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兄弟姉妹と比較されるのが辛い人へ【比較による劣等感を克服する方法】

今回は、親から兄弟姉妹と比較されてダメ出しをされ、辛い思いをしていると言う人のために、繰り返し比較されたことで作られてしまった劣等感やコンプレックスを克服していく方法について説明します。

目次

比較されるのは苦しいこと

他人と比較されてダメ出しされるのはとても辛く苦しいことです。

なぜかというと、あなたはあの人より劣っている、価値がないと言われているようなものだからです。

特に、子供にとっていちばん認めてほしい両親から、同じ家族である兄弟姉妹と比られて「あなたはお兄ちゃんより劣っている」などと面と向かって言われるわけですから。とてもつらく苦しくなり自分の存在価値などないと劣等感を感じてしまうのは当然のことです。

私たちは何でも他人と比較される社会で生きています。

学校の成績、受験、会社に入れば仕事の成果や成績、出世。

部活も体育会系でも文科系でも、大会や賞などがあり他人と比較されます。

現代の学校教育は、生徒同士の成績などを比較することで順番を決めたり、偏差値を出しています。

成績やテスト、技能、部活でも部内での能力や成績、大会などで他校との比較。

親もこのような社会で生きてきたので、比較して優劣を決めるのが当然の事のように思い込んでしまっています。

容姿、背の高さ、能力なども他人との比較によって優劣を決めています。

自分の人生がうまくいっているか、自分が幸福かどうかということまで他人との比較によって決めてしまう人すらいます。

他人と比較して優劣や勝ち負けを決めるという考え方に洗脳されてしまっています。そう信じて疑わずに一生を終える人もいます。

ですので、あなた自身も無意識のうちに自分の容姿や成績や能力などを他人と比べて優劣をつける癖がついてしまっています。他人と比較して自分の価値や優劣を決めるという価値観を受け入れてしまっているから、他人から比較されると苦しく感じるわけですね。

比較は、家庭内でも起こります。「何であなたはお兄ちゃんのようにできないの?」「お姉ちゃんは勉強ができて成績が良いのにあなたは本当にダメね」などと、兄弟姉妹と比較されたりします。

子供にとって1番認めてほしい両親から、「お兄ちゃんは優れているのに、あなたは劣っている」と言われるのですからとても辛く苦しく、自分など存在価値がないと感じてしまいます。

親自身も、比較社会で育ってきたので比較するのが当たり前のように、「あなたも頑張ってお兄ちゃんのように立派になりなさい」と言ってるつもりでも、それが子供をどれだけ苦しめて傷つけているかを理解していないのです。

比較によって勝ち負けや優劣を決まるという信念を持っているから苦しいということに気づかずに、他人より劣っているから苦しいのだと、死に物狂いで頑張っていい大学や会社に入る人もいます。

がんばって他人に勝っても一時的名上辺だけの優越感にすぎず、常にあらゆる面で他人に勝っていないと心が満たされず、勝っていても他人に負けたり追い抜かされることに怯えて過ごすことになります。

自分の努力だけでは勝ち続けるのは大変なので、他人を蹴落としたり、見下したりして相手を下げることで勝とうとするようになる人もいます。

他人との比較で自分の優劣を決めることが苦しみの原因

あなた自身が他人との比較で自分の優劣を決めるという物差しを持っている、つまりそう信じていることが、心の苦しみや人間関係のトラブルの大きな原因の一つになっています。

自分が「他人と比較により自分の優劣を決まる」という信じ込みを持っていなければ、他人から比較されたとしても気にならないはずだからです。

他人との比較で優劣で自分の価値や幸せかどうかなどを決まるという無意識に入ってしまった信じ込みを解消しない限り、他人のとの比較によって苦しむことになってしまいます。

人間の脳は、これは自分にとっての絶対的で真実であると信じ込むと、それが脳にとっての命令となり、それに基いた言動を取らせます。

すると、本当に自分のやりたいことだけどではなく、他人に勝つために、勝ち組になるために人生を生きるようになってしまいます。

親や学校で比較され、自分も他人との比較する物差しを持ってしまうと、劣った存在にならないように、他人より優れよう、他人に勝とうと必死にがんばります。

本当にやりたいことを押し殺して、優秀な兄弟姉妹に追い付くために、猛勉強していい大学や会社に入るという人もいます。

人生の目的が本当に自分がやりたいことでなく、誰かに追いつくため、他人に勝つため、他人に蹴落とされないためになってしまっているのです。

比較の物差しを持っている限り、苦しみは終わらず、より優れた人や自分が持ってない物を持っている人に嫉妬し、劣等感を感じ、勝っていても、いつ負け組みになるか、蹴落とされるか、奪われるか、と怯え、自分を脅かす他人を蹴落とそうとします。

