となっていたことなので、あなたが心から本気で変わりたい、こうなりたいと思わない限りなかなか変化が起こりません。本気で宣言すると脳は協力してくれるようになります。
なんのために悩みや問題を解決して、どうなりたいのかを、自分の意思で、ポジティブな理由で明確にしてください。
× 孤独なのは嫌だから恋人が欲しい
○ お互いを尊重し愛し合える恋人を得る
動機が間違っていると、変化が起こらないか、表面上は叶っても問題が起こったり不幸になってしまうことがあります。
あなたが悩みや問題を解消したいという理由が次のようなものだとうまくいきません。
・足りないものや欠けているものを埋めるため
・何かを避けたいから、何かが嫌だから
・他人の意見
・世間の常識、みんながそうだから
・人にこう思われたい、こう思われたくない
・他人に勝ちたい、負けたくない
という理由からだと本心からではないのでうまくいきません。
自分には○○が足りないから、(自分は愛されてないから)自分を愛してくれる恋人が欲しい だと
「自分は愛されていない」という信じ込みがあるということになります。なのでそちらが現実となりなかなか恋人ができないか、恋人ができても、冷たい、自分を大切にしてくれない、喧嘩ばかり、 浮気をされるといった愛されてないと感じる現実を経験することになってしまいます。
この場合は、まず先になぜ「自分は愛されてない」と感じるのかを洗い出して、その信じ込みを作った過去の記憶を先に処置してください。
他人の意見や世間やみんながそうだからという理由だと、本心からではないので変化が起こりづらく、無理にやろうとするので苦痛が伴います。たとえそれで変化しても演技している、自分を作っているので苦しくなってしまいます。
あくまで自分の意思で、こういう理由でそうなりたいんだと、悩みを解決してどうなりたいのかを明確にしてください。
「辛い恋愛はもうやめたい」ではなく
「素敵な異性と出会って幸せで楽しい恋愛をする」
とポジティブな方向になりたい自分像を肯定的に書いてください。それを何度か強く言葉にして断言してください。
特定の人からされた嫌なことや、過去の失敗や挫折などの出来事の影響をなくしたい場合は、「私は○○(過去の体験)から十分な学びと気付きを得たので、卒業します」みたいに宣言してください。
紙に書き出したり、断言口調で声に出して宣言してもかまいません。
そうすることで脳は宣言通りに協力してくれるようになります。
2.悩みや問題の原因の過去の記憶と記憶への信じ込みや意味づけを洗い出す
あなたが改善したい悩みや問題の原因と思われる、過去の体験の記憶や対象人物を洗い出します。
そして記憶や人物、それを体験した自分自身に対してどのような信じ込みを持っているか、どんな意味づけをしているかを洗い出します。
各悩み別の記事に、記憶や信じ込みを洗い出すための質問があったと思いますので活用してください。
ここでも簡単に説明します。
・悩みや問題の原因となっている記憶を洗い出す
例:「人が怖くて人を避けてしまう」という悩みを改善したい
過去のどんな体験から人を怖いと感じるようになってしまったのかを思い出し、書き出します。
憶えている限りで一番最初に人が怖いと感じた体験をにチェックをしておいてください。最初の体験が根本原因になっている可能性が高いです。
・幼少期に父親にいつも怒鳴られていた [最初の体験]
・小学校の頃にいじめられた
・中学生の時にヤンキーに目をつけられて殴られた
題材が母親など特定人物の場合はその人にされた嫌なこと、どこが嫌いなのかなどを書き出してください。
・出来事、登場人物、自分に対する信じ込みや意味づけを洗い出す
出来事、登場人物、特定の人物、それを経験した自分自身に対して、どのような意味づけや信じ込みをもっているのかを書き出してください。
先ほどの例でしたら、人が怖いと感じた体験、恐怖を与えた人物、それを体験した自分に対してどのような意味づけや信じ込みをもっているのかを書き出します。
・人が怖い
・人は自分に攻撃をしてくる
・みんなどうせ自分を嫌っている
・自分は人から疎まれる存在だ
・自分は存在価値がない
・自分は暗くつまらない人間だ
書き出したら、第三者視点で「なるほど自分はこのように意味付けをしてこのように信じていたのだ」と淡々と自覚してください。
