優等生を演じてしまう人
本当の自分はそうではないのに、無理に優等生な自分を演じてしまっている人がいます。
勉強が本当はやりたくないのに勉強を頑張ったり、いい大学を目指したり、本当は全然違うキャラなのに生徒会長のような優等生を演じたりしている人もいます。
本当の自分を偽って、違う自分を無理に演じたり、やりたくないことやっているので、これを続けるのはものすごく苦しいし疲れますし、ストレスも溜まります。
優等生でいることの葛藤や苦痛の感情を無意識下に押し込めてしまい表面上では優等生でいるのが当たり前だと思っている人もいます。
無理に優等生を演じてしまう原因
では、なぜ自分を偽ってまで優等生を演じるようになってしまったのでしょうか。
多くの場合両親の教育が原因です。祖父母、塾や学校の先生などの場合もあります。
多くの場合、親や先生や学校などが優等生であることを強いてきたのが原因です。
両親の「良い子に育てたい」「立派に育てたい」という思いが過剰に出てしまった結果です。
自分や旦那が学歴がなくて苦労したため、子供のためを思って、という場合もあります。
また、両親が学歴至上主義者だったりして、良い大学へ行くことを強いられる場合もあります。それは親の劣等感やコンプレックスからくる見栄、いい大学に行かないと負け組みになるなどの恐怖や不安からきています。
「いい大学に行かないと、社会の負け組になるよ」「お父さんのように苦労するよ」などと言われ続けると、それが正しいことであると信じてしまいます。
また、子供は両親の思いに応えたいと思うので、両親のために勉強ができる優等生になろうとして頑張ります。
勉強だけでなく、良い家柄の子に生まれ常に厳格にしつけられて叱られ、それを求められて育ってきたという場合もあります。
「優等生でなければならない、そうでなければ親から叱られ、失望され、見捨てられる、嫌われる」そのような思いが子供を苦しめます。
自分では優等生はもう演じたくないと思っても、無意識に優等生でなければいけない、そうしなければ叱られ、両親を裏切ることになる、失望され、人が去っていく、誰にも必要とされなくなる、人生負け組みになるという不安や恐怖心、罪悪感などが出てきて葛藤で苦しみ、無理に優等生を続けてしまうのです。
そういった葛藤や恐怖や不安を常に感じていると苦痛のため無意識に押し込んでしまい、自分が優等生を演じていることに気づいていない人もいます。
無意識下に押し殺していても、無理に優等生を演じ続けていると苦痛や満たされない飢えや渇きを心に感じたり、長く続けていれば心や体に歪みが出てきます。
あなたは気づいていて、苦しみや葛藤を感じているからこの記事を読んでいるのだと思います。
優等生でいることを強いられて、そうでないと叱られたりした記憶
優等生でいなければ叱られ、失望され、見捨てられる人生の負け組みになってしまうという信念、その信念から想起される不安や恐怖などの感情。
これがあなたが無理してでも優等生を演じてしまうことの本当の原因です。
優等生を演じるのを自然とやめるには?
優等生を無理に演じてしまう原因は、優等生でいなければならない、そうでないと叱られ、失望され、見捨てられる、人生の負け組みになってしまうという信念、それにくっついている不安や恐怖の感情です。
このような記憶、信念、感情を書き換えたり解放していきます。
すると、恐怖心も消えていき、努力して無理にやめようとしなくても、自然と優等生を止められるようになります。足かせがなくなり本来の自分の人生を歩むことだできるようになります。
勉強をして良い大学に行くとしても、親に強いられたからでも、社会から落ちこぼれになるという恐怖心からでもなく、自分の意志で自分のやりたいことをやる、好きなことを学ぶためにに行くと言うように変わっていきます。
優等生でいなければならない(そうしないと酷い目に合う)という信念は過去の体験により作られた思い込みであり、絶対的な真実ではありません。
脳にとっては信じていることが真実かどうかは判断せず、信じたことが真実となり、信念が人生を造っていきます。優等生をやらなければいけないと、無意識レベルから思い込んでいるから優等生をやっているわけです。意識では違和感を感じても、無意識の強制力は何十倍もありますから、無理にでも優等生をやってしまうのです。
小さい頃に犬に吠えられて噛まれたという体験があれば、犬は怖くて獰猛な生き物という信念を持ち、犬を見た瞬間に恐怖が湧いてきて体がすくんでしまう。
犬に懐かれて撫でたり抱っこしたりして遊んだ体験があれば、犬は可愛くて従順な生き物として輸入を見ると、「かわいいー!」となでたくなります。
体験の記憶 | 感情 | 信念 |
犬に吠えられて噛まれた | 恐怖 | 犬は獰猛で怖い |