人によっては自分ががんばるのではなく、自分より下の人を見下したり馬鹿にすることで心の平安を得ようとします。

親や社会に植え付けられてしまった「他人と比較で優劣を決める」という物差しを取り下げることで、他人との比較することにより起こる様々な苦しみや問題から解放されます。

このページでは、親の呪縛から解放され、他人と比較して自分の優劣や価値を決めると言う物差しを取り下げるための方法を解説します。

他人と比較することをやめて劣等感を克服するワーク

あなたの中に持ってしまっている他人と比較して自分の価値や優劣を決めると言う物差しを壊していくためのワークを行ってきましょう。

あなたを兄弟姉妹と比較して、他人と比較するという価値観を植え付けた、親から自由になるためのワークを行います。

1.比較されたことによる感情や本音を書き出す

あなたはこれまでに両親から事あるごとに兄弟姉妹と比較されてとてもとても辛く苦しい思いをできたと思います。

まずは比較されたことによる苦しみや、親に対する言いたいことや感情を全て吐き出していきましょう。

紙と鉛筆を用意して下さい。

これまで、親から兄弟姉妹と比較されたことで、あなたが感じたこと、比較する親や学校や社会に言ってやりたいことなどを正直に本音を吐き出してください。

「いちいち比べんじゃねーよこのクソババア!兄貴と俺は関係ねーだろ!○ねよ!気に入らないんだったら最初から産むんじゃねーよ!」

「どうせお姉ちゃんと違って容姿も頭も悪い、努力してもお姉ちゃんのようにはなれない、どうせ何の価値もない、存在価値のない人間なんだ」

このようなどんなにきたない言葉でも否定的な言葉でも構いません。誰にも見せず捨ててしまうので、正直に今自分が思っている本音をさらけ出します。感情を表現するような言葉で、感情を表現していきます。

これを書き出すことで、今までずっと我慢したり溜め込んでいた感情を吐き出してすっきりすることができます。また自分がどのようなことを感じて、信念を持っていたのかが本音をはっきりと自覚することができます。

感情は、何らかの形で表現すると消化されて消えていきます。しかし、我慢したり押さえつけたりなかったように振舞ってしまうと、潜在意識の中に抑圧された形に残って、何かの拍子に苦しい気持ちとして苦しみが湧いてきたり、長く続けているとストレスにより鬱病のようになったりメンヘラ状態になってしまったりもします。

溜め込んで我慢していたことを吐き出すと共に、自分が持っていた感情や、信念、本音、言い分などに気付き、自覚することができます。信念は、気付くと手放しやすくなります。

2.比較する親に対しての言い分、してほしいことを明確にする

あなたを兄弟姉妹と比較してきた親に対して、あなたの言い分や本当にして欲しいこと、過去にしてほしかったことを明確にします。

以下の項目を紙に書き出してみてください。今度は先ほどと違って感情を表現するという事ではないので、普通の丁寧な言葉で淡々と書き出して下さい。

・今まで兄弟姉妹と比較してきた親に対してどのような事を言いたいですか?

・親に本当はどのように接して欲しいですか?

・過去にどのように接してほしかったですか?

「自分は自分なんだから、いちいち兄貴と比ないでほしい、比較されてものすごく傷ついた」

「お姉ちゃんと比べないでほしい、自分なりにお姉ちゃんに近づこうと努力もして来たのだから認めてほしい」

このような出てきた言葉は、親に対する言い分であると共に自分自身に対しての言い分でもあります。

親や社会で比較されてきたので仕方ないとは言え、自分も自分自身を誰かと比較してダメだと思うことに賛同、受け入れて同じ物差しを持ってしまっています。

つまり、「俺は兄貴と比べてダメだ、劣っている」と自分でも思ってしまっているのです。

親に比較されたとしても「兄貴は兄貴、俺は俺。兄貴は期待されて勉強勉強で大変だねぇ。俺は好きなことやって自由で気楽だ」と受け入れていなければ(自分では比較しなければ)劣等感や苦しみは発生しないからです。

これからワークを行うことで目指すのはまさにこの状態です。

3.親からの比較された体験の記憶を無力化する

小さい頃から、親に兄弟姉妹と比較されて「お前はダメだ」などと言われた記憶を、これは自分にとって絶対的な真実で、とても重要な情報ですという形で無意識に残したままにしておくと、となになっても劣等感にさいなまれたりさまざまな悪影響を与えます。

比較による劣等感で苦しむのは、親に兄弟姉妹と比較された時の記憶に「自分は兄貴より劣っている、だから自分は兄貴に追いつくために頑張らなければならない」といった意味づけがされたまま、無意識の中にありありと残ってしまっているからです。