人は自分の問題として自覚することで初めて変化を起こすことができます。
各悩み別のページに信じ込みを洗い出すための質問がありますので、自分の悩みと合致する記事を参考にしてください。
3.タイムラインセラピーの実践手順
タイムラインセラピーの手順
静かで一人になれる場所で仰向けに寝てください。ソファなどに座っても良いでしょう。
どうしても寝てしまう場合は、椅子に座って行ってもかまいません。
目をつぶって、ゆっくりと深呼吸を行います。鼻で息を吸って、鼻か口から息をゆっくりと細く長く吐き出します。吸う時は数秒で、吐き出す時は10秒~30秒ぐらいかけてゆっくりと行いましょう。
腹式呼吸のような要領でお腹から息を吐き出すようにすると長く吐き出せます(食後でお腹いっぱいの時は避けた方がよいです)
リラックスしてボーッとするような感じになるまで数分間行ってください。慣れるとすぐにボーッとした状態になれます。
その状態で、イメージの中で今現在の自分から過去に遡っていきます。解消したい問題の原因となっている体験の記憶の場面にまで遡ります。
今あなたが25歳で10歳の時に戻るとしたら、現在の社会人から、大学時代、高校、中学時代と1年~数年単位でビデオを巻き戻すような感じ、エレベータやエスカレーターで下っている感じ、後ろに歩いている感じなどイメージして、当時まで遡ってその場面を思い出してください。
その記憶を第三者視点で見ているように思い出してみてください。
どんな場面でしょうか?誰がいて、何が見えて、何が聴こえるでしょうか?
映像が見えたりその場にいるような感覚したり、音、匂い、色、快不快といった感覚、暖かい冷たい、明るい暗いといった抽象的なものや、これらの複合など人によって違います。
あまり何も感じなくても、今そこにいると想像してみてください。
自宅の部屋、学校の教室、当時の自分や他人がいたりする感覚がしたりうっすら映像が見えたりします。
題材が人物の場合、例えば小学4年生の時の母親でしたら、小学生の時まで戻って実家などで早親が目の前にいると想像します。
過去に戻った状態でどのようなことをするか解説します。次の中から記憶や対象人物ごとに合うものややりやすいものを行なってください。
記憶の内容の変更
記憶自体を別の内容に変更したり、別の体験としてやり直します。
嫌な記憶を変えたい、過去をやり直したいといった場合に効果的です。
例であげた「小学生の時に音読の発表してつっかえて皆に笑われた」という記憶で解説します。
リラックスして、イメージの中で小学生の時の体験した当時までさかのぼります。
その状態を客観的に見ながら、 どのような体験に変更したら納得できるか、満足するかを考えます。
つっかえずにスラスラと発表できたという記憶に変化させたい、とします。
第三者視点で、小学生の自分がスラスラと音読して、皆から拍手されて先生から褒められている場面をイメージします。
次に同じ事を今度は自分が小学生の時の自分の中に入って実際に体験しているような感覚で同じことをイメージしてください。重要なのが、できるだけ現実に体験しているかのように映像や音、感じている感情、感覚などをできるだけありありと体験するようにします。
スラスラと音読したあなたは、皆から拍手されて、先生から褒められて、その喜び、満足感、達成感などを味わいます。その感覚や感情をできるだけありありと味わうことが重要です。
高校の時にクラスに溶け込めず孤立してしまったという記憶でしたら、みんなと打ち解けて楽しく遊んでいる場面など、あの時本当はこういう体験をしたかったという状態をイメージしてください。
今の成長したあなたが、どうすればいいかを考えてアドバイスをしてもよいです。
イメージの中なので何でもありです。
自分から声をかけるなど当時と違った行動をしてみるのもよいですし、みんなから話しかけられて打ち解けてもよいです。クラスの登場人物を変えても、席順を変えても、小学校の時に仲良かった友達を連れてきてもかまいません。
嫌な奴を校長先生に頼んで別のクラスにしてもらってもかまいません。
この場合も、みんなと打ち解けている一体感、楽しさ、喜びといった感情や感覚を味わいます。
その新しい体験と感覚を十分に味わって満足したら、その場面を光で包んで、当時から1年、2年と現在まで実際にその体験をした自分として現在まで成長してきたものとして今の年齢まで戻ってきます。
