学校や職場、友人関係や仲間など、人前に出ると自分を作って無理に明るく振舞ってしまうことの根本原因と、意志の力ではなく無意識のうちに自然とやめられる方法について解説します。
元気がないときも、悩んでるときも、嫌なときも明るく振舞ってしまったり、キャラのようになってしまい、今さら止められない
周囲からは根っから明るく社交的でそう振る舞っているように見えるので、いつも明るくて社交的でみんなから好かれて羨ましい、悩みとかなさそうと思われたりして、本当の自分はそうじゃないのに、人は何もわかってくれないと感じてしまったりします。
本来の自分はそうではないのに無理をしていると、苦しく疲れてしまい、人前に出るのが嫌になってしまったり、休みの日は何もする気が起きず、家で1人で部屋にこもってしまったりします。
ずっと無理をしていると心身の不調をきたして病気を発生させたりもします。
あなたの中に明るく振舞わせている原因があり、その原因を特定して解消してしまえば、意志の力や努力をすることなく、いつの間にか自然と明るく振舞うのをやめることができます。
目次
無理に明るく振る舞ってしまう原因
なぜ、本当の自分を気持ちを偽ってまで無理に明るく振る舞ってしまうのでしょうか。
それは、明るく振舞うことでメリットが得られる、デメリットを避けられると無意識レベルで信じてしまっているからです。
・明るく振る舞っていないと何かが得られない
・明るく振舞っていないと何かを失う、何か不都合が起こる
と信じているため、明るく振舞ってないと何かが得られない、何か不都合が起こると、恐れてしまっているのです。
この信念を特定して、ワークを用いて手放していくことで、原因がなくなりますから、意思の力で止めようとしなくても自然と明るく振舞わなくても平気になります。
素の状態で自然に明るく振舞っているのなら問題ないですが、不安や恐れから無理に明るく振舞ってしまうので、苦しくて疲れてしまうのです。
明るく振舞ってしまう人は、具体的には次のような信念が無意識に入ってしまっているのです。
・明るく振る舞っていないと人から嫌われる、仲間外れにされる
・明るく振る舞っていないと人から好かれない
・明るく振る舞うとメリット(人からの注目、愛情、友達、仲間、仕事等)が得られる(=明るく振舞ってないとそれが得られない)
・明るくないと相手にしてもらえない、無視される、仲間はずれにされる
・明るくないといけない、ダメな人
・暗い、大人しいのはいけないこと
・明るくないと人からの愛情や関心がもらえない
・素のままの自分では人から好かれない
・人を楽しませなければいけない
・周囲の期待には答えないといけない
・明るくニコニコしていないと周囲から人が去っていってしまう
・明るく振舞っていないと、孤立してしまう、孤独になってしまう
・沈黙が続くのはいけないこと
このようなことを信じているため、明るく振舞ってないと人から嫌われるという不安や恐怖から、無理に明るく振舞っているということです。
そういった不安や恐怖がなければ、自分を作ってまで無理に明るく振る舞う必要はありませんよね。
ですので、あなたが明るく振る舞っているときは、その裏で常に不安や恐怖を感じてしまっているわけです。これが苦痛や疲れる一つの原因です。
また、人間は、本来の自分の性格や今の気持ちと違う振る舞いをしたり、無理に本来と違う自分を演じることに大きな苦痛とストレスを感じます。
ではなぜ、明るく振る舞っていないと、人から好かれない、嫌われるといった信念を持ってしまったのでしょうか。
過去に他人から言われたことを受け入れたり、過去のある体験に否定的な意味づけをして、その記憶を持ち続けているからです。
つまり、あなたは過去に何らかの「明るく振る舞っていないと人から嫌われたと感じた体験」「明るく振る舞ったら人から好かれたり愛情がもらえた体験」をしているはずなのです。その体験により無意識からそう信じ込んでしまっているのです。
あなたが、明るくしていないと何かが得られない、何かの不都合が起こる、と信じ込んでしまった最初の体験は、多くの場合、幼少期の両親の言葉や態度が発端となっています。
そして次に、幼稚園や小学校など、集団で生活するような場面です。
・「愛想よくしなきゃダメでしょ!」みたいに叱られて育った
・親から「ニコニコしていないと友達ができないよ」と言われた
・明るく振る舞うことで愛情や他人からの注目を得られた
・素の自分でいたら仲間はずれにされたり孤立したけど、明るく振る舞ったら輪に入れてもらえた
過去に何かこんなことを言われたり、体験をして、明るくしていないと、何かが得られない、何か不都合が起こる、と無意識に信じ込んでしまっているのです。
小さいときはまだ脳が柔軟なのと、親は子供にとって絶対的な存在であることから、親の何気ない言葉が強烈に無意識に入ってしまうこともあるのです。
また、幼少期の育てられ方などにより無口でおとなしい性格になってしまい、幼稚園に入って孤立したり友達ができなかったりといった経験をして、明るく振舞ったら周りに人が寄ってきて友達ができた、人気者になれたといった体験をすると、無口でおとなしい自分はダメだ、周囲から友達が去っていってまた孤立してしまうという恐怖心が作られてしまったりします。
無理して明るく振る舞っている人は、本来の素の自分は明るくない、暗いのはいけないことだ、という信念も同時に持っているはずです。
だからこそ無理をしてまで明るく振る舞うわけです。
・明るくしていないと人から嫌われる
・明るくしていないと人から好かれない、愛情がもらえない
・素のおとなしい、暗い自分はダメだ
このような今まで無意識に入ってしまった"間違った信念"を