過去に比較された記憶を処置して無力化させてしまいましょう。

記憶自体を変化させる
記憶に対する意味づけを変える
記憶自体を無力化する
記憶の出来事から気付きや学びを得て納得する

このようなことをすることで、過去の比較されて嫌な思いをした体験の記憶が、だだの何の意味もない何の影響力もない記憶に変化していきます。

「自分は兄貴より劣っている、兄貴に追いつかなければならない」といった信じ込みも外れるので、劣等感にさいなまれることが無くなっていき、人は人、自分は自分という意識を持ちやすくなっていきます。

これら記憶を処置するのはタイムラインセラピーで行います。タイムラインセラピーはこちらの記事で詳しく書いているので参考にしてください。

4.今まで比較してきた親との折り合いをつける

今まであなたの事を兄弟姉妹と比較してダメ出ししてきた親と、折り合いをつけたり、和解をしたり、葛藤を手放すということを行います。

そうすることで今まであなたが親に比較されたことで苦しみ、比較対象である兄弟姉妹に近づこうと必死に頑張るという呪縛から解放されていきます。

先ほど、親に対する言い分、して欲しいこと、して欲しかったこと書き出したと思います。

実践としては、その内容を直接親に伝える方法、イメージワークの中で伝える方法があります。

もし、紙に書いた内容を、直接親に伝えられるとしたら伝えてみてください。

話をろくに聞いてくれないと感じるのってようでしたら手紙にして渡すのもよいです。

親が理解してくれるかどうかは分かりませんが、親が当時より大人になっていれば謝罪してくるかもしれないですし、理解してくれなくても、言いたいことを全部言ったということで満足します。

直接なんてとても言えない、親がそんな話を聞いてくれも受け入れてくれもするわけがないと感じる場合は、イメージワークの中で行います。

イメージワークの中で行っても、きちんと実行することができれば実際におこなったのと同じような効果が得られます。

なぜかというと、人間の脳は実際の体験とイメージの中での体験を区別することができず、イメージの中での体験で実際に体験してないことであっても自分にとって絶対的な真実であると信じればそれが脳にとっての真実となるのです。

こちらのタイムラインセラピーの手順の、対象人物をイメージの中に出して言いたいことを言う、というやり方で行ってください。

5.親から比較され続けて傷ついている自分を癒す

あなたの中には、今まで親に比較されてダメ出しされ続けてきたことにより、劣等感を感じて傷ついてしまっているもう1人の自分がいます。

親から比較されるだけではなく、自分自身でも「どうせ自分は兄貴より劣っている」といった自己否定をすることで傷ついてしまっています。

そんな傷ついている自分に謝罪をし、労わってあげます。

最初は意識的に、普段の時間が空いたときとか夜寝る前に、自分は自分であり他人との比較で優劣が決まるものでもない、私を私として素晴らしいのだ、というように自分自身に語りかけてみてください。

自分のできること、できたこと、素晴らしいところ、長所などを100個書き出してください。

○○というゲームをクリアした
パソコンのブラインドタッチができる
小学校の時描いた絵が佳作になった

などのどんなに小さなことでもかまいません。

脳は、数が多いほど、それを真実だと判断するので、私には良いところ、できることがたくさんある、自分は他人と比較しなくても素晴らしい存在なんだと、脳が認識するようになります。

6.自分に他人との比較で自分の優劣を決めるという信念がないかチェック

親や社会から比較され続けていることで、あなたも無意識に他人との比較によって自分の優劣や、自分がうまくいっているかどうか、自分が幸せかどうかを決めるようになってしまっていたりします。

言動することが、自分がほしい、やりたい、なりたいからではなく、
他人に自慢したり、マウンティングするため、勝つため、優越感に浸るためというのが目的になってしまいます。

常に他人に負けないようやりたくないことも無理して頑張る

得たものや地位を失う、奪われる、蹴落とされないか、気が気でない

見栄を張ったり、自慢したりして、マウンティングして他人に嫌われてしまう

といったことになってしまいます。

自分の中に他人との比較により自分の優劣を決めると言う信念がないかどうかをチェックします。

次の質問にYes/noで答えてください

質問1.何かをやりたいから、なりたいから、得たいから、ではなく他人に勝つために何かを頑張ることがある

質問2.他人より優れるため、他人に自慢するために大して欲しくないものを買ったりといった行動をしたことがある

質問3.自分がいかに優れているかを他人に誇示したり自慢したくなる

質問4.自分の欲しいものやなりたい状態を周囲の人が手に入れてるの見ると嫉妬したり腹が立つ

質問5.他人が自分より評価されたり、褒められたりしてるのを見ると嫉妬したり腹が立つ

質問6.他人に勝っていたり、他人より優れていると安心したり優越感や幸福感を感じる

質問7.何かで他人に負けないか、劣ってしまわないか不安や恐怖を感じる

Yesが多い人は、人と比較により自分の優劣や幸せを決めるという物差しを持ってしまっているので、該当の信念を取り下げて、外に置いていた軸を自分に取り戻しましょう。

軸を他人ではなく自分自身にする

自分の評価や、自分が優れているか自分の優劣、自分がうまくいってるか、幸せかどうかを、他人との比較や他人の意見ではなく、自分で決める、軸を自分にすることが大切です。