現在まで戻ってきたらゆっくり目を開けて伸びなどをして覚醒します。
ジワーッと暖かい、楽しかった、満たされた、幸せな感覚がしたら良い感じです。
今までは高校の時はつまらなかったという感覚だったのか、高校の時でとても楽しかったなあという感覚に変化します。
・自分は人と打ち解けるのが苦手
・どうせ誰も自分を受け入れてくれない
・誰にも相手にされない自分には価値がない
といった記憶への意味付けや信念も外れていきます。
・自分は人と打ち解けられる
・人は自分を受け入れてくれる
・自分には価値がある
という信じ込みに変化していきます。
1回でパッと変化する人もいれば、他の関連する記憶を処置していくうちに徐々に変わる人もいれば、一進一退しながら少しずつ変化していく人もいます。
本当に変わってるのかな?とか疑ったりせずに、もうこれで変わった、卒業した、終わり、という感じで決めてしまいます。そうすることで脳にとっては今回体験したことが真実となっていきます。定着させるために何回か同じ記憶をやるのも良いです。
脳が協力してくれて、忘れていた別の記憶を思い出したりしますので、それも気になるなら変更してしまいましょう。
日常のふとした時にその記憶を思い出しても苦痛を感じない、新しく書き換えた方の記憶が事実だった気がする、遠く昔の日常の色あせた出来事に感じればよい感じです。
記憶に対するの信じ込みや意味づけの変更
記憶自体はそのままで、記憶に対する信じ込みや意味づけのみを変更するやり方です。
今まではネガティブな意味づけをしていた記憶に対して、ポジティブな意味づけに変更します。
当時の場面に戻った状態で、大人になったり当時より成長した今のあなたや別の視点で、記憶に対して別の意味づけをしたり認識を変えます。
例であげた「小学生の時に音読の発表してつっかえて皆に笑われた」という題材で説明します。
リラックスしてイメージの中で当時まで遡ります。その体験に対して、今の大人になったり成長したあなたの視点から、別の意味づけ、受け取り方ができないかを考えます。
例えば「まだ小学生だし、みんなの前で初めての音読がうまくできなくて当然だ。誰にだって失敗はあるさ」
「クラスのみんなも小学生だから道でコケた人を笑うように何も考えずに笑っただけだ。自分が馬鹿にされたのでも駄目なわけでもない」
「つっかえても別に恥ずかしいことではない。何でもないことだ」
「大人になった今は練習して普通に音読をすることができる」
「あのことがあったから頑張って色々な事を身につけることができた。自分は失敗した人の気持ちが分かるようになり、かばうことができる優しい人間になれた」
といったように今の当時より成長した自分から、新たな意味付けに変えます。
記憶に対して、今までは「失敗した」「恥ずかしい」「馬鹿にされた」「自分は話すのが苦手」といったという意味づけや信じ込みが外れて、ポジティブな意味付けになります。記憶自体はそのままですが、嫌な記憶が、良い記憶、もしくは何でもない記憶に変化します。
当事者との対話
過去までさかのぼったら、当時の自分に酷いことをした相手や親などをイメージの中で目の前に出して対話をします。
当時は言えなかったこと、我慢していたこと、本音、言い分、してほしかったこと、してほしくなかったことなど、本音や言いたい事を全部言います。
当時の自分として言う方法と、今のあなたとして言う方法があります。どちらかしっくりくる方法を選んで下さい。
もし、イメージの中でも相手が怖くて言えない場合は、親、先生、偉人、味方になってくれるヒーローや格闘家ななどが付いていて絶対安心だから言い聞かせて言いたいことを言うようにしてみてください。
自分の代わりに、相手より強い立場の人に言ってもらうというのも良いです。
相手の親、学校の先生、偉人、アニメのヒーローなどに、代わりにあなたの言い分を言ってもらったり、叱ってもらったりします。
うまくいくと、相手から返答があったりします。相手が泣いて謝罪してきたり、当時は気づかなかった相手の気持ちや境遇などがなんとなく分かったりします。
場合によっては、今まで親を憎んでいたけど、実は愛情ももらっていたこととか、親も悩んだり苦しんでいて当時は精一杯だったといったことに気付いたりします。
これをすることで気が済んだり、 もういいかと思えるようになったり、 相手を許すことができることもあります。