・ありのままの自分が素晴らしい
・ありのままの自分で魅力的だ
・ありのままの自分で愛されている
本来の正しい信念に書き換えることで、自然と無意識のうちに無理に明るく振る舞うことを止められるようになります。
すると恐怖心はなくなり、安心感、自信が生まれるので、素の自分を出したても平気になり、演じるのではなく心から明るく振る舞いたいときは明るく振る舞うことが出来るようになってきます。そういった人は他人から見ても魅力的に映るので、自然と人も寄って来るようになります。素の自分でいられるので、苦痛も無く疲れません。
無理に明るく振る舞ってしまう根本原因を解消して、自然とやめる実践ワーク
これまでに説明した、あなたを無理に明るく振る舞わせてしまう恐怖心の元となっている、過去の体験の記憶と信念を解放して書き換えていきます。
一度持ってしまった信念は二度と書き換えられないというものでなく、パソコンのハードディスクと一緒で消去したり書き換えたりすることができます。
無意識の信念を書き換えるのにはいくつかの方法がありますが、ここでは過去に「明るく振る舞っていないと人から嫌われる、愛情がもらえないなどと感じた体験」の記憶にアプローチしてその記憶を無力化させたり、記憶自体を変更したり、記憶に対する意味づけを変えたりします。
すると
・明るくしていないと人から嫌われる
・明るくしていない人から好かれない、愛情がもらえない
・素のおとなしい、暗い自分はダメだ
といった信念が外れてなくなります。それを次のように書き換えます。
・ありのままの自分が素晴らしい
・ありのままの自分で魅力的だ
・ありのままの自分で愛されている
人間の脳(潜在意識)はそれが真実かどうか、事実かどうかは一切感知せず、あなたが信じて受け入れたことがあなたにとっての真実となります。そしてその信じたことを体現したりあなたの人生に呼び寄せようとします。
今まではあなたが信じているとおりに「無理に明るく振舞うことで何とか人から好かれる」という現実が呼び寄せられていたのです。
これは自分の性格だからとか、もう10年も20年も経っているから今さら変えるのは無理なのではと感じるかもしれませんが、全くそんなことはなく書き換えは可能です。
明るく振舞っていないと人から嫌われると感じた体験の記憶を処置してしまえば、あなたの脳にとってそれは事実ではなくなっていくのです。
そうすると当然ながら明るく振る舞ってなくても恐怖心が湧いてこなくなります。
このようにしてブレーキを外してニュートラルにした後に、
・ありのままの自分が素晴らしい
・ありのままの自分で魅力的だ
・ありのままの自分で愛されている
といったような自己肯定感の信念を養っていきます。
ありのままで素晴らしい、ありのままで愛されている、ありのままで魅力的だと言う無意識レベルからの絶対的な信念が養われると、人前でありのままの自分でいても平気でいられるようになります。
ありのままの自分を表現できるようになるので、他人も、今までの明るく演じていたあなたではなく、ありのままのあなたに対して魅力を感じるようになります。逆に無理をして自分を作っていれば、他人は無意識ではあの人明るいけどなんか作ってるな、無理してるなと気づき、魅力はあまり感じないのです。
無理に明るく振舞ってしまう原因の信念と体験の記憶を洗い出す
次の質問に答えるように紙に書き出してください。
質問1.なぜ、あなたは明るく振舞っているのでしょうか?
質問2.明るく振舞うことでどんなメリットや得られるものがあると思いますか?
質問3.もし、人前で一切明るく振舞わなかったとしたら、どんなことが起こると思いますか?
質問4.人前で明るく振舞わない自分に対してどのように感じますか?
質問1~4で書き出した答えの一つ一つに「なぜそう思うのか?」と質問をして掘り下げてください。掘り下げられないものについてはそのままでかまいません。
質問1~4で書き出した答えの一つ一つに対して、最初にそう思ったのは、いつ、どんな体験がきっかけだったのかを探って書き出してください。
あなたの信念やその信念が何がきっかけで作られてのかがだいたい明確になったと思います。
例えば、小さい頃、親に「愛想良くしてなきゃ嫌われるよ!」と言われた記憶
幼稚園の時に孤立してしまい明るく振舞ったら輪に溶け込めたという記憶
記憶の無力化と信念を変更する
このような過去の体験の記憶と、その記憶に付けられている「明るくしていないと人から嫌われる」といった信念を処置して無力化していきます。
記憶自体の変更
記憶に対する意味づけの変更
記憶の無力化
体験の記憶から気付きや学びを得て昇華させる
といったことをおこなうことで、「明るくしていないと人から嫌われる」といった信念が外れていきます。
明るく振る舞ってしまうことの原因となっている過去の記憶の特定と、処置についてはこちらの記事を参考にしてタイムラインセラピーを行ってください。
ありのままの自分を受け入れ、認めていく
タイムラインセラピーなどで信念を解消しブレーキが外れてきたら、自己肯定感を高くしてプラスに持っていきます。
無理をしてまで明るく振舞ってしまうということは、ありのままの自分では人から嫌われる、そんな自分はダメだと言うように、ありのままの自分に対して否定してしまっている状態にあります。
それがあなたの苦しみの原因の1つにもなっています。
明るく振る舞っていてもそうでなくても、ありのままの自分を認めて受け入れて好きになっていくと、根拠のない自信が湧いてきて、他人に気を遣うことがなくありのままの自然体でいられるようになります。
自己肯定感を養うためにはこちらの記事を参考にしてください。