人生がうまくいって幸せにしている人や、何か大きな成果を出している人は、軸が他人ではなく自分にあります。

何かをする目的が他人に勝つことではなく、それが本当に好きだから、それが本当にやりたいから、その目標達成したいからやっているわけですね。

他人に勝つことだけが目的で必死に頑張っている人は、いくら成功しても恵まれている状況でも、幸福や満足感を感じられないといわれています。

以下は、野球の世界で、日本人でありながら世界で前人未踏の記録を出し、大成功を収めているイチローさんの言葉です。

「人に勝つという価値観では野球をやっていない。」

「第三者の評価を意識した生き方はしたくない。自分が納得した生き方をしたい。」

「自分のしたことに人が評価を下す、それは自由ですけれども、それによって、自分が惑わされたくないのです。」

「首位打者のタイトルは気にしない。順位なんて相手次第で左右されるものだから。自分にとって大切なのは自分。だから1本1本重ねていくヒットの本数を、自分は大切にしている。」

将棋の世界でトップクラスの成績を残している羽生さんも、

(相手に勝とうとかではなく)常に今の状況で最善の一手を打っているだけ

相手がどうこうではなくただ自分が強くなればいい(そうすれば結果的に勝てる)

ということを述ています。

目的が他人に勝つため、他人より優れるためではなく、自分が決めた目標に向かっている、自分ができる最善のことをしている、自分に軸があるということですね。

次の言葉を声に出して宣言してください。

「私は、今まで他人との比較で自分の価値や優劣を決めるという物差しを持っていたことを認めます。これからは自分の価値は自分で決めます。自分が心からやりたいことをやります。」

これまでに親から比較された記憶を処置したり、傷ついた自分をある程度癒し、親と精神的に和解などができていると、このような信念を受け入れやすくなっていると思います。

他人と比較してもかまわない、まずは比較してしまう自分を許そう

今まで他人と無意識に比較する癖がついているので、そんなにすぐにはなかなか変えられないという人もいるでしょう。

比較してしまった時に、比較してしまう自分に対して「比較してはいけない!」ととやってしまうと、自分が持っている信念に抵抗することになります。

緊張するな、緊張するなと思うほど余計に緊張てしまうように、抵抗すると余計に力が強くなってしまいます。

「また比較してしまった…自分はなんてダメなんだ」と自分を責めてしまうことも、自分は比較してしまう人間なんだという思い込みを強くしてしまいます。

「比較してしまっても構わない」と思うことが結果的に手綱を緩めることになります。

もし自分と他人を比較して苦しくなってしまった時などに、自分に言葉をかけてあげましょう。

人によって受け入れられる言葉が違うので、次のような言葉を自分が受け入れられるような言葉を選んでかけてください。

「あなたにはあなたの個性があるし、あなたにもいいところもたくさんあるから比べることないよ」

「人それぞれ能力が得意なことが違うんだから、他人に合わせる事はないよ、自分のペースでやればいいよ」

「比較してしまうのも仕方ないよね、それはそれでしょうがない、まっ、いいか」

「比較してしまってごめんね、これからは少しずつ比較しないようにするから」

「(自分の欠点に対して)逆にそれが味になっていいんじゃないか」

受け入れてあげることで、弱まって手放しやすくなります。

そして、自己肯定感を養っていくと本物の自信がつき、条件に左右されない、何かがあってもなくても、それはそれで満足で幸せ、という状態になるので、自動的に他人と比較するということがなくなっていきます。

7.自己肯定感を高める

親から比較されて劣っている言われと続けてきたことで自尊心がとても低く、自己肯定感がなくなってしまっている状態にあります。

ですので、自己肯定感を高めていく必要があります。自己肯定感が高いというのは、何もなくてもありのままの自分で素晴らしい、ありのままで自分は価値がある、自分は魅力的だと心から思えている状態、欠点や劣っていると感じる部分でも、認めて受け入れているという状態です。

ですので、自己肯定感が高くなれば、ありのままで素晴らしいと信じているので、自然と他人と比較することがなくなってきてますし、他人から比較されても自分は関係ないと劣等感を感じずにスルーすることが出来るようになります。

そして、誰かと比て誰かに勝つために何かを頑張るというのではなく本当に自分がそれがやりたいから、好きなことだからやるというようになっていきます。

そうするといろいろなことがうまくいって人生が楽しくなってくることでしょう。

自己肯定感を高くするためのワークはこちらから

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