僕が当事者との対話を行なった例を紹介します。
僕が小学校5~6年生の時に、同じクラスに僕にいつも一緒にいることを強要し、命令したり使いぱしりのようにさせてくる人がいました。
当時の僕は逆らうことができず、いつも嫌な思いをしていました。
中学生になってその人と同じ中学に入ったものの違うクラスになったのでのびのびと楽しく過ごせたのですが、 中学2年でまた同じクラスになり、 いつも怯えてビクビクするようになり自分を出せず友達も減りあまり楽しくない中学生活になってしまいました。
大人になってからタイムラインセラピーで当時までさかのぼり、その人を目の前にイメージして、当時の小学生の自分に成りきって言いたいことを言いました。
「何でいつも付きまとってくるんだよ!僕は他の友達と遊んだり、他のこともやりたいんだ!あんたも誰か気の合う友達を見つけて遊ばいいじゃないか!いつもお前と一緒にいなければならないなんて決まりはないんだよ!」
そしたら「ごめん悪かった、そんなに嫌な思いをしてるなんて知らなかった」みたいにイメージの中の彼が謝ってきました。
その時、彼の母親が身体障がい者で、離れ離れで暮らしていたのを思い出しました。また、彼は家が貧乏でした。僕の家に遊びに来た時になんとなく羨ましそうにしていたのを覚えています。
そのことを思い出して、家に母親がいる僕が羨ましいと感じてあのようなことをしたのだと直感的に分かりました。
なんかそう思ったら、許す事が出来ました。
今でもその記憶自体は覚えていますが、もう色あせたただの顔洗ったとかの日常の記憶のように記憶に変化して、その時のこと思い出しても何の嫌な感情も湧いてこなくなっています。
イメージの中で相手が謝ってきたり、彼の境遇などを思い出して許せたのは、自分自身がもうあの出来事から卒業すると宣言しそれを決めていたからだと思います。
自分がもうあの出来事から卒業して前に進むそうと決めていれば脳は協力してくれます。
だから最初に自分はもうこの出来事から卒業して前に進むという宣言をするのです。
このケースはそこまで酷いことをされていないので許せましたが、自分に酷いことをした人を絶対に許せないという人もいるかと思います。
それはそれで全然大丈夫です。
その場合は、許せないのはダメだとか責めたりせずに、その気持ちも尊重してあげてください。許せなくてもそれはそれで大丈夫です。
相手に当時は言えなかった言いたいことを全部言ってスッキリしたり、折り合いがつくこともあります。
許せない場合は別のやり方で、相手をやっつけたり、記憶そのものを無力化するやり方などを行いましょう。
僕も以前に先ほどの相手をこてんぱんにやっつけるという内容でやったこともあります。
他のネガティブな信じ込みを解放したり、自己肯定感を高めたりしていくうちに自然と許せるようになってくることもあります。決して無理に許そうとしないことが大切です。
自分の過去の過ちを謝罪する
自分がしてしまった過去の過ち、酷いことをしてしまった、傷つけてしまった、言い過ぎてしまった、迷惑をかけてしまったこと、後悔や罪悪感を感じていること
その出来事の当事者や相手と対話して、謝罪するなどして和解したり許してもらいます。
タイムラインセラピーで当時まで遡り、 目の前に相手をイメージにます。
あの時は本当に申し訳なかった、本当に未熟だった、深く考えずにしてしまった
など謝罪したり当時言えなかったこと、伝えたかったことを伝えます。
するとイメージの中の相手から何らかの反応が返ってくると思います。
相手が文句を言ってくるかもしれないですし、無視するかもしれません。
意外と、もういいよ、気にしてないよ、仕方ないよといった許してくれるような反応が返ってきたりします。
あなたの無意識下で自分自身を許せるようになっていると、相手からも許してあげると言ったようなポジティブな反応が返ってきます。
必ずしも許してくれるとは限らないかもしれませんが、今までできなかった謝罪や伝えたいことを伝えたことで、あなたの中で何らかの折り合い区切りが付いていることも多いです。
覚醒したら、今後はもう二度とそのようなことはしないという誓いをします。
当時の自分(傷付いている自分)と対話
過去に辛い体験をして、当時の傷ついたままの自分が無意識に残っていることが多いです。これをトラウマ、インナーチャイルド、メンタルブロックと呼んだりします。
過去の傷ついた自分を見たくないので、多くの人が抑圧して見ないように蓋
普段は普通に生活できますが、心の苦しみ、人間関係のトラブル、不幸、心身の病気、うまくいかないといったことが起こります。
これらは傷ついたままの自分がそのままになっているよと気づかせようとしてサインを送っているのです。
傷ついたままの自分が子供のように不満を持っていたり、心を閉じていたり、喧嘩や絶縁状態みたくなっていることもあります。
内面にある幼い頃などの傷ついたまま置き去りになっている自分と対話することで、当時の自分を癒したり、許し、和解します。
傷ついたままの自分が癒されると現実に変化が起こります。
タイムラインセラピーで傷付いた出来事があった当時までさかのぼります。傷ついたり、劣等感などを感じている自分を目の前に出して、今の大人になった自分と対話をします。
対象の記憶が小学生の時であれば、小学生の時の自分が目の前にいるようなイメージをします。
当時の自分の言い分や悔しかったことやしてほしかったことなどを何でも言ってもらって、話を聞いて吐き出させてあげます。
今のあなたが、当時の自分を肯定して共感して理解者になってあげます。傷ついた子供に接するように、優しく慰めたり共感したり、辛かったね、ごめんね、もう大丈夫だよ勇気づけたりしてあげるようにしてください。
過去の失敗、挫折、こうしたかったけどできなかった、当時の自分はそれが精一杯だった、しかたなかった、しょうがないことだよ。間違いや失敗なんて誰だってしてるし、これから克服すればいいと。愛情を持って当時の自分に接します。
当時の自分が納得して、すっきりした感じになったり、笑顔になったら、イメージの中でハグをしたりしてみてください。当時の自分が癒されると心が暖かくなったりします。
暖かい光、愛の光で包んでいるところをイメージして、当時の自分とお別れして現在に戻ってきます。
戻ってきたら目を開けて覚醒して伸びをしたりしてください。
相手をやっつける、やり返す
酷いことをされた相手をどうしても許せない、良い記憶に変更できない、相手と対話などする気になれない、対話しても許せる気がしない、といった感情が強い場合のみ行ってください。
例えば、過去に自分をいじめた相手をやっつけたりやり返します。
リラックスして当時まで遡ったら、当時の場面と共に相手を目の前にイメージします。
そして自分が気が済むようなやり方で相手をやっつけたりやり返してください。
イメージの中などでなんでもありです。
・言い返したり、 言いたいことを全部言う
・今の大人になった自分が文句を言ったり、論破する
・殴ったり蹴ったりする
・ヒーローや格闘家などにやっつけてもらう
・大勢の味方をつけて相手をやっつける
・相手の親や先生に叱ってもらう
・警察に逮捕してもらう
・嫌な上司を、社長など偉い人に叱ってもらう
・爆発させたり、ロケットにくくりつけて宇宙に飛ばして消滅させる
・アリのように小さくして踏み潰す
といった感じで、あなたがすっきりするような形で好きなように相手をやっつけてください。
これは復讐というのではなく、あくまで自分の中の我慢していたり抑圧して溜め込んでいた怒りなどの感情を解放するのが目的です。
注意:やるならカラッと一回きり、あまりネチネチと何度もやると、余計に怒りや恨みが強くなってしまったりしますので注意してください。
やっつけるにしても、カラッとスカッとする感じに、ギャグ漫画のように相手がメタメタになって星が回っているとか、こてんぱんにやっつけて、ざまあみろとすっきりと笑えるような感じで終わります。
やるなら一度きり、もう遺恨を残さない、これで終わりという感じにできる人だけやってください。
許せなくても、やり返したり、言い返したことで区切りが付いて前に進めたりします。
これをやることで相手に対する怒りや憎しみなどが解放されることがあります。許せたりどうでもよくなることもあります。
記憶を無力化する1
現在に強い影響を与えている嫌な記憶を、重要度の低いどうでもいい記憶に変化させます。
リラックスして、当時までさかのぼります。
嫌な体験の記憶を一枚の絵や写真としてイメージしてください。
はっきりと映像として見えなくてもそのように想像するだけで大丈夫です。
その記憶の色合いや明るさや暗さ、鮮明さはどのくらいでしょうか?