犬に懐かれて遊んだ | 喜び、楽しさ | 犬は従順でかわいい |
このように、対象が同じでも、過去に何を体験して、どんな感情を感じたかによって、人によって信念が違ってきます。
人によってそれぞれ過去の体験からそう意味づけられているだけで、絶対的な真実ではありません。
一度持ってしまった信念は何は一生持ち続ける必要はなく、 いつでもいくらでも書き換えられます。
あまりにも長く、強く握り締めてしまっているので、手放せないと思い込んでいるだけです。
優等生を無理に演じてしまうのも、親に優等生を強いられて叱られたなどの記憶に恐怖の感情がくっついているからです。
嫌な記憶ではなく、ただの普通の映像との記憶として処理するように書き換えて、恐怖の感情解放し、その体験を違うものとしてもう一度やり直します。
そうすればその記憶に対して恐怖の感情が湧いてこなくなるので、自然と優等生でいることもやめられるようになってくるのです。
人間の脳は、実際に体験した事と想像で体験したことの区別をつけません。
事実だろうがそうでなかろうが、本人がそれを強く真実だと思えば脳にとってはそれは真実として処理され、プログラムとなります。
優等生を演じるのを自然にやめるワーク
それでは具体的にワークのやり方を説明します。
本当の自分、自分がなりたい状態を宣言する
まず、「私は今後優等生である事はやめるんだ!親の言いなりではなく、自分の意志で自分の責任において本当に自分のやりたいことをやる人生を生きるんだ!」と強く決意します。
「私は自分の意思で自分のやりたいことをやる人生を生きています!」と宣言してください。
言葉がしっくりしなかったら別の言葉に変えても構いません。
ここが曖昧だと、脳もどのようにしたらいいのか分からず結果も曖昧になってしまいます。
「もう親の言いなりになる人生なんて嫌だ!!!」とブチ切れて爆発するような強い決意があると変化が起きやすいです。
逆に「でもそうは言っても・・・」、みたいな曖昧な感じだとなかなか変わりづらいです。その状態だとまだ自分の意思ではなくどこか人に決定権を委ねてしまっているのような状態だからです。変化すること、親から自立して一人で意思決定する人生に不安があるため、嫌だけど変わるよりは慣れ親しんだ今のままでいたいのです。
5年10年とずっとやってきた習慣から変化を起こすのですから、決意がないと元の習慣に引きずられてしまうからです。
「もう親の言いなりになるなんてもう嫌だ!!!自分の人生は自分の意志で決めるんだ!」という強い決意があると、脳はそうなるように協力してくれます。
ワークの実践方法
今回紹介するイメージワークを行うことで、親の言いなりの人生から脱却して、本当の自分で好きなことをして自由に生きることのブレーキとなっている過去の体験の記憶を無力化することができます。
・記憶そのもの書き換わる(過去をやり直す)
・記憶に対する意味付けが変わる(嫌な記憶が単なる記憶に変わるという感じ)
・その記憶についていた恐怖や不安などの感情の解放 などが起こります。
自分で一人でやるのが難しい場合は、こちらで質問したり誘導したり、セッションで解放や書き換えをお手伝いすることもできます。(シータヒーリング、タイムラインセラピー、退行催眠、NLPなどの手法を使います)
それでは実際のワークのやり方を説明します。
ワークの実践手順
静かな場所で横になってリラックスして、ゆっくり腹式呼吸をしてください。
ボーッとした状態になったら、優等生を強いられたことに関する過去の記憶を思い出していきます。ほとんどの場合親との記憶になると思います。
一番最初に親に優等生であることを強いられた場面、強く印象に残っている場面、一番苦痛だった、嫌だった時の場面を思い出してみてください。
それは中学校、それとも小学校の頃でしょうか、それとも幼稚園の頃でしょうか。
名門の幼稚園や小学校に入れられるために、遊ぶことを許してもらえず、朝から晩まで勉強を強いられたり塾に行かせられた体験。
やりたいことをさせてもらえず、やりたくない習い事をさせられたり
親が自分の思い通りの子供にさせるために厳しく叱られたり、躾られた体験。
本当は遊びたい、違うことがやりたい、でも親には逆らえない…苦痛や葛藤などを感じてください。親に対しての怒りや恨みが出てくるかもしれません。
優等生でいることを強いられた、厳しくされた場面を、映像でも言葉でも音でも臭いでも感覚でもいいので何でもいいので五感情報としてできるだけ思い出してみてください。
当時の自分自身をイメージしてください。現在でしたら今の自分になります。
次に、当時の自分自身の前に、優等生を強いてきた人(親など)がいることを想像してください。
イメージの中で、当時の自分が、その当時の自分では言えなかった、言いたいことを全て包み隠さず親に対して吐き出します。
例えば
「勉強なんてやりたくない!」「そんな名門の学校なんて行きたくない!塾なんか行きたくない!本当は友達と遊びたいんだ!」「ゲームもやりたいし漫画も読みたい!」「勉強なんかより絵が描きたいんだ!」
「なんで嫌なことをさせるんだ!何で信頼してくれないんだ!」
など当時言えなかった本当の気持ちを全部吐き出します。
親に対して恐怖心や、言うことに対して抵抗感がある人もいるかもしれません。
その場合は大人の今の自分が立ち会って近くで見守ってあげるのがよいでしょう。大人の自分が守ってあげるから何を言っても大丈夫という感じです。
それでも抵抗があれば、仮面ライダーやセーラームーンなど子供の時に好きだったヒーローやヒロイン、自分が尊敬している人物、格闘家、両親の親などに味方になって立ち向立ち会ってもらったり、その人から言ってもらうというのでも可能です。
当時の自分が親に言いたかった事をイメージの中で包み隠さず言います。
「お母さんなんて大嫌い!」など汚い言葉で本音をぶつけてもかまいません。とにかく言えるのであれば本音を包み欠かさずにぶつけます。
感情が強く出てくるようなら実際に声に出していても構いません。
逆にそんなことを言ったら、親を悲しませてしまうってと感じてしまう場合もあるかもしれません。もっと優しい口調でもかまいません。
小さい子供の自分が言うのが抵抗があれば、大人になった自分でもいいですし、自分が尊敬して自分が好きだったヒーローや、尊敬している人物、親が頭が上がらないような人物に親を叱ってもらってもかまいません。
今の当時より成長した自分であれば、当時の子供の頃では思い浮かばなかった、正当な反論を主張できると思います。それを大きくなった今の自分や、他の人物に言ってもらいます。
「小さいうちから勉強させたかわいそうじゃないか」
「勉強ばかりが全てじゃない、子供の頃はいろいろなことに興味を持って遊んだりする経験も今後の人生でとても役に立つんだ」
「本当に大学に行きたいと思ったらその時に自分の意志で勉強して行くだろう。お前はそんなに自分の子供の事が信頼できないのか?」
親が許せなくて怒りがあるなら、コテンパンに叱ってもらってかまいません。
「自分の責任で自分のやりたいことをやるから心配しないで、僕のこともっと信頼してほしい、僕が選んだやりたいことを応援してほしい、口を出さずに見守って欲しい」とにかく親に言いたいこと、して欲しかったことを言います。
このようなことをしていると、イメージの中の親から何か返答があると思います。
もしかしたら「今までごめんね、そんなに嫌だったなんて、そんなに苦しんでたなんて気づかなかった」など謝罪してくるかもしれません。(うまくいくと不思議とこのような反応があります。)
親を許して和解して、小さい頃の自分が笑っているような感じがしたら、親とハグしてそれを光に包んだイメージをして、ゆっくり現在に戻ってきます。
うまくいくとおそらく涙が出てくることもあるかと思います。
これは過去をやり直した(記憶を書き換えた、過去が変わった)ということになります。脳にとっては過去の記憶が実際にあったものかそうでなかったかは一切区別しません。それが真実だと心の底から信じているかどうか、それが脳にとってのプログラム、命令になるのです。
脳にとっては、子供の頃に親から優等生であることを強いられることはなかったというのが真実になります。優等生でないと叱られる、失望される、見捨てられるなどの恐怖心も自然となくなります。
体験の記憶とそれにより作られた信念がずっとあなたを縛り続けていたわけです。
縛っているものがなくなったため、無理をしなくても自然と本当の自分を出して生きることができるようになります。
最初はこのようにうまくいかないかもしれません。
あなたが手放す準備ができていればこのようなことがイメージの中で起こってきます。
まだ優等生でいることへの強迫観念などが残っている場合は、長年強制されてきてるので習慣になっていたりします。
抑圧していた感情が解放されるために表面に出てきてネガティブになったりすることもあります、変な夢を見たりすることもあるかもしれません。
2週間とか1ヶ月たっても、まだ残っているようなら別な記憶のアプローチも必要かもしれません。例えば学校や塾の先生にも言われたなど。
これは不思議なもので、実際の親の無意識の領域にも伝わります。
なぜか実際に親が急に変わって好きなことをすることを許してくれたりなど不思議な変化が起こった事例が沢山あります。
さらに詳しく実践したい場合はこちらのタイムラインセラピーの記事を参考におこなってください。
また今まで親の言いなりになっていたため、自尊心、自己肯定感が低く、自己否定が強くなってしまっていることも多いので、本物の自己肯定感を養うワークも行ってください。