嫌な記憶なので黒っぽい色や暗い感じがする場合が多いと思います。
人によっては昔のことなのにカラーで鮮明で昨日のことのような感じかもしれません。
その記憶を
・だんだん鮮明にしたりぼかす
・だんだん明るくしたり暗くする
・だんだん小さくしたり大きくする
・カラーにしたり白黒にする、いろんな色に変える
・拡大したり縮小する
・向きや角度を変えたり回転させる
イメージの中でいろいろと変化させて見てください。
あなたに強い悪影響を与える嫌な体験の記憶というのは脳の中で鮮度の高いとても影響力の強い重要度の高い記憶として保存されてしまっています。
そしてそのまま何年も固定されたまま変化させることができないという状態になってしまっています。
このように記憶を明るくしたり暗くしたり大きさを小さくしたり大きくしたりすることで自分の意思でどのようにも変化させることができるのだということを脳に教えることができます。
その記憶をもう思い出さないような遠い昔のどうでも良い記憶と同様に無力化したい場合は、小さくしたり、ぼかしたり、白黒にしたり、セピア色にしたりしてみてください。遠い昔の重要でない記憶であるかのように変更します。
いい感じの記憶にしたい(辛い体験だったけどあれがあったおかげで成長できたといったような)場合は明るくして白く明るい光で包んでください
そして自分の好きなようにその記憶をイメージの中で消滅させます。
・その記憶が遠ざかって小さくなって消えていく場面を思い浮かる
・その記憶を写真を破るように破って粉々にしてしまう
・その記憶がガラスが割れるようにして粉々にしてしまう
今まで重要な意味のある記憶として持ち続けていた記憶が無力化して何の意味もない情報に変わります。
これらのことをした時に、暖かくなった感とかスーッとスッキリしたとか変化があったらそれを感じてみてください。
そして次のように宣言します。
「私はこの体験から学べることは学び、その体験により成長することができました。私はもうこの体験から卒業します」
あなたの脳の中では、その記憶が、ずっと鮮明で絶対的な影響力を持つものとして意味づけがされていたのです。上記のことをやることで、どうでもいい、過去の、何の意味もない単なる日常の一場面のような何の意味もない記憶に変化していきます。
記憶の無力化2 [記憶そのもの思い出したくない場合のやり方]
出来事の内容を思い出さないので、思い出したくない記憶やトラウマになっているような記憶に有効です。
椅子に座るか横になるなどして目をつぶりリラックスして深呼吸を数回行いリラックスします。
その過去の嫌な体験の記憶は、どんな感覚がするでしょうか?
出来事そのものは思い出せなくて大丈夫です。
色、形、温度、明るさ、重さ、硬さ、大きさ、臭い などで表現してください。
それを言葉で表すとどのようなものになるでしょうか。
・硬くて冷たい黒い石のようなもの
・ドロドロとしたネバネバとしたドス黒いヘドロのようなもの
・灰色でもやもやした煙
嫌な記憶なので、嫌な記憶なので、黒っぽい、暗い、寒い、硬い、淀み、尖ったなどで現れることが多いです。
人によっては、猛獣、悪魔などのイメージがでてくるかもしれません。
そのイメージを可能でしたら、
・暗くしたり明るくする
・色をいろいろ変える
・大きくしたり小さくする
・形を変えてみる
などいろいろ変化させてみてください。
できない、触れたくない場合は次に進んでください。
そのイメージを白くて明るい光で包むようなイメージをしてください。
・明るくて眩い光でそのまま消滅させる
・爆弾で粉々にする
・どんどん小さくして消す
・宇宙の彼方に放り投げ消滅させる
など自分がしっくりする方法で消滅させてください。
あなたのイメージの中をまばゆい白い光で満たして、もやもやしたものが消えてスッキリした感覚を味わったらゆっくりと目を開けて覚醒してください。
嫌な体験が現在進行形で続いている場合
現在進行形でいじめられたり他人から酷いことをされていて、学校や会社などで、自分からその場を離れることができない状況にある場合、これまでに解説してきたタイムラインセラピーを行うことが難しいこともあるでしょう。
もしタイムラインセラピーをやるとしたら
・現在続いている体験や当事者に対して行う
・現在の嫌な体験と関連のありそうな過去の嫌な体験の記憶や人ついて行う
・幼少期の両親について行う(現在の嫌な体験が幼少期の親との記憶から来ていることも多いです)
・傷ついている自分と対話する
といったことを題材にできる範囲でおこなうとよいでしょう。
現在進行形の嫌な出来事や人間関係に対しても、 当事者や、 その嫌な体験に関係していると思われる過去の記憶や信じ込みを処置していくことで、 現在の悩みが良い方向に変化していくことも多